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安藤勝己騎手が引退 地方と中央の壁を突き破った偉大なジョッキー

http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201302010095.html
“馬を変える”偉大なジョッキー
アンカツ」もついに引退です。年齢的に大ベテランの域、体の衰えには逆らえませんでしたか。
安藤騎手の功績はその騎手としての成績もさることながら、地方と中央との間に大きな風穴を開けたことでしょう。


かつての地方競馬は競馬場ごとに個性的な競走馬・騎手が誕生し、中央にも劣らない盛り上がりを見せていました。
しかし時代が下るにつれて売り上げ・賞金の格差は大きくなり、能力のある若駒は真っ先にJRAに登録され
地方競馬から名馬が誕生する素地は段々と失われていきました。しかし、地方競馬が今でも胸を張れるのは騎手たち。
名手と呼ばれる騎手が生まれるにはまず騎乗回数を積み重ねることによる経験に他ならないと思いますが、
それが若い騎手たちにも一定量確保できる地方競馬だからこそ、今も昔も名手が生まれているのだと思います。


実績を積み地位を得たアスリートが目指すのは当然「上」の段階です。それはどの世界でも同じことでしょう。
地方競馬騎手には数年前までその機会すら与えられていませんでした。それを安藤勝己騎手が抉じ開けたのです。
JRAにいわゆる「アンカツルール」を認めさせ、小牧太騎手、岩田康誠騎手、内田博幸騎手の4人が続きました。
その後このルールを使わずに赤木高太郎騎手、柴山雄一騎手、安藤光彰騎手、鷹野宏史騎手が合格しましたが、
これもやはり安藤騎手らのJRA騎手免許取得の成功による影響に他なりません。現在「アンカツルール」は
無くなってしまいましたが、今後もNARからJRAに移籍しようとする騎手が後を絶たないでしょう。
できるだけ上のカテゴリーを目指そうと思い立つのは、ジョッキーとしての性でしょうから。


そして何より忘れてはいけないのが、そうした名手を生み出してきた地方競馬の存在です。
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かつて「アンカツより上手い」と評された天才騎手たちが地方競馬には存在していました。
また現在でもそんな存在になれそうなダイヤの原石たちが地方競馬にはゴロゴロと転がっています。
しかし多くがJRAの騎手たちと比較できないような給料で頑張っており、夢を諦めざるを得ないことも。
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中には生活の為に泣く泣く引退せざるを得なかった人もいます。こうした地方騎手を目の当たりにしていると、
JRA騎手は恵まれているなぁ…と思ってしまいます。騎手間格差、中堅騎手の引退ラッシュなどが続き、
地方騎手や外国人騎手の参戦についても快く思っていない騎手が多いようですが、
これらを排除するのではなく逆に発奮する材料としてほしいところですね。
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