座布団が行司にクリーンヒット

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最終戦 アビスパ福岡1−3サガン鳥栖

http://kyusyu.nikkansports.com/soccer/jleague/avispa/p-ka-tp0-20071202-290283.html
http://www.sponichi.co.jp/seibu/news/2007/12/02/05.html
Confusion will be my Epitaph - amesukeの日記
http://kyushu-soccer.net/2007/12/vs-91.php
チームがこんな状態でも、足は自然とスタジアムに向いてしまう。
試合開始直後から感じたのは拭いきれない違和感。選手たちのの様子がどうもおかしい。
明らかにイライラしていて一つ一つのプレーに集中力が感じられない。悲しみが内包しているような怒り。
相手の鳥栖の選手たちにそれをぶつけているようで、申し訳ない気持ちになった。
鳥栖の選手たちもそれは感じているような気がした。途中から手加減されているような気すらした。
アレックスの一発退場、久永の2枚のイエローによる退場、川島のPK献上。そのどれも理由は分かっていた。
試合前日の大量解雇、これでモチベーションが落ちないはずがない。ただの解雇ではない理不尽な通告だったから。


それでも選手たちには苦言を呈したい。プロならば、最後までしっかりとプレーをしろと。
どんな理由があろうとも、試合を見に来てくれたファンに対して気の抜けた態度は失礼極まりない。
どんな理由があろうとも、フェアプレーでいかなければならない。相手に怒りをぶつけるなんてもってのほかだ。
後になってわかったことだが山形と宮崎は試合出場を拒否したという。気持ちは分かるがその行動はプロではない。
試合に出て結果を出し、他チームへ移籍するアピールにすることこそあの日一番の仕事だったはずだ。
……それでも徐々に試合は良くなっていった。人数が足りないとは思えないくらいの流れだった。
川島のゴールも、モチベーションは低くとも最後に残ったプロとしてのプライドが形になったのだと思う。


試合終了後の最終戦セレモニーでは都筑興社長とリトバルスキー監督へ大きなブーイングが飛んだ。
スタジアム全体から「責任と取れ」「辞めろ」などの叫び声、罵声、いやサポーターたちの悲鳴。
ゴール裏では監督や社長を批判する幕が多く掲げられていました。ホームA席*1には一つもありませんでしたが。
この時ホームスタンドで見ていた私は知らなかったのですが、一悶着あったそうで。
http://flyhoney.jugem.jp/?day=20071201
警備員やアビスパの社員が批判の幕を破壊したんですって。チームのこの対応にはゾクっとくるものがあります。
数試合前にあんな幕が出ていた時は何もしなかったのに。なんだろうこの末恐ろしさ。


一方選手たちには大きな拍手と歓声、労う声が飛び交いました。残る選手も出る選手も涙を浮かべていました。
解雇されたばかりの選手会長山形恭平選手は挨拶の際、サポーターの暖かい声に我慢できず、泣いた。
そして涙混じりにかすれた声でこう言った。。「これからもアビスパ福岡を応援してあげてください。」
辞めたくないよな。恭平にとっては地元のチーム、嫌いになりたくてもなれないよなぁ。だってそうだろ。
私もここで我慢ができなくなりスタジアムをあとにしました。選手たちの新天地が早く見つかることを祈って…。


帰宅してパソコンの前に座った時、悲しみや選手たちへの感謝の気持ちは、一瞬で憤怒に変わった。

リトバルスキー監督(福岡):
まず最初に前向きなところから話したいと思います。今日のピッチに立った選手のパフォーマンスには非常に満足しています。9人という状況もかかわらず、選手は本当に良く戦ってくれました。林、川島に対しては本当に敬意を表します。なぜかというと昨日、来年はアビスパにいないということを通告されたにもかかわらず、難しい状況だったにもかかわらず、本当に一生懸命やってくれました。本当に前向きな姿勢だったと思います。
ただ、今日は非常にまずい形で朝が始まりました。山形、宮崎が今日の試合でプレーできないと言ってきたからです。怪我をしているわけではなく、難しい感情を抱えてしまってプレーできないということでした。私にとっては理解できないことでした。ゲームに臨むにあたって変更を加えなければならなくなりましたが、それは2人が試合に出られないということだったからです。

http://www.jsgoal.jp/news/00057000/00057963.html

リトバルスキー監督は山形、宮崎を名指しで批判し、「より良いチームを作るための決断。選手は残したいが現実を見つめないといけない」と続けた。セレモニーで山形は「これからもアビスパを応援して下さい」と涙で話したのが、チーム内に流れていた不協和音を象徴していた。

http://www.sponichi.co.jp/seibu/news/2007/12/02/05.html

リトバルスキー監督は「泣いている暇はない。より良いチームをつくるため、現実的にならなければ」
と、非情な姿勢でJ1復帰への覚悟を示した。
(中略)
「サッカー選手として理解できない」と非難した

http://kyusyu.nikkansports.com/soccer/jleague/avispa/p-ka-tp0-20071202-290283.html

選手たちの言い分はこうだ。「監督が何を考えているのかわからない」とは山形恭。さらに、11月に小林チーム統括部長が解任されたとき、都筑社長が監督との確執を理由にしたことにも、選手らは不信感を募らせていた。交渉決裂で、リーグ得点2位のアレックスの退団も決まったというのに、社長は「強いチームに」と言うだけで、来期へ向けての具体的なプランは示さなかった。(朝日新聞

