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『JRA補完計画』に見る、最近のJRA広告戦略について

先日、我が家のトイレットペーパーが残り1ロールとなってしまったため近所のドラッグストアに買いに行った時。
店内から、どこかで聞いたことのある音楽が流れてきて思わず立ち止まりました。大きな薬局によくある
CM垂れ流しの小型テレビに流れていたのは目薬『サンテFX』とヱヴァンゲリヲンのコラボ企画でした。
そのすぐ隣にはなぜか目薬とは無関係のはずの『Schick』髭剃りとシェービング剤が置かれていました。
そういえばこれもエヴァとタイアップしてたっけ…。ドラッグストアなのに『ヱヴァンゲリヲン』の新劇場版を
堂々と広告しているような状態になっていて、「うまいことやってんなー」と感心してしまいました。
【魚拓】【たけくまメモ 出張版】「ヱヴァンゲリヲン」新作の成功(産経新聞) - Yahoo!ニュース
11月17日から公開となった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』。断言してしまうと私は『エヴァ』を見たことはありません。
以前やった『スパロボ』で使ったことあるわー程度のもので、原作ファンからすると怒られてしまいそうな程度の知識。
しかしそれでもどんなキャラがいるか、音楽なども聞けばすぐ分かります。原作だけでなく色々な場所で
流されているからなんでしょうね。コラボ企画、タイアップ企画を通して宣伝するのがここのやり方なんでしょう。
ネット界隈では「電通と利益配分で破談したから、自分の会社で全部やるしかなくなった」なんていう噂があります。
噂ですので話半分ですが、『ヱヴァンゲリヲン庵野秀明監督が社長を務める株式会社カラーが映画の
企画・製作・監督・脚本・原画・宣伝・配給まですべて独自に手がけているというのは事実のようで、
だから無理難題のようなコラボ企画でも柔軟に対応が可能で、むしろ積極的に推し進めている感じがします。
https://smartjra.jp/special02/
YouTube
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で、そのエヴァが次にコラボしてしまったのがJRA。CMで流れたのを初めて見た時飲んでいたコーヒーを噴出しました。
エヴァ初号機とシンクロできない武豊」が、次回ではエヴァインパクトで出撃しちゃってるじゃねーか!と
ツッコんだりしてました。まぁ後で別の機体だからいいのか…と一人で納得したり。
こういうバカを公式がやっちゃうのは嫌いではないのです。武豊騎手もゴーサイン出しているのだろうし、
競馬ファンからもエヴァファンからも割と好意的に見られているんじゃないでしょうかね。


競馬未経験者が競馬を始める「きっかけ」づくりの提案-「JRA補完計画」の企画書大公開! #販促会議 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
『月刊販促会議』のこちらを見るに、JRAの意図は伝わってきます。博報堂の担当者が提案したのが、
「競馬未経験者が競馬を始めるきっかけとなるようなキャンペーン」というもの。JRAはここのところ、
新規ファンの開拓に熱心に取り組んでいるように思います。その一環として20代〜30代に支持されている
エヴァ』をコンテンツとして使うというのは理解できますからね。JRAAKB48とタイアップするのも、
この世代への影響力を考えてのものだろうし、どちらも若い世代にとっては魅力的なコンテンツでしょう。
https://smartjra.jp/special/pc/
エヴァ』はパチンコ業界ともタイアップしてある程度の成功を収めていますし(アニメとパチンコの
親和性を考えると当然ではあるが)、『エヴァ』側としては同時に映画の宣伝をJRAのテレビCMと合わせて
やりたい考えがあり、コンテンツを利用したいJRAと合致する部分も大きかったのではないだろうか。
http://www.jra-jwc.jp/
競馬はオッズの高いブックメーカーで勝負
http://jragc.jp/
https://smartjra.jp/special03/pc/
https://smartjra.jp/special/pc/
上でも書いたように、こういったJRAの企画は個人的には嫌いではありません。効果もあると思っています。
ネットで話題になり評価を得るということは、競馬のイメージアップにも少なからず影響するからです。
個人協賛競走 - Wikipedia
【ばんえいアイドルマスター記念】-ばんえい十勝オフィシャルサイト
例えば地方競馬では、アニメやゲームの名前をつけたファンの冠協賛レースがきっかけで、
後に公式にイベントが行われるに至った例もありました。「地方競馬」のイメージを大きく変えた例でした。


しかし、このような広告戦略は効果が出たのかどうか、すぐには分からないので評価が難しい所です。
また対費用効果に合っているかどうかという点も重要です。一体どれくらいの金額が使われているのか不明ですが、
「そんなことにお金を使うようなら、もっと違う所に」という批判はどうしても出て来るでしょう。
JRAの『グラマラスカップ』に吉田直哉氏ブチ切れ - 座布団が行司にクリーンヒット
あるいは「低俗だ」ということで一蹴する人もいます。JRAは以前から競馬のイメージアップに腐心してきました。
ギャンブルとしての競馬を出来るだけ隠し、文化的な面を強調し、マスコミや評論家の力も借りて進めてきました。
私も「競馬はロマンだ」と言って憚らない方ではありますが、同時にギャンブル的な要素としての競馬にも
魅力を感じていますし、馬券の売上げがなければ競馬業界が成り立たないのも分かっているつもりです。
競馬の文化・ロマンとしての魅力を、いかに馬券の売上げに繋げることが出来るかということでしょう。
ですが、その楽しみを分かるまでにはまず競馬を知ってファンになることから始めなければなりません。
その「きっかけ」が『エヴァ』や『AKB』や『グラマラスカップ』だったのかどうかは時間が経過してみなければ
分かりませんからねぇ。こればかりは既存の競馬ファンの感覚では判断できないところがあります。
(追記)
『ウマドンナ2』やっちゃうそうで。もういっそこっち方面に突っ走ってみるのもいいか(笑)。
JRA“競馬のギャルゲー”に続編、「ウマドンナ2 ウマすぐ Kiss Me」。 | Narinari.com