座布団が行司にクリーンヒット

九州産馬、佐賀競馬、地方競馬、アビスパ福岡を応援しています

熊本牧場巡り

南九州の旅も最終日となりました。
本当ならば帰ってきてすぐ更新する予定でしたが、この長文をミスで全消しされてしまい、
バックアップもしていなかったために一からやり直し。その後睡魔に負けて熟睡。
そして今になってしまいました。申し訳ない。

うぶやま牧場へオペラキッスを見学に

うぶやま牧場のある阿蘇産山村熊本市街から車で1時間半といったところ。
朝から雪が降っていましたから、タイヤチェーンが必要になるんじゃないかとビクビクしながら運転してました。
産山村に入ってからは標識の通りに進んでいく。ん?何か見えるぞ。あれは・・・風車?
いや風車じゃなくて巨大な風力発電施設。まさかと思っていたら、そこがうぶやま牧場でした。
それにしても風雪がすごい。発電の電光掲示板を見ると、「発電出力671kw 風速22.5m」とありました。
車の中にいても車が風で揺れますからね。どっか飛んでいくんじゃないかと思いましたよ。
オペラキッスの馬房は他の動物達と一緒の場所にありました。ポニーと同居生活です。
事前に見学する旨を連絡していたのですが、馬房にいたおじさんの耳には届いていなかったようで、
それでもオペラキッスを見に来たと告げると「この馬がそうだ」と教えてくれました。
オペラキッス。競馬場で見る姿とはまた違う感じがしましたが、馬格は他の馬とは段違いでした。
しかしかなり落ち着きが無い。違う環境にまだ慣れていないのか・・・隣の小さなポニーに八つ当たりしてる。
まだ走り足りないって言ってるのかなぁ。現役時代も良い方ではなかったとは思うが、それにしても荒れている。
引退は決定ではないと山田調教師はおっしゃっていたらしいですが、オペラはまだ跨ることすら出来ない状態らしい。
脚の状態が悪いのか、この気性の悪さが影響しているのか。隣の馬は非常におとなしくて私にじゃれてきました。
果たして戦列に復帰することができるのか、微妙な感じでした。信じて待ちたいです。
おじさんは私がオペラキッスの見学に来たことが不思議なようでした。
「この馬強かったの?」
佐賀競馬で最強だった馬ですよ。」
「荒尾じゃなくて佐賀?荒尾って聞いてたんだけど・・・」
どうもあまりご存知で無い様子。ファンの皆さん、うぶやま牧場にどんどん見学に行ってあげてください。
そして働いている方々にオペラキッスが凄い馬だったって事を教えてあげてださい(笑)。
実際、オペラがこの牧場に居るということが知れれば、もっとお客さんも増えるんじゃないかと思うんですけどね。
ここでは子供向けに色々な施設・小動物と触れ合えるスペースがありますし、無料で乗馬体験もできます。
またレストランでは阿蘇名物のお肉なんかも食べられるそうですよ。観光として行っていいんじゃないでしょうか。
以前ニュースになっていた、オペラキッスを呼び物にして草競馬などを行う計画は、実際に考えられているらしい。
しかしまだそういう計画があるだけという段階で、まだ何も決まっていないようでした。
インターハイクラス種牡馬オペラキッスは乗馬。いや乗馬になれるだけでも幸運なんでしょうけど、
その乗馬としても役に立たない場合は本当に処分されちゃうんじゃないかと、不安になってしまいました。
馬主さんと場長さんが処分なんてさせないとは思いますが、頼むからもう少し大人しくなってくれよ、オペラ。
そう心の中で念じて馬房を出ました。お土産に買ったバターキャラメル、おいしゅうございました。

本田牧場へ

熊本市街へ戻る途中、どうしても我慢できなくなって睡眠。かなり時間が経過してしまった。
本田牧場さんへ電話を入れるが留守電。一応見学したいと伝言を入れておく。
反応が無いまま牧場へ着いてしまった。辺りをウロウロして時間を潰すが携帯に返事はない。
仕方がないのでアポ無しで牧場に行ってみることに。入り口近くで作業をしているお二人に声を掛けると、
その一人が本田土寿さんでした。本田さんは快く見学を受け入れてくれました。ただ残念なことに、
現在馬房を建設中なので、ほとんどの馬を別の場所に預けているそうで。グレートサンだけはいました。
メガスターダムデュラブなどに会えなかったのは残念でしたが、本田さんに出会えたのは幸運でした。

