座布団が行司にクリーンヒット

九州産馬、佐賀競馬、地方競馬、アビスパ福岡を応援しています

美浦トレーニングセンターでかつて競馬開催を行う可能性があったらしい

先週号の『週刊Gallop』に美浦トレーニングセンターの話が載っていました。初めて知ったことも多く面白かった。
美浦は北エリアと南エリアに分かれている。厩舎団地も南北に分かれているし、北コースと南コースが存在する。
現在でも一部の競馬新聞には調教師欄に美浦北・美浦南と書かれている新聞がある。かつては北と南に分けることで
競争意識を高める意味があったらしい。実際調教も北の厩舎は北コースで、南の厩舎は南コースで行っていたそうだ。
しかし近年はその区切りがほとんど無くなっている。外周が北よりも広く、スペースに余裕のある南コースに坂路や
ウッドチップコース、最近ではニューポリトラックコースなどが次々と導入され、美浦のほとんどの厩舎が
南コースで調教し、馬の少ない北コースでクールダウンを行うという使い分けをするようになったそうだ。
しかしただ南北で切磋琢磨させることだけが目的で美浦に2コースも造ったわけではないらしい。それはなんと
緊急時には美浦で競馬を行えるようにしていたというのだ。その「緊急時」というのは中山競馬場で競馬を開催
できなくなった場合を想定したものだったとか。中山競馬場はその土地の多くが賃借契約を行っている借地である。
現在も30年周期くらいでその都度、賃貸契約更新を行っている。当時は成田空港で土地の租借問題、訴訟などが最も
激化していた時期で、土地に絡んでの売買、賠償金、賃貸料の値上げなどでかなり莫大なお金が行き来していた。
中山競馬場の地主もその影響を受けて契約更新しない可能性があった。現在笠松競馬場で問題になっているような
土地の問題が当時の中山でも水面下では起きていたという。そこで「美浦でも競馬はできるんだぞ」と地主側に
アピールする意味でも美浦に2コース造って、緊急時には北で競馬を開催し、南で調教を行う計画があったという。
結局その後無事に契約更新は成り現在でも続いている。美浦競馬開催計画は発動されずに済んだというわけだ。
Gallopでは何週か連載で美浦トレーニングセンターの話を載せている。今後も楽しみにしておきたい。