舛添 要一(ますぞえ よういち、1948年11月29日 ‐ )は、日本の政治学者、政治家。株式会社舛添政治経済研究所長、社団法人地域経済総合研究所評議員。東京大学法学部卒業。学位は法学士。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9B%E6%B7%BB%E8%A6%81%E4%B8%80
自由民主党参議院政策審議会長、厚生労働大臣(第8・9・10代)、参議院議員(2期)、新党改革代表などを歴任した。
柿沢 未途(かきざわ みと、1971年1月21日 - )は、日本の政治家。結いの党所属の衆議院議員(2期)。元東京都議会議員(2期)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%B2%A2%E6%9C%AA%E9%80%94
大学時代、テレビ番組カルトQの「競馬」の回で優勝した経験を持つ。
岡田 繁幸(おかだ しげゆき、1950年3月19日 - )は日本の実業家。クラブ法人株式会社サラブレッドクラブ・ラフィアン前代表取締役社長、有限会社コスモヴューファーム社長。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E7%94%B0%E7%B9%81%E5%B9%B8
昨年秋ごろから舛添氏と柿沢氏による「競馬勝手連」と称した最初の対談記事が競馬ブックに載りはじめました。
話はまずお二人の競馬との関わりから。聞き手は甘粕代三氏。舛添氏はサプライズパワーなどの馬主として有名です。
以前から『舛添要一の競馬改国論』ISBN:9784914938611書で日本競馬への提言などを行ってきた競馬通。
参議院議員の頃はいわゆる競馬議連からも参加を誘われたそうですが、まだ馬主免許を持っているということで、
議員の利益誘導を避ける観点からお断りしたそうだ。柿沢氏はカルトQ「競馬」回での優勝経験があるなど、
現役議員きっての「競馬オタク」。またカジノ議連の事務局次長を務めており、その点からも注目の人物だ。
ちょうど馬券裁判の後でしたからその話題も上がっていました。JRAが収めている国庫納付金にもふれ、
その多くが実質特別会計扱いで農林水産省の予算として使われている現状に疑問を呈していました。
畜産振興事業だけでなくもっと他分野に使えるようにして、その貢献度を一般市民にも広めるべきだと。
それからしばらく経ち、2回目の座談会は昨年12月。新たに岡田繁幸総帥が加わり「国際化と馬産地」をテーマに
対談が行われました。舛添氏の東京都知事選挙出馬が決まり、柿沢氏もみんなの党を離党して結いの党に合流するなど
お二人とも渦中の人物として取り沙汰されることが多くなってきた中でしたが、大変面白い対談記事でした。
基本的には岡田総帥の語りに舛添氏や柿沢氏が質問したり、その都度意見を付け加えたりする形でした。
※私が興味をひいた話題だけを取り上げています
※本文と文脈が違う可能性があります
※量が多く中身も濃い内容ですべては伝えられないため、競馬ブックのバックナンバーを購読されることをおすすめします
岡「凱旋門賞をはじめ世界の大レースで結果を出している日本馬は既に世界最強レベルにある。」
「日本の血統といえばサンデーサイレンス。サンデーは本当に凄い馬だが、逆に血統の世界は浅いとも言える。
たかだか名馬1頭の登場でひっくり返ってしまう世界なのだから。」
岡「TPPで一時的に海外から安い馬が流入することになっても、3〜5年後には誰も海外の馬は買わなくなる。
日本馬はそれだけ強くなっていて歯が立つはずがない。逆に海外に売り出すチャンス。」
岡「(中国人の購買が増えているそうですが?)自分は北京馬術倶楽部の名誉顧問を無償でやっているが、
中国政府は日本・その他外国からの支援を利用して競馬開催を行おうとしている。
自分たちからは手を付けずリスクを避けつつ開催を目論んでいるが、それで成功するとは思えない。」
舛「東南アジア方面はどうですか?」 柿「今は中国より経済成長著しいのが東南アジアですからね。」
