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岡山一成選手に謝りたい

http://www.reysol.co.jp/about/news/2008/newslog/080119_oka.html
このメッセージを見てハッと気づいたのは私以外にも大勢いるのではないだろうか。
岡山選手がサポーターへの熱き思いと同時に吐露した辛かった思い出。
その思いをさせてしまったのはアビスパ在籍時代の経験からだとメッセージは伝えている。
名指しでは書かれていないが描写からして間違いなくそうだ。「やはりそうだったか」とも思った。
フロンターレレイソルベガルタで多くのサポーターから愛され、移籍の時にはいつもファンが名残を惜しんだ。
そんな彼が唯一愛されず、サポーターを嫌いになるきっかけを作ってしまったチーム、それがアビスパなのだ。

柏レイソル、石崎監督就任。この報せを受けて、俺は動き出した。
もう一度石さんとJ1昇格争いが出来る。あの時叶わなかった想いを叶えよう。
その想いだけやった。

2005年に川崎フロンターレからアビスパ福岡にレンタル移籍、その年アビスパはJ1に昇格した。
翌年彼が居たのはJ1に昇格したアビスパではなく、J2降格が決まった柏レイソルだった。
その時既に「J1昇格請負人」と呼ばれていた彼が請われて移籍したのならば仕方ない、当時はそんな思いだった。
実際は(今でも本当のことは分からないが)アビスパが嫌で出て行ったのかもしれない。

ただ一つ懸念があった。
それがあなた達、柏レイソルのサポーターに対して。
サポーターの存在自体、嫌いになっていたかもしれない。
応援をするというなら何をしてもいいとおもってるんじゃないか。日頃のストレスを発散しているだけなんじゃないか。昇格を決めて喜びサポーターの前に行ったときに、大勢の人達に背中を向けられ、「こんな昇格はいらない」監督、選手の個人名で辞めろとコールをされたことがあったから。ロッカールームでの脱力感。俺達もプロであるまえに、人間やから傷つくねん。そんな想いを抱いていた。
柏レイソルのサポーターのイメージも俺は良くなかった。
弾幕のメッセージに書かれてる辛辣な文字を相手チームでアップしながら見ていたし、試合後のブーイングや怒号を聞いたこともある。お金を払ってる人はお金を受け取っている人達に何をしてもいいのか。プロとして契約した限り、全部を受け入れないといけないのか。俺達もプロであるまえに、人間やから傷つくねん。声を出して言いたかった。そんな想いを抱えていた。

前半部分だけでなく、レイソルサポに対して書かれているはずの後半もアビスパのあのサポーター集団に
向けられている言葉のような気がします。このサポーターに対する不信感は私も同じ気持ちを抱いていますから。


2005年博多の森ホーム最終戦。既にJ1昇格を決めていたチームはサポーターから歓喜の声で迎えられるはずだった。
試合終了後のセレモニーの後ピッチを一周する選手・監督・関係者たち。拍手や歓声が沸き起こる場内。
しかしある一角だけは様子が違った。そう、あの某サポーター集団たちが陣取るいつもの場所だ。
選手たちが全員で挨拶をする際に、彼らはあろうことか岡山選手や松田浩監督に対し「辞めろ」コールをした。
J1昇格を決めたのに、だ。さらに彼らは挨拶に対し背中を向けるという行動を取ったのだった。


2005年シーズン、私の目から見ても岡山選手はベストパフォーマンスだったかといえば、そうではなかった。
元々FWだったのをDFにコンバートされ、レンタル先のアビスパではまたFWで起用されることになった。
当時アビスパは(今も変わらず恒久的な課題ではあるが)深刻な得点力不足に悩まされていた。
それをなんとか松田監督の指示する組織的な守備により失点を少なくすることでJ1昇格することができた。
そんな状況でのFW起用だったが、期待されるほどの結果を残せたとは言えなかった。
それは他のFWや攻撃陣に対しても同じことが言えるわけで、岡山選手だけが批判される必要は無い。
ましてやJ1昇格を果たした監督に対してする言動だろうか。まさに前代未聞の出来事だった。
シーズン中から傾向はあった。他の出場選手にはコールをするのに、岡山選手だけにはコールをしない。
あるアウェー戦では空き缶が投げ込まれ、怒った岡山選手がサポーター席に詰め寄る場面もあったという。
(これが岡山選手に対して投げられたのか、誰が投げたのかも定かではないが)
松田監督に対しては2006年になってからも批判は続き、結局シーズン途中解任されるまで続けられた。
http://www.sponichi.co.jp/seibu/news/2006/05/22/KFullNormal20060522101_p.html
アビスパ福岡2−1ザスパ草津 - 座布団が行司にクリーンヒット


選手や監督のタイプで好き嫌いは誰しもあると思う。
私も先日「中払選手のプレースタイルはあまり好きじゃない」と書いたばかりだ。
しかしチームが勝つか負けるかとなれば話は別。シーズンが始まれば選手全員平等に応援はする。
活躍すれば賞賛しダメなら文句を垂れる、それは好きな選手でも嫌いな選手でも同じこと。
そんな当たり前のことすらできない人たちがいる。
チームの勝ち負けはどうでもよく、自分たちの好き嫌いだけで応援したりしなかったりするサポーター集団。
同じチームを応援する身として、とても恥ずかしく思います。なんと情けないことか。
サポーターを代表してと言うのは傲慢かもしれないけれど、岡山選手に謝りたい。本当に申し訳なかった。
私は当時から他は関係ないという思いで岡山選手に声援を送っていたが、「アビスパのサポーター」といえば
どうしても彼らだけがクローズアップされる。しかし他のサポーターの多くが岡山選手を嫌ってなどいなかった。
むしろアイツらと同じだとは思って欲しくない。普通に応援していた人だって大勢いたのだから。
それだけは知っておいてもらいたいと思う。もう、こんなことを言っても遅いのかもしれないが……。


http://hochi.yomiuri.co.jp/tohoku/soccer/news/20071212-OHT1T00108.htm
去年、シーズン終了後チームが選手の大量解雇を伝え批判が集まっていた頃、
岡山選手がアビスパに戻ってくるかもしれないというニュースの見出しに目が留まった。
この時私は「まさか」と思った。こんな嫌な思い出しかないチームに帰って来ることがあるのだろうかと。
しかし彼ならば有り得るとも思った。他チームでは成功しても福岡では成し得なかったサポーターとの繋がり。
それを実現させる為に彼は決断したんじゃないかと、もしそうならば今度こそは一生懸命応援しようと。
そしていつか、あの時背を向けたサポーター集団も過去を反省する、そのきっかけにならないか…。
しかし結局この話は流れたようで、この1週間後にベガルタ仙台への完全移籍が発表された。


レイソルのサポーターも、一時期は選手やフロントとの不和で大きく揺れ動いた時期があったそうで。
そんなサポーターとのギクシャクした関係を振り払うきっかけになったのも岡山選手だったと聞きました。
アビスパもいつかサポーター、選手、フロントがそれぞれ信頼関係で繋がり、
J1で長くやっていけるようなチームになることはできるのだろうか…。まずはあの集団が率先して
変わっていかなければならないのだけれど…今の所その様子は無い。先の見えない不安が立ち塞がっています。


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