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2011年度からJRAでもムチの使用制限?

東京スポーツ系列紙に記事がありました。こちらの地域の「九州スポーツ」では9月3日発売分です。

JRAが来年(2011年)からムチの使用に制限を設ける方針でいることが本紙の取材で明らかになった。07年から16番目のパート?国に昇格したことに伴い、他のパート?国と歩調を合わせる形だ。禁止されるムチの使用方法は
1.馬がケガするほど過度に強い使用
2.肩より上方に腕を上げて振り下ろす
3.反応(脚勢)のない馬に対する必要以上の使用
4.着順の大勢が決した後の必要以上の使用
5.入線後の使用
6.脇腹への使用
7.継続的な連打
8.頭部、その付近への使用
9.鞍より前方の逆ムチでの使用
の9点。JRAは調教師会や騎手会、馬主ら関係者にこの説明を行って実施に向けて理解を求めているが、両者の“温度差”は大きい。これまではムチの使用には何の制限も設けられず、日本のジョッキーが海外でムチの不正使用に引っ掛かり騎乗停止を受けるアクシデントも過去に起きた。降着や騎乗停止、そのガイドラインなども含め日本の競馬に与える影響はどれほどか、実際想像がつかない。日本中央競馬会施行規程第111条「騎手は競走において馬の全能力を発揮させなくてはいけない」には接触しないのか、などの意見もある。動物愛護の観点からムチの使用制限は仕方ないことだが、今後簡単には解決しそうもない難問となりそうだ。

この記事がもし本当なら、JRAは本当にバカじゃないか?としか言いようがないのですが…。
現在ムチ使用制限のある国はメジャーなところでは動物愛護団体の圧力が強い英国や豪州くらいなもので、
米国や愛蘭など他国は日本同様そこまで制限はありません。それを「他パート1国と歩調を合わせる」とは?
確かに英国などに遠征した日本人騎手がかの国でムチ使用制限に違反し騎乗停止になったことは数多くありますが
各自色々な方法で騎乗停止日数を消化して日本の競馬に復帰しています。それでいいじゃないですか。


来年からJRAで拍車の使用が原則禁止に - 座布団が行司にクリーンヒット
今年から「パート1国になったから」という同様の理由で拍車の使用制限も行われていますが、
この時にも書いたように、いくら「パート1国になったから」と言ってすべて同じにする必要はないでしょう。
各国で競馬場のルールに些少の差はあります。他のパート1国でもここまで馬鹿正直に全てのルールを
同じにしようとする国もないのではないでしょうか。独自のルールが認められるて何がいけないのでしょうか。
日本には強大な動物愛護団体も無いわけですし、他国から見ても不思議がられることでしょう。


オーストラリア・ヴィクトリア州で障害競走が廃止に - 座布団が行司にクリーンヒット
豪州のムチ使用回数制限 - 座布団が行司にクリーンヒット
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090911/asi0909111101004-n1.htm
豪州では障害競走の減少・廃止、そして過度のムチ使用制限に対し騎手のストライキまで起きています。
もしこれをJRAがゴリ押ししようとすれば日本でも当然反発はあるでしょう。というか、反発しないとダメです。
調騎会も馬主も、マスコミも一体となって反対運動するべきです。こんなルール下で行われる競馬が
魅力のある面白い競馬と言えるのでしょうか。何でも規制すればいいというものではないでしょう。
オーストラリアと同様にイギリスでも騎手の間からは強い反発が起きています。
http://www.jair.jrao.ne.jp/japan/newsprot/2010/20/02.html

ジミー・フォーチュン(Jimmy Fortune)騎手は、フランスギャロ(France Galop)の元事務総長であるルイ・ロマネ(Louis Romanet)氏が述べた方向修正目的以外での鞭使用の世界的禁止が5年以内に採用されるという予測が正しいとされれば、英国競馬のレベルは低下するだろうと予測している。
(中略)
「鞭使用が禁止になることになれば、英国競馬のレベルは明らかに低下するでしょう。そして私はアメリカやアイルランドで鞭使用が禁止になるとは思いません」。
リチャード・ヒューズ(Richard Hughes)騎手もまた、鞭使用を違法とするいかなる取り組みに対しても反対しており、次のように述べた。「どうして彼らが干渉しなければならないのか分かりません。私たちが使用している鞭は馬を傷つけず、音が鳴るだけです。従って馬の福祉の点で問題は生じないと考えています」。


馬の皮膚は非常に厚くて叩かれても痛みは感じず(叩く時は特に痛くない部位を叩く)、鞭で強く叩かれて生じた
音に反応して馬は速く走ろうとするのだそうです。あくまで馬と人間のコミュニケーションの一部です。
もちろん叩き過ぎるのはいけません。中には下手な騎手が下手なムチの使い方をする例もあります。
それによってどう評価されるかは騎手自身の問題です。もう乗せたくないと思われれば騎乗機会が減るだけ。
あとJRAはムチの使用についてどこまで判断できるのでしょうか。基準はどこに置くのかという問題も出てきます。


そして記事にもあるように気にかかるのは「日本中央競馬会施行規程第111条」に抵触しないのかという点。
つまり八百長にならないのかということ。この部分は非常にデリケートです。JRA暴力団関係にはかなり神経質で、
馬主登録取り消し訴訟 二審目もJRAが敗訴 - 座布団が行司にクリーンヒット
訴訟に発展するほどに暴力団排除に力を入れていることが伺えます。それはやはり八百長に関することは
できるだけ排除したいという気持ちの表れでしょう。かつての山岡事件や藤本事件などが起きて以降、
山岡事件 - Wikipedia
「公正競馬」はJRAが掲げる大看板となっていますからね。八百長問題を取り沙汰されるのはJRAにとっても
あまり好ましくないことではないかと思うのですが、果たしてどこまで本気なのでしょうか。
できれば東京スポーツの飛ばしであってほしいですね。
(追記)
来年からムチ使用制限 国際基準に変更 - 競馬ニュース : nikkansports.com
日刊も出してきたので本当っぽいですねえ。岩田騎手などはモロに該当するわけですが・・・。