本田土寿さん

牧場は全部手作りだそうです。「設計図は頭の中に入ってる」と一笑。
立ち話もなんだから、ということで近くのお店でうどんをご馳走してもらいました。
私、この旅行で皆さんのお世話になりっぱなしで本当に申し訳ない。
しかも本田さんは260円の天ぷらうどん、私は330円の肉うどん。値段に気がついたのは注文した後。
ご、ごめんなさい。せめて本田さんよりは安いのを頼めよなぁ・・・俺。おごってもらってるんだからさー。
そこでかなり中身の濃い、貴重なお話をたくさんしていただきました。全てをここで紹介は出来ませんが、
本田さんの生産にかける情熱はビシビシ伝わってきました。その一部を書きますと、
私「先週のマイネルマリクの優勝、おめでとうございます。」「マリクはこれからどんどん強くなるよ。」
「鉄平ちゃんが完全に手の内に入れてる。」「今後は芝に戻すかも。」私「霧島賞は出走できませんね。」
「夏に降級するから可能かもしれないが、もしこのまま行ってしまうよなら無理だね。」
私「関東に行っちゃったから、小倉で見れないのは残念ですよ。」「(東京など)直線長い方がいいからね。」
私「目標は来年のフェブラリー?」「いや、ジャパンカップダート(笑」
その他にもマリクに関する色々なことを聞きました。ラフィアンの岡田氏はやはり凄い人だと。
グレートサンはいいよ。来年の小倉では九州産の勢力を塗り替えるかもしれない。サンデーの
 いいとこを全部持ってる。(全兄弟の)ジェニュインよりも上かも。」グレートサン産駒が今から楽しみです。
「メガは子出しがいい。今年は7.8頭生まれるかな。」「アイラインドリームはたんぽぽ賞に出したかった。」
私「活躍馬を輩出した牝馬を連れて来ることが多いですね。」「ウチはそれが多いね。」
私「(マリクの母の)ハナブサクインは?」「もういないんだよ。アレが残ってくれていればねぇ・・・」
「今月の終わりごろから仔馬が産まれて、馬房も完成して馬が戻ってくるから、また来ればいい」
ということで連絡先を交換していただき、また来ることを約束しました。どなたか私と一緒に見に行きませんか?
最後に印象に残った言葉を。
「大きさは北海道には敵わないけど、安くても、負けない強い馬を作ることが出来る。」
本田牧場生産馬の強さの理由が垣間見えた気がしました。本田さん、ありがとうございました。

片山建治牧場

もう夕方近くになり、片山牧場に着く頃にはすっかり暗くなってしまいました。
連絡を入れると、放牧から戻しているし暗くて見難いかもしれなくてもいいなら、ということで了承を得ました。
片山牧場は荒尾競馬場のすぐ近く、荒尾市内にあります。私はこちらの牧場の生産馬が大好きなんですよ。
いつも九州種馬場の種牡馬を種付けされるんですよ。現在北海道まで種付けに行く牧場が多い中、
このスタンスに私はずっと応援しています。しかもそれでも強いんです。佐賀・荒尾で大活躍です。
たんぽぽ賞でもナセとカシノワカムシャが出走して好走しました。九州競馬の九州産勢ではNo.1とNo.2ですよ。
この日はベルガモットシールも休養で戻ってきていました。04年霧島賞馬、佐賀・短距離界の最強馬です。
今年も霧島賞に向けて現在休養中ということです。私はサマーチャンピオンは?とお尋ねすると、
「本当は去年も検討してたんだけど(霧島賞との兼ね合いから)やめた。今年も考えてはいる。」とのこと。
霧島賞とサマーチャピオンは間隔が狭いですからね。両方出走できるならいいんですけど。
また、ナセの母タマノセイフウとワカムシャの母シュペリオリティもいました。両方とも現役時代は
佐賀や荒尾で活躍した馬なんですよね。こちらの牧場の馬、母や兄弟姉妹や近親はほとんどが
九州で活躍していた馬ばかり。佐賀競馬荒尾競馬を陰で支えていたと言っても過言ではありません。
ナセの兄コニヤはどうしているのか尋ねてみると、もう怪我は治って最近厩舎に帰ったらしい。
1年近く休んでいましたから心配してたんですよ。能力はあるから復帰後も楽しみです。
このブログで以前書きましたが名瀬(ナセ)と古仁屋(コニヤ)はどちらも奄美大島の地名です。
その由来を聞くと、若い頃に奄美でお世話になったことがあるからということでした。
私が馬の鼻の頭を撫でていると、片山さんが正しい撫で方を教えてくださいました。
手を馬の目の前に持っていくと叩かれると思って怖がってしまうから、首筋辺りから撫でていって
徐々に頭、鼻の方へ手を持っていくのがいいそうです。こちらの牧場の馬はほとんどが大人しいので
そんなことしなくてもいいくらいでした。そういえば鹿児島で触ろうとして怖がっていた馬がいたなぁ。
旅の初めにここに来れば良かった。まさか旅行の終わりになって知るとは。次からはそうします。
帰りがけに牧場の若い人から声をかけられました。ブログか何か持っていますか?と尋ねられてビビりました。
まさか私のブログを知っていたのか!?って。そうじゃなくて、もし持っているのなら後で見に行きますよとのこと。
「ブログの名前は何と?」「名前が変だから言うのが恥ずかしいな・・・『座布団が行司にクリーンヒット』っていう…」
「え?」「(うわっ、やっぱ恥ずかし)・・・ああ、『九州産馬』で検索すればそれっぽいのが引っ掛かりますから。」
「ここについてどんなことを書きます?」「いや、思いっきり褒めておきますよ。ダメなら文句言ってください(笑)」
ということで、いかがでしょうか。変なことは書いていないつもりですが(笑)。本当にいい牧場なんですから。
私、実は友人や知り合いにはこのブログのことを一切教えていないんですよ。恥ずかしいから。
実際に出会った人に自分のブログを見てもらうのってなんか変な感覚するんですよね。私だけでしょうか。
しかも牧場で働く人から見ると、私の文なんて「偉そうに」って感じでしょうからねぇ・・・あー。恥ずかしい。
ある一人の九州産馬競馬ファンの戯言として、大目に見てやってください。よろしくお願いします。
以前、九州馬事探訪(http://www2u.biglobe.ne.jp/~emo/index.htm)の管理人さんもおみえになったそうです。私が
そちらのサイトを参考に来た、最近は更新が止まっていて心配だと言うと、あちらさんも心配しているようでした。
暗くなってから来て、何枚か撮った写真。帰ってきて見たらほとんど使えませんでした。無念。
今度来る時は昼間の明るい頃、放牧のしている時間帯に写真を撮りたいなと思いました。
荒尾競馬場にも近いですから、午前中は牧場見学で午後から競馬場ってのもいいんじゃないでしょうか。