久藤「選手でやれることにも限界がある」
久永「やってきたことの積み重ねもなくなった」(TV番組にて)

晴れ、気温13,5度 - 自滅日記(ほとんどメモ状態)
この人は監督には向いていないと確信しました。
「名選手は名監督ならず」とはよく言いますが、ここまでそれを体現した監督はいないでしょう。
上でも書きましたが、選手は当然批判されて然るべき行動を取っています。責められても仕方がありません。
しかしこの監督の言動は、プロチームの監督としてどうなのか、指導者として適切なのかと問いたい。
監督の仕事はただ戦術を考えるだけではないでしょう、選手たちのモチベーションを喚起し、低下させずに
維持させるのも仕事のひとつです。人心掌握術と言いますか、上手く選手を「のせる」のが仕事でしょう。
社長はリトバルスキー監督のカリスマ性を買っているそうですが、選手に対しては皆無じゃないですか。
仮にそうやって選手が言ってきた場合、説得して試合に出場させるのが監督の使命であり能力でしょう。
「チームの方針でどうしても解雇しなければならなかったが、ここがスカウトに見てもらうチャンスじゃないか」
と、叱咤激励して試合に出すの努力をしなければならないのではないのですか?
選手との間に信頼関係を持つこともできず、人心掌握の能力も欠け、あげくのはてには記者会見の席でそれを
堂々と発表しますか。「自分は悪くない、試合に出たくないという選手がいたから負けた」ということですか。
百歩譲ってそうだとしても、これから解雇する選手がいなければチームが負ける、ということですよね?
裏で選手と監督とのぶつかり合いなんてのは日常茶飯事です。それああくまで「裏」での出来事であって、わざわざ
公式の場で発表するような馬鹿はいません。それは選手のプライドに対する監督としてのリスペクトでしょう。
それをまぁぬけぬけと記者会見で発表した挙句に「理解できない」と非難ですか。
自分が監督として無能ですよとひけらかしているだけでしょう。指導者として失格です。
何度も言いますが選手たちはプロ失格であったかもしれませんが、それ以前に一人の人間でもあるのですよ。
それすらも理解できない人には監督をして貰いたくない。相手の気持ちが分からない人は一般社会でも通用しない。
現役時代リトバルスキー選手は確かに天才でした。だからこそ凡人の気持ちなど理解できないのでしょうね。
こんなの、選手を叱ってるんじゃない。ただの悪口じゃないか……。
http://www.football-teishoku.jp/2007/12/post_156.html
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00057948.html
同じJリーグにはこんなにも立派な監督さんがいるというのに。
監督は選手を選り好みすうことはできるが、選手は監督を選ぶことは出来ない。


最後の試合翌日になって、来期入団する新卒選手が決まった。ユースから鈴木と大山が昇格する。

田部和良GM(46)は、この日「新卒選手は内部昇格の2人だけだろう。
残りは移籍で即戦力を獲得する」と話した。

http://kyusyu.nikkansports.com/soccer/jleague/avispa/p-ka-tp0-20071203-290650.html

結局今年もユースからだけしか新卒選手を獲得することはできなかったということだ。
アビスパ福岡が国見高校FW白谷建人選手を獲得に動く - 座布団が行司にクリーンヒット
国見のFW白谷選手はセレッソに行くのだろう。今の状況では彼は正しい判断をしたと言う外ない。
アビスパは高校・大学などから既に見限られているのだ。「あのチームに入団しても1年で切られるぞ」と。
批判・非難されているうちはまだ修正可能だと思われているからだが、呆れられてはお終いだ。
スポンサーの多くもこのチームに呆れて去っていった。サポーターからも呆れられてしまえば、終わりだ。
チームは過去の経験を反省しなければならない。反省だけなら猿でもできる、次に活かさなければならない。

就任2試合目の田部和良GM(46)は「やりたいサッカーとJ2を勝ち抜くサッカーが違うのは、監督も理解している。来年は現実的に修正していく」と話した。指揮官も「札幌、東京V、京都の良いところを吸収しなければ」と攻撃重視からの軌道修正を示唆した。第2クールから失速した反省を生かさなければ、戦力を大幅に入れ替えてもJ1復帰は望めない。監督自身の変化が、福岡再生のカギを握る。

http://www.avispa.co.jp/release/news/topic0712.html#tag2
やりたいサッカーと勝てるサッカーは違う、そんなのは当たり前じゃないか。気がつくのが遅すぎる。
1年間を棒に振った。その責任も取らずに強化部長と選手に押し付けて自分らはのうのうとしている。
こんなのがトップに立つ人間と言えるのだろうか。上で書いたニューウェーブ北九州与那城ジョージ監督のように
「責任はすべて俺が取るからお前らは出来る限りやってこい」というのが、トップに立つ人間の真の姿だろう。


試合後、考えてみた。今日は博多の森に来るべきだったのか、そうでなかったのか。……あえて言うとすれば
「来て良かった」と強がってみたい。人は悲しみが多いほど他人には優しくできる、とは武田鉄也氏の言葉だ。
どんなに悲しいことがあっても人間はそれを糧に強くなれる。そうだと信じたい。信じなければやっていけない。
サポーターたちもこの辛さをバネにして前に進まなければならない。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/MHz0129/20071203
2007-12-02
http://d.hatena.ne.jp/suzume3/20071130/p1
指導者と言霊 - 大池だより
J2第52節・サガン鳥栖戦など - The best is yet to be.

*1:某サポ集団の定位置