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九州にいた種牡馬〜サンキリコ編〜

ユーフォリア、マイネエルザ、キオイスマート、ワンダーピアリス、インターピレネー・・・
一体どの馬を代表産駒としていいのかわからない。どれも小粒で……飛びぬけた存在がいない。
しかし今後に期待が出来る馬が現役にいる。サンキリコの代表産駒は、と尋ねられれば
この1頭だと言われるようになるかもしれない。それが九州産駒マイネルマリクだ。
だが、当のサンキリコはもういない。どうやら去年亡くなっていたらしい。
活躍馬が出てきてこれからという時期に……いや、もう20歳過ぎだから天寿を全うしたと思うべきか。


それなりの実績馬だが、九州に来ても種付けは伸びなかった。これは熊本の牧場にいたからということもある。
九州内と言っても熊本、鹿児島、宮崎ではそれなりに離れている。その地区の種牡馬はやはり
その地区内での種付けしか行なわれがちだ。牧場同士での繋がりとか、色々と理由はあるだろう。
そんな中、サンキリコの仔は頑張った。九州でのデビュー産駒がいきなり九州ダービーを勝ってしまったのだ。
サンアトムという頭にサンキリコの「サン」をつけたこの馬は、九州ダービーを人気薄で激走。
その後はパッとしなくなってしまったが、サンキリコの種付け数は翌々年少しばかりではあるが増えたのだ。
サンアトムの翌年に生まれたのがマイネルマリクである。1歳市場で以前から目をつけていた岡田氏が購入。
晴れてラフィアンの仲間入りとなった。この辺りはさすが岡田氏の相馬眼というべきである。
岡田氏はマリクのページにこう寄せている。「父サンキリコは(中略)収縮力が足りないのです(中略)
バネが不足している(中略)本馬は、そうした父の欠点が見当たりません。」


サンキリコといえばその血統から悪い意味で話題になったことがある。ダンツフレームだ。
ダンツフレーム種牡馬になれなかったのは、母父であるサンキリコがネックになったからだというのだ。
ダンツフレームの母はこの文章の一行目に書いたインターピレネーという馬。
母父サンキリコといえば、ダンツフレームの他にもアローキャリーなどを輩出している。
なんとG1馬が2頭も生まれているのだ。それなのに、血統表に「サンキリコ」が入るとどうも人気が出ないらしい。
貧相に見えるとでも言うのだろうか。結局、ダンツフレーム種牡馬になれないまま死んでしまった。


血統というのは、やはりイメージで語られる部分が大きいのかもしれない。
内国産馬が血統表に並んでいる馬より、アルファベットが羅列されていたほうが
その血統がどんなにマイナーであっても有難られているような気がする。
サンキリコは確かに大活躍する産駒は輩出できなかった。しかし、血統の中で後世まで生きる可能性はあった。
今はもう、その可能性はほとんどなくなった。あとはこれからの産駒に期待するしかない。
マイネルマリクがどうか間違ってでもG1を取って、間違ってでも種牡馬になってくれないかと
私は妄想しているのであった。


余談だが、マイネルエルザが今年グレートサンの仔を産むという噂を聞いた。
熊本の種牡馬が父、母父も同じく熊本の種牡馬。そんな夢の配合がこれから楽しめるとは。
やっぱり九州産馬の応援はこれだからやめられない。

(2/22)
アローキャリーが亡くなったらしい。ダンツフレームとともに短命だったなぁ・・・。