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全地方競馬場持ち回りを実現すべきだと感じた2013年度JBC@金沢競馬場

【JBC競争】金沢の売り上げレコード/競馬・レース/デイリースポーツ online
北國新聞社 | ふるさと不足に読んで効く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131105-00000506-sanspo-horse
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20131105/CK2013110502000039.html
11月4日に金沢競馬場で行われた「JBCクラシック」「JBCスプリント」「JBCレディスクラシック」の3競走。
レディスクラシックが今年からJpn1に格上げされ「日本競馬史上初の1日G1三連戦」と銘打って行われたこの日、
売上24億9749万6300円は金沢の1日あたりのレコード(従来は8億6365万4400円)を記録。
入場者数も14年ぶりに1万人超えの1万2569人で、この数字は普段の3倍ほどだという。
2012年度の金沢競馬における1年間の売り上げが約79億円という規模からすれば大変な数字だ。


まさに大成功と言える金沢のJBC開催。これほどの記録になった要因はいくつか考えられると思う。
一つは開催競馬場があまり被らなかったこと。この日は月曜祝日ではあったが、普段は祝日開催を行う
佐賀や高知などが自重してくれたのか非開催で、ナイターの帯広と大井を除けば昼間開催は他に盛岡だけだった。
またJRAも開催せず、即PAT、A-PAT会員が日曜日に続いて3連休最終日に金沢へ雪崩れ込むことになった。
ここでJpn1が3レース開催されるというのはやはり大きかった。JRAの強いメンバーが数多く出走してくるレースは
JRAのファンにとっても買いやすい。今年は競馬場移転40周年記念ということで早くから
準備を進めてきた金沢競馬。好状況が揃えばJBCが非常に強いコンテンツだということを証明したと思う。


この記念すべきJBCを目に焼き付けようと思い、当日は金沢競馬場で観戦してきました。
金沢参戦は個人的にこれが2回目。以前の様子を知っているだけにこの日の人の多さには本当に驚かされました。

(1枚目:午前中から既に多くの人が来場)
(2枚目:地元物産展や名物品などの屋台が連なる)
(3枚目:午前中のパドックからこの人だかり)
(4枚目:普段の表彰台の隣に特設ステージを作っている)
(5枚目:前半のレースから発売所は締切で買えないお客が続出していた)
(6枚目:レディスクラシック勝ち馬メーデイアの口取り、社台RHの馬だから一口の人たちかな?)
(7枚目:地方競馬場では意外と少ない無料Wi-fiは他も見習ってほしい)
一日中かなり楽しませてもらいました。屋台の料理は美味しかったですし、馬券もそれなりに当たりましたからね。
何より場内には人の多さとともに「お祭り」の雰囲気が感じられて、私のテンションも自然と上がります。

この画像はJBCクラシック時のスタンド前の様子ですが、見てくださいこの人だかり!
普段の金沢の様子を知っている人ほど驚くのではないでしょうか。この光景を見るとJBCはやはり、
地方競馬場での持ち回りこそが理想の形態であると心の底から感じます。弱小競馬組合こそ開催してほしい、と。
今回金沢で開催が敢行できたというのは、競馬場としては同規模である佐賀や高知にも希望を与えたと思います。


