「世界に広がるサンデーサイレンスの血脈」(『サラブレ』7月号より) - 座布団が行司にクリーンヒット
先月号になりますが特集をしていました。4年前にも同様の特集がありましたが、今回は現在の状況ですね。
ディヴァインライト産駒の活躍以降、欧州を中心にかなりの数のサンデー系が海外に向けて輸出されました。
それら種牡馬の外国での状況などとても面白い特集でした。以下は繋養国別のサンデー系種牡馬一覧です。
(2012年9月現在)
供用国 | 馬名 | 種付け料 | 備考 |
---|---|---|---|
フランス | ローゼンカバリー | (死亡) | 2010年事故で安楽死、最終世代は2010年産4頭 |
フランス | アグネスカミカゼ | 1200ユーロ | |
フランス | グレイトジャーニー | 4000ユーロ | 年間100頭超に種付け |
フランス | レゴラス | 2000ユーロ | |
フランス | ペールギュント | 2000ユーロ | |
フランス | ファイングレイン | 1500ユーロ | フジキセキ産駒でサンデーの孫世代 |
イタリア | ヴィータローザ | 3500ユーロ | 2009年当初はイギリスで種付け開始 |
アイルランド | シックスセンス | (死亡) | 2010年ブリッジハウススタッドにて骨折、安楽死 |
ベルギー | ボーンキング | 1500ユーロ | |
スウェーデン | Layman | 4000ユーロ | フランスから移動、米国産馬で現役時代は欧州を中心に活躍 |
チェコ | タイガーカフェ | 不明 | |
トルコ | ディヴァインライト | 6000リラ | フランスから移動、現地でローカル重賞勝ち馬を輩出中 |
チュニジア | サムソンハッピー | 2000ユーロ | 元フランス領でフランスから移動 |
モロッコ | ミレニアムバイオ | 1500ユーロ | 同上 |
南アフリカ | アドマイヤメイン | 15000ランド | 初年度で最多レベルの60頭に種付け |
アメリカ | Eishin Masamune | (死亡) | 2008年に死亡 |
アメリカ | フサイチゼノン | 1000ドル | ステークス勝ち馬を輩出 |
アメリカ | ハットトリック | 15000ドル | 豪州・アルゼンチンにもシャトル、産駒にメキシコやロシアでG1勝ち馬も |
アメリカ | Silent Name | 5000ドル | |
プエルトリコ | Austinpower | 2500ドル | アメリカから移動 |
ブラジル | アグネスゴールド | 不明 | アメリカから移動、フサイチゼノンの全弟、初年度産駒が重賞勝ち |
オーストラリア | Any Given Sunday | (死亡) | 豪州産、2004年に死亡 |
オーストラリア | Sunday Knight | 3000豪ドル | 豪州産 |
オーストラリア | キングオブサンデー | (引退) | |
オーストラリア | Keep The Faith | 4400豪ドル | 豪州産 |
オーストラリア | フサイチオーレ | 3300豪ドル | |
オーストラリア | Silent Action | 2200豪ドル | 豪州産 |
ニュージーランド | サマーサスピション | 4000新ドル | |
ニュージーランド | ペインテドブラック | 2000新ドル | |
韓国 | サンデーウェル | 不明 | |
韓国 | シンコウシングラー | (死亡) | 2008年に死亡 |
韓国 | ボレロ | (引退) | |
韓国 | タヤスメドウ | (死亡) | 2011年に死亡 |
韓国 | ジュビレーション | (死亡) | 2007年に死亡 |
韓国 | ニホンピロニール | 不明 | |
韓国 | Mucheoksan | (引退) | 豪州産フジキセキ産駒でサンデーの孫世代、現役時代は韓国で走った |
韓国 | リミットレスビッド | 不明 | |
韓国 | エアシェイディ | 不明 | |
中国 | Yasey | 不明 | フジキセキ全弟、現役時代は英国で走り豪州で種牡馬入り、09年移動 |
インド | Sunday Doubt | (死亡) | 米国産、2007年死亡 |
インド | ウインレジェンド | 不明 | ダーシュメシュファームで供用中 |
フィリピン | ジンガロ | Private | タヤスツヨシの全弟、2012年産は12頭 |
表を見ても、思いのほか世界各国に散らばっているのが分かりますね。欧州ではまずはフランス、
あるいはイギリスに輸出されると報じられてますが、それから各国に移動することになるようです。
欧州だけでなく北アフリカにも移動していますからね。あの辺の国でもサラブレッドの生産やってるんだな…。
フランス人エージェント・パトリック=バーブ氏(ヘクタープロテクター、エリシオ、グルームダンサーなどを
日本に仲介した人物)がサンデーサイレンス系に目をつけ、社台グループ等から輸入を仲介しているのだそうだ。
吉田善哉氏の頃から社台と関わりがあり、現在は小林智調教師などのサポートもしているとか。
本当はゼンノロブロイ、スペシャルウィーク級のサンデー種牡馬が欲しいが出してくれないらしい(笑)。
若い頃には障害騎手として活躍、自身も生産をされており、夢は障害用の種牡馬として繋養されている
レゴラス(母カーリングも購入して仲介している)の仔で中山グランドジャンプに遠征したいと語る。
ローゼンカバリー、シックスセンスの死は残念ですが、各国の種牡馬が代わりに頑張ってほしいものだ。
南アフリカのアドマイヤメインは、当地トップブリーダーであるサマーヒルスタッドに吉田俊介氏
(現サンデーレーシング代表)が来場し、CEOのミック=ゴス氏と酒を飲み交わした時に、
サンデー系を導入したいと打診があり、ちょうど2009年に引退していたアドマイヤメインに白羽の矢が立ったと。
南アフリカではスシサン、サンクラシークなどのフジキセキ産駒が走っており、また同時期にハーツクライ、
デルタブルース、ハットトリックなどが海外の国際G1で活躍したことでサンデー系への関心が高まったそうだ。
年間の生産頭数は3000頭弱しかない南アフリカで60頭の種付けはトップクラスらしく、かなり期待されている。
http://www.nca.or.jp/shinbun/about.php?aid=4209
海外の大レースでの日本馬の活躍は以外にも各国の競馬ニュースとして取り上げられており、
サンデーサイレンス系への興味を高まらせているようだ。凱旋門賞でオルフェーブルの活躍如何では
さらに海外への種牡馬輸出が増えるかもしれない。『サラブレ』ではサンデー系種牡馬を特集しているが、
それ以外の血統の日本出身馬がどれくらい海外に輸出されているのかも気になるところだ。
ポップロックはチェコで種牡馬入り後どんな調子だろうか。コスモバルクもオファーがあればなぁ…。
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