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九州にいた種牡馬〜フラッシュオブスティール編〜

ネタが無い時にこのシリーズは書いてみようかと。


一昨年の秋、JBBAのサイトから突然名前が消えていたのを発見して驚いた。
その後九州にはダンツシアトルが戻ってくる事が分かったのだが。


ナガラフラッシュの活躍などで一時期は増えた種付け数も、
その後が続かず下降を続け、最終的に辿り着いた地が九州種馬場だった。
しかし九州でも挽回は出来ず結局種牡馬を引退。まるでJBBA失敗種牡馬の典型例のような・・・。


何をして「失敗」と呼ぶべきかは明確ではない。ただ、少なくとも九州では来た当初は
期待されていたと言っていい。九州の中ではかなりの種付け数を稼いでいたのは事実だった。
しかしどうしても比較されてしまうのが、シンウルフマークオブディスティンクションの影。
結局年齢の面で引退ということになったが、現役を続行していてもそれまでの種付け数は保てなかっただろう。
九州ではカシノフラッシュ(たんぽぽ賞3着)やターボフラッシュ霧島賞2着)などが代表産駒と言える。


カシノフラッシュといえば、ちょうど2年前。キングカメハメハが優勝したすみれSに出走したことがあった。
ヤマキリシマ特別で初勝利を上げてたんぽぽ賞2着だったとは言え、中央に戻った500万下で12着惨敗。
メンバーから見ても明らかに場違いなのは間違いなかった。しかし、登録通りに出走してきたのだった。
これには事情があった。福永甲調教師は勝負にならないということは分かっていた。事前の有力馬の動向などを
仲間内やTMに尋ねてまわり、どうやらすみれSは少頭数になるらしいということを聞き及んだ。
レースである程度の着順ならば賞金が入る。しかし多頭数ならばその賞金圏内すら危うい。
そこであらかじめ少頭数のレースを狙って下位賞金目当てに出走させたのだった。
傍から見れば、セコい真似を……と思う人がいるかもしれない。しかし私はそこに調教師ならではの努力を感じた。
努力というか経営精神というか・・・競馬も商売である。調教師は馬を走らせて馬主さんを儲けさせねばならない。
しかし預かった馬に能力が不足していたならば、そういうやり方でも、とにかくお金を稼がなくてはならないのだ。
馬を酷使して多くのレースに出走させる調教師がいるが、私はその方々を批判は出来ない。
競馬はロマンであると同時に商売。調教師さんの陰の努力を垣間見た気がしたのだった。


話をフラッシュオブスティールに戻す。この馬の直系を継ぐ馬は結局出てこなかった。
しかし、母系の中で行き続ける可能性はある。フラッシュの父はクリスである。
クリスといえばネオユニヴァースの母父。同系統ならば大物を出す可能性がこちらにもあるのではないか。
実際、テイエムリキサン・テイエムジェネラス兄弟の母リキサンフラッシュの父はフラッシュである。
数少ない父フラッシュオブスティールの母の中からこの程度の馬が出るならば、多少は期待していいはずだ。
これからはフラッシュオブスティールの名前が活躍馬の血統表で見つけられることを祈るばかりである。