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『サラブレ』10月号 海外で活躍する現役日本人ホースマン特集

競馬雑誌の中でも海外競馬情報が豊富な『サラブレ』ならではで非常に面白かったこの特集。
なんと(掲載を辞退した方は除いて)海外で活躍する日本人ホースマンの一覧が載っていました。
さすがに全員を網羅してはいませんが、それでもこれだけの情報を集められるのはさすが『サラブレ』。
騎手や調教師のみならず調教助手や厩務員、エージェント、レーシングディレクターなど多岐に渡ります。
国別ではイギリス、アイルランド、フランス、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポールなど。
一人一人の簡単なプロフィールやこぼれ話などもあり、とても良い記事になっています。


アイルランド
・児玉敬(調教師。ポップロックシャドウゲイトキングストレイルなどを担当して欧州種牡馬入りを後押ししている)
・柘植要(トラックライダー。バリードイル所属、エイダン・オブライエン師の下でガリレオなど数多くの名馬の調教を手掛ける)
・草野涼(トラックライダー。草野太郎騎手の弟。バリードイル所属。)
・原田千秋(アシスタントトレーナー。児玉厩舎からバリードイル所属に。)
・塚田竜(アシスタントトレーナー)


イギリス
・園部花子ダーレージャパンのレーシングディレクター、R・ヴェリアン調教師夫人)
・富岡典子(エージェント。三浦騎手、後藤騎手などの通訳も務めた。)
・亀井まどか(ジョン=ファーガソン氏オフィス勤務)
・飯山剛至(トラックライダー。W.ハガス厩舎所属)


フランス
・小林智(調教師。遠征する日本馬の引受先に選ばれることが多く、昨年はオルフェーヴルを受け入れた。)
・大里圭司(アシスタントトレーナー。マダム=ファーブル厩舎所属)


アメリ
・アキコ=ゴサードアメリカ初の日本人調教師。日本人初の米国競馬調教師 アキコ・ゴサードさん - 座布団が行司にクリーンヒット
吉田直哉ウインチェスターファーム場主、獣医師でもある。)
・加藤昭文(騎手。八百長疑惑で地方競馬免許を剥奪された後に渡米。還暦を過ぎた今も現役、通算2000勝以上。競走馬購入仲介人も務める)
・柘植みち子(エージェント。武豊騎手、福永騎手などの米遠征をサポート。)


オーストラリア
・藤井勘一郎(騎手。韓国でG1を2勝。JRA騎手を目指している。)
・吉田賢二(騎手。オーストラリアで重賞制覇。)
・阿部将之(騎手。昨年は大井でも騎乗。)
・富沢希(騎手。マカオや韓国など各国で活躍)
・賀谷祥平(騎手。騎手以外にもマルチな才能を発揮、MBAも終了。今年日本で短期騎乗を予定している。会計士とジョッキーを両立させている日本人騎手がいるらしい - 座布団が行司にクリーンヒット
・西谷泰宏(騎手。日本の大学で牛の勉強をしていたはずが渡豪、厩務員希望から騎手になり最優秀見習い騎手表彰後フルライセンス取得)
・太田陽子(騎手。昨年は岩手でも騎乗)
・濱田博隆(騎手。韓国ソウルでも騎乗)
・池主貴秀(騎手。)
山田憲(騎手。)
・天野しゅうじ(騎手。)
・中村純一(厩務員。豪州ダーレー所属。フリードマン厩舎からスノーデン厩舎へ)


ニュージーランド
・田中正一(騎手。現地でG1を制している。)
・森信也(トラックライダー。元・荒尾の厩務員。繁実剛厩舎所属から現在はフリーの攻め馬手に)
・島良友(ステーブルハンド。スティーブ=リチャーズ厩舎の厩務員、オーナーとして競走馬も所有。フレミントン競馬場で働く日本人 シマヨシトモさん インタビュー - GO豪メルボルン
・澁谷あゆみ(ベーカー厩舎所属の厩務員。元自衛官で退官後に渡新した)
・堀洋太(トラックライダー。オーシャンパークの調教も担当、騎手を目指している)
・北村郁子(ステーブルハンド。以前はトラックライダー。ホッカイドウ競馬の手島健児厩舎に所属していたが定年解散したため渡新した)
・斎友祐(トラックライダー。脱サラして渡豪、昨年からニュージーランド、今年から渡英予定)
・小西研(厩務員。こちらも元サラリーマン。ロックドゥカンプのいるオークススタッド勤務)
(以上、敬称略)
サラブレ』に掲載されていた名簿ですので現役で活躍していることは間違いないホースマンたちです。
ここに挙げられていない関係者はまだ多くいるはずです。既に引退して別の道に入った人たちもいるでしょうね。
いくつか調べただけでもここにない日本人騎手の名前が散見されます。古くはブラジルで活躍した中神輝一郎騎手、
マレーシアとシンガポールでリーディングに輝いた道川満彦騎手、カナダで110勝を挙げた安藤裕騎手、
元浦和でアメリカに単身渡った女性騎手の土屋薫騎手、現在大井の中村尚平騎手はオーストラリア所属でした。
元・エイダン=オブライエン厩舎所属助手でイェーツ、ジョディアシュリーなどを担当した本木剛介氏などもいます。
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英国の園部花子氏・亀井まどか氏はダーレーフライングスタート出身。ダーレーのホースマン育成学校で、
研修プログラムはすべて英語で行われ、多岐に渡る講義を叩き込まれたまさにエリートと言える。
オセアニアにおいて騎手など活躍する日本人が多いのは競馬学校の存在が大きいようです。
オーストラリアのクィーンズランド・レース・トレーニング(QRT)や、トレインテック競馬学校など。
オーストラリアの競馬学校
トレインテックはハイランド真理子氏が経営する学校ですね。オセアニアで騎手になるためには競馬学校卒業後、
見習い騎手としてまず所属厩舎を自分で探し、他厩舎へ営業し、さらに模擬レースを指定回数騎乗しなければならず、
様々な経験を積んでやっとフルライセンスが与えられる。しかし騎乗回数だけならJRAなどとは段違いに多い。


『競馬最強の法則』10月号 田中正一騎手&藤井勘一郎騎手特集 - 座布団が行司にクリーンヒット
また最近ではビザの発給が困難になっていたり、日本人が騎手を続けることすら難しいという状況にもなっている。
そういった経験を積み重ねてトップに上り詰めたのが田中正一騎手や藤井勘一郎騎手なのだろう。
現在日本ではJRAとNARの免許が別れ、統一免許にするかどうかなど騎手免許の扱いについて様々な議論があるが、
本当の意味で実力主義にしたいのならばオセアニアの方式を取り入れるのも手段の一つなのかもしれない。