過去にJBCが開催された競馬組合は岩手(盛岡)、大井、船橋、川崎、愛知(名古屋)、兵庫(園田)、そして金沢。
未開催の競馬組合はホッカイドウ(門別)、浦和、笠松、高知、佐賀。JBC当初の開催理念としては、
全国の地方競馬場を毎年持ち回り開催することが理想とされていたが、最初から開催できる競馬場は限られ、
第1回目のJBCから福山と荒尾が廃止となってしまっている。実際には持ち回りではなく立候補制なのだという。
立候補がなかった年度は常に手を挙げている状態の大井競馬場での開催になるとのことだ。
ではなぜ未開催の競馬場は手を挙げないのだろうか? それはJBCには開催における内規があるからだと言われる。
具体的には窓口数、観客席数、交通手段など。要するに客を捌き切れるキャパシティがあるかどうかという点が
開催前に問われるのだ。JBCという大レースを開催するにあたっては当然と言えば当然の「審査」なのだが、
キャパシティを満たしている競馬場が意外と少ないらしい。これら条件を満たそうとJBCの為だけに施設を
改築・改造したくとも先立つものがなくて不可能であり、結局は開催を見送る競馬場が多いのだとか。
今回の金沢競馬場だが、スタンドは一棟だけだが実は3階建てで各階に窓口や客席が備えてあるため、
数字上では基準を満たしていたのだろう。しかし、実際には現場で問題も起きていた。
JBC終了後、配当が比較的硬い決着であったこともありレース終了後に払い戻し窓口にお客が殺到したのだ。
金沢の払戻機はすべて券売機兼用タイプであり、最終レース購入者も入り混じって大変な混雑となってしまった。
さらに機械の故障などもあってお客の不満は溜まっていたようだ。人の多い1階から2階、3階の窓口へ
誘導しようとアナウンスも流れていたようだが、人の流れをコントロールするのは至難の業だ。
(ちなみに私は後半レースはすべてネットで購入していたのでスムーズに帰路に着くことができた)
交通手段については、金沢は完璧に近い準備をしていたように思う。
Google マップ
地図を見てもらうと分かるが金沢競馬場は駅から遠い場所に位置している。金沢駅からバスで20分ほど。
最寄りの駅までの交通手段は皆無(そもそも路線バスが近存在せず、一番近いバス停まで徒歩15分ほど)。
基本的にはマイカー利用を見越して駐車場を大きくしている競馬場なのだ。
しかしこの日の金沢競馬はマイカー利用の自粛を呼びかけ、無料ファンバスを大量に発車させた。
私のような県外からの客や県内の一見さんも多かったためこのバスがとても役に立った。
金沢駅からは9時前から15時過ぎまで5分〜10分間隔でバスを運行させ、
JBC終了後には定員になり次第出発とし、競馬場と駅間をピストン輸送させて客の滞留を防いだ。
窓口についてはやや改善の余地ありだったが、交通手段についてはあれで十分だったのではないだろうか。


同様の立地条件に近いのは佐賀競馬場高知競馬場になるだろうか。いずれも駅からはバスで10分以上かかる。
交通手段は金沢の例を真似るとしても、問題は窓口数や観客席数の方だろう。
いずれも現状ではJBCの来場者を捌き切れないだろう。観客減で今はむしろ窓口数を減らす一方だからだ。
佐賀競馬場については一つ考えられる方法がある。それはJRA場外である「WINS佐賀」の窓口を使わせてもらうのだ。
それが可能になれば佐賀でのJBC開催に一歩近づくと思うのだが、どうだろうか。
笠松や浦和は交通の便は良いが、それが逆にネックになっている面もあるのかもしれない。
駅から競馬場までは住宅街の細い路地を歩いていかなければならないため、往来の多さの影響がどうなるか。
門別は札幌からとにかく遠すぎ、苫小牧からでもまだ遠い。一応、富川駅が最寄り駅にはなるのだが、
バスで輸送するにも駅側にバスをつけるスペースがなく、また日高本線も本数が少なくてかなり利用し辛い。
門別と笠松に関しては『競馬ブック』のコラムで誰かが書いていたが、JBC開催日だけJRAの施設を借用できないかと。
ホッカイドウ競馬はかつて札幌競馬場で開催を行っていたことがあった。愛知県競馬組合(名古屋)もまた
中京競馬場で開催をしていたが、いずれも競馬場利用料が高額なため近年は一切開催しなくなっている。
普段の開催なら赤字だろうが、JBC開催となれば競馬場利用料もペイできるだろう。
名古屋競馬は自前での開催実績があるが、笠松の方は隣県にはなるが中京を借りることはできないのだろうか。
JBC開催には一部賞金負担のほか、こういった競馬場側の出費も大きいものになってしまう。
しかし金沢の例を見るに開催のタイミングさえ誤らなければ大きな黒字も可能なコンテンツだと思う。


来年度の盛岡開催は今年と同じ祝日月曜日の開催だが、2016年・2017年の文化の日は祝日だが連休ではなくなる。
2018年は土曜日だがこれだとJRAの開催と被ってしまう。2019年は日曜日でやっと月曜日が振替休日になる。
今年の金沢は上でも書いたようにドンピシャのタイミングで開催が出来てこれだけの記録的売上に繋がった。
連休の方が売り上げは伸びるだろうし、PATの影響も考えるとJRAと開催が被るのも好ましくない。
ナイター開催ならば影響は少ないだろうが、昼間開催となるとできるだけ競合したくない相手である。
佐賀には2019年あたり目指してほしいものだが、果たしてそれまで競馬場が存続しているか……問題はそこだけだ。