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JRAが控除率引き下げか

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2007/03/06/06.html
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200703/sha2007030606.html
競馬法を改正し、現在25%の控除率単勝複勝は20%)を引き下げる計画らしい。
単純に言えば控除率の引き下げで払い戻しが増える(つまりオッズが高くなる)ということで競馬ファン
とっては歓迎することなのだろう。これまで控除率については「高すぎる」という意見が多かったですからね。
しかし、諸手を挙げて喜んでいいのか?という気がするのは単に私が天邪鬼だからなのでしょうか(笑)
市丸博司さんはこうおっしゃっています。

(前略)
こうなると、馬券で勝つのも可能なのでは? という希望も出てきますよね。もちろん可能です。
現在の回収率が94%あるなら、回収率は100.3%にまで上がります。
この回収率なら、なんとか…という方は多いのではないでしょうか。
(中略)
ただし、毎週重賞だけ、あるいはGIだけ買っているような人は、この考え方に当てはまりません。
というのも、コンスタントに買っている人なら具体的な恩恵として直接跳ね返ってくるのですが、
あまりレースに参加していない人は、実感として受け取りにくいからです。
こういう人たちの購入額を増やすのは難しいんですが、恐らく「控除額20%で競馬が変わった!」
みたいな特集をスポーツ新聞だけでなく一般紙・週刊誌でもやるでしょうし、
これにより数を増やすことで売上が増えれば…という皮算用になりますかね。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ichi/article/9

確かに、あまり馬券を買うことの無い方にとっては大きな変化とは感じないかもしれません。
ほぼ毎週かなりの馬券を買う人にとってはトータルで大きくプラスになることは間違いないでしょうが。
それよりも下段のように「控除率引き下げで払い戻しが多くなる!」と、マスコミ各社が煽っていただいて
馬券を買う人が増えてくれれば……というのがJRAの考えのような気はします。


一方でやはり不安視する声もあるようです。
かなり昔の記事なので今とは見解が多少違っているかもしれませんが、須田鷹雄さんのコラムにて。

馬券を買う身としては、それはもちろん控除率が低いほうがいいに決まっている。
なんなら1%や2%になってくれれば、「馬券で食う」ことさえ可能になるだろう。
しかし、それでは産業としての競馬が立ち行かないことは明らかだ。
ムードとして「控除率を下げれば売り上げが増える」などと言うのではなく、
実際にどのようにすれば競馬産業全体としてベストなのかを考えなければならない。
売り上げを増やさねばならないというのは、すなわちJRAの収入
(これが賞金をはじめとする全ての源となる)を増やさねばならないということである。
ただそれは控除率が一定という原則に基づくものであって、要するにJRAの取り分を
最大化するにはどうしたらいいか、というのが問題なわけだ。
(中略)
もうひとつは、もっと手っ取り早い話として、安易な控除率引き下げ論をやめるということだ。
きちんとした試算に基づくものなら参考にしたいが、いまのところ
計算に基づく引き下げ論というものは無いように思う。特に見落とされがちなのが、
「国は(おそらく)国庫納付金を負けてくれない」ということである。
控除率を25%から20%にしようとした場合、国とJRAが痛み分けるのではなく、
JRAの取り分が15%→10%になってしまうわけである。
当然、売り上げが1.5倍にならねばペイしないが、控除率が25→20%になったからといって、
売り上げが4兆6千億/年以上になるとは考えづらい。
それ以下の伸びにとどまった場合、国が潤うだけで競馬はいま以上に困窮してしまう。

http://www.sudatakao.com/column20030104_03.htm

控除率を下げても売り上げが伸びなければJRAは損するだけになるわけで、結果として逆効果にもなりかねない。
(今までJRAはテラ銭ボり過ぎてたんだから引き下げるのは当然だろ!というお気持ちは置いといて)
あくまでJRAが売り上げを伸ばそうとして行う改革案の一環ですからね。マイナスになるなら元も子もない。
そして須田さんが仰るように「どの程度まで引き下げるか」が今後の課題になってくるんじゃないでしょうかね。
ちゃんとした試算をした上でやらないと、自爆するだけでしょうから。


しかし、これまでまったく手をつけてこなかった(手がつけられなかった?)「聖域」とも言える控除率にまで
変化の兆しが見えようとは、JRAもかなり切羽詰ってるんでしょうね。JRAだけでなく競馬界全体に言える事ですが。
実現すれば本当に大事件というか、競馬史に残るニュースであることは間違いないですね。
控除率ってのは、ギャンブルにおける胴元の最も根本にあるものですから。まさに「聖域」ですよ。
それくらい凄いことなんじゃないかと、これを書いた後になって今頃気がつきました(笑)。
関連:http://www.sponichi.co.jp/gamble/column/okera/KFullNormal20070207004.html