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内田利雄騎手がコリアンダービーで騎乗できた理由

内田利雄騎手 メイセイオペラ産駒とともに韓国版皐月賞を制す - 座布団が行司にクリーンヒット
今年4月に韓国・釜山競馬場で行われたKRAカップマイルでメイセイオペラ産駒SOSEULDAEMUNに騎乗し勝利し、
自身韓国で初の重賞制覇となった内田利雄騎手。釜山での騎乗は8月いっぱいで終了し現在は岩手で騎乗中です。


韓国版皐月賞を制した西村栄喜騎手 韓国競馬関係者による圧力でダービー騎乗不可に - 座布団が行司にクリーンヒット
KRAカップマイルで勝ちはしましたが、不安だったのは内田騎手がコリアンダービーで引き続き騎乗できるかという点。
2009年に短期免許を取得して釜山に遠征していた荒尾競馬所属の西村栄喜騎手が内田騎手に先んじて
KRAカップマイルでSANGSEUNG ILRO号に騎乗し勝利。しかし次のコリアンダービーでは関係者から圧力がかかり
騎乗することができませんでした。内田騎手はどうなることかと不安でしたが、5月15日ソウル競馬場で行われた
ダービーでは無事に騎乗を果たしました。7着に敗れはしましたが、過去に起きた圧力のことを考えると
日本人騎手がコリアンダービーに騎乗できたことは、着順以上に重要なことだったと思います。


当時私は圧力のことを知ってかなり腹が立ちましたが、後からよく考えてみると、地元の騎手を優先し、
守ろうとする姿勢は大事なことではあります。西村騎手も内田騎手も「仕方の無いこと」と語っています。
またお二人ともそういう圧力を気にもせず、内田騎手は請われれば積極的にテクニックを教えてあげるなどして
韓国の若手騎手たちに慕われています。西村騎手も例の件以降も騎乗を続け、そこで知り合った釜山競馬所属の
朴在鎬(パク=ゼホ)騎手は西村騎手との交流がきっかけで荒尾競馬での短期免許を取得し、3ヶ月間滞在しました。
賞金面で劣る荒尾にあえて武者修行に乗り込んだ向上心と、騎手同士の仲間意識は日本も韓国も同じです。
現在も朴騎手との交流は続いており、その後もお互いの国へ遊びに行ったり来たりしているようです。
西村騎手はまだ韓国で騎乗し始めてすぐのことでしたが、内田騎手は既に釜山リーディングになるなど実績十分。
さらに、明るく人当たりの良い性格に加え「郷に入れば郷に従え」の精神で臨んで来たからこそ、今回のダービーでの
騎乗に繋がったのでしょう。海外のみならず日本の様々な競馬場で依頼が来るのはそのためでしょうね。


サラブレ』の内田騎手のコラムによると実は、今年のKRAカップマイルを勝った直後、内田騎手は管理調教師に
「ダービーは自分ではなく韓国人騎手で」と自ら進言したのだそうです。少なからず圧力もあったようですが、
結果的には日本人初のコリアンダービー騎乗を果たしました。この辺りはさすがMr.PINKだからこその気遣いというか、
本当にミスターピンクならではの話だなぁと思います。海外で成功しようとする日本人は騎手に限らず、
その国での人の「和」を大切にし、その国に馴染み、好きになることが成功への近道なのかもしれませんね。
ぺリエなんか見てても分かりますよね。あの人、顔つきこそガイジンですけど絶対日本人だろって思いますもん(笑)。