今回の旅行を終えて

どこの牧場に行っても皆さんに歓迎していただいて、よくしていただきました。
「ファンがわざわざ来てくれたんだから」と、皆さん暖かく接してくださいます。本当にありがたかったです。
北海道もいいですが、九州の牧場にもどんどん見学に来てください。絶対好きになりますよ。
今度はまだ行っていない牧場や、大分や宮崎の牧場、鹿児島の海岸調教なども見てみたい。
収穫が沢山あった旅行でした。

6,7日の分で書ききれなかったこと

伊東牧場にて。
馬が本当に可愛いんですよ。私が移動すれば一斉に私の行く方に移動してきますからね。
別の場所に放牧されてる馬達が「なんだアイツは」って感じで遠くから私を観察しています。
馬の中に「コイツがボスだな」と思うのがいましてね。私を独り占めしたくて、近づく他の馬に噛み付いて攻撃。
逆にまったく近づいてこない馬もいて、馬の世界も面白いものだなぁとつくづく感じました。
柏木牧場にて。
応接室でコーヒーをご馳走になったのですが、応接室は馬の写真と表彰状、トロフィーなどがいっぱいでした。
ヤマキリシマ特別は5年連続の制覇だったそうです。でも、たんぽぽ賞はいつも届いていなかったと。
今年も残念な結果に終わりましたが、来年こそは勝ってくれることを期待したいですね。
その日は翌日のたんぽぽ賞についての会合があったそうですが、私に時間を割いてくださった柏木さん。
さすが鹿児島県生産者会の会長さんだなと思いました。・・・偉そうなこと言って恐縮です。
ホースランドあいらにて。
夕方なのでもう皆さんは仕事を終えていることろでした。そんな時間にすみませんでした。
ここでは2匹の犬が歓迎してくれます。大きな黒いのと茶色いのがしっぽ振って突撃してきます(笑)。
もう1匹いましたがこちらは噛み付くからあまり近づかないようにと注意されました。
ほとんど手作りだという施設や坂路も圧巻です。鹿児島市に近いので途中で立ち寄ったりしやすいのでは?
荒尾競馬場にて。
Tienさんとお会いするのは実はこれが初めて。前日に急いで連絡を取りました。来賓席に入れるなんて
こんないい機会ないですからね。本格的なカメラと写真の機材に驚きました。
「競馬場のゴール前に行けば大体誰かいるから」と。私はいつも一人で競馬場に行くことが多いですからねぇ。
知り合いに競馬好きがいないんですよ。次からは競馬場に行くのも楽しみになりそうです。