舛「J2札幌にベトナムの英雄レ・コン・ビンが入団したことで札幌はスポンサーが増え、放映権が高く売れた。
日本がアジアの頂点という形で、ジャパンカップなどもこれらの国々が目指すレースに転換できないか。
東南アジアの富裕層もどんどん増えてきていて、その方面からの新たな販路も期待できる。」
甘「アイルランドには海外に馬を売り込む、生産者が出資した合同のマーケティング集団が存在する。
日本も本当に海外に販路を広げたいならばこれくらいのことはしなければならない。」
岡「海外からの馬主参入は個人的には反対。日本の高額賞金欲しさなのは目に見えている。
国際化の名の下に世界へ解放するというのならば、代わりにそちらも国々でも努力すべきだと言いたい。」
岡「国際化の波に対抗するには、日本の牧場は統合して大牧場になるしかない。現在は中小の個人牧場ですら
繁殖牝馬や種付け料に数千万円もの負債を抱え込んでしまい、リスクが大きすぎる。
それらは馬主が負担して、牧場は預託料を受け取る形にした方がリスクは少なくなる。
岡「夜間放牧が可能な大きな放牧地も必要。統合して元の牧場従事者を雇い入れれば雇用も安定する。
牧場数が減るのは大きな問題ではなくそれを救うための補助金も必要ない。必要なのは国際化に対抗する競争力。」
柿「補助金をばらまく現況では競争力重視に逆行している。中国ではないが共産主義のようだ。」
甘「カジノ施設内に競馬が食い込む可能性はありますか?」
柿「JRAが外部から理事長を受け入れるくらいのことをしないといけない。」
http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/20140131t73011.htm
ほとんどは岡田総帥の独演会のようになっていました(笑)。凡そはなるほどと感心しました。
TPPに関して岡田氏は馬産に与える影響は少ないと考えているようだ。むしろチャンスにも成り得ると。
中国競馬については、外国の手を借りるだけで自らは動こうとしない政府の姿勢から実現性の低さを指摘。
中国におけるメイダン競馬場主催の国際競馬イベントが延期に - 座布団が行司にクリーンヒット
馬主が牧場に繁殖牝馬を預託する形を増やすべきという話も同意です。
米国・ウィンチェスターファーム場主 吉田直哉特集 - 座布団が行司にクリーンヒット
以前こちらでも書きましたが、馬主としては設備投資をする必要がなく、牧場は馬への巨額の投資を必要としない。
両者にとってリスク軽減が可能になるため、特に中小牧場にはうってつけの方法ではないでしょうか。
ただ個人的に牧場統合や補助金についてはやや疑問が残る箇所もありました。岡田氏はつまり経営母体を強くして
国際化に対抗しようと言いたかったのでしょう。大牧場を経営する人からすればそういう考えにもなるでしょうが、
個人牧場の中には自分たちの可能な範囲で十分……という所も多いでしょう。国際競争云々まで考えていないのでは。
今は国際競争よりも、国内の市場で大牧場・グループに独占されている状態の方が不満が大きいでしょう。
また他の畜産・農作物とは違い馬産というのは殊に「生産牧場」がフィーチャーされる分野です。
小さいとはいえ各牧場に矜持があり、難しいのでは。逆にそこが問題になっている部分も多々あると思いますが……。
国際化などせず鎖国にしてでも国内の馬産地を守るべきだという意見も少なからずありますからね。
例えば私の応援する九州にどこかの大牧場がやってきて、仮に牧場のほとんどがその傘下に入ったとしたら、
九州産馬限定レースの枠組みは消滅するでしょう。それはそれで一つの決断だと思います。
しかし現実にそのような大手が参入する可能性は現在のところありませんし、仮にあったとしても
個人で経営を続ける牧場は必ずあると思います。邪魔なプライドだと言われようともそこは一国一城の主、
「鶏口となるも牛後となるなかれ」を地で行く生産者が日本には多いような気がしますね。
国際化よりも今は自分たち自身、その周囲が生き残っていけるかどうかの方に関心が高い牧場がほとんどでは。
JRAの売り上げ減少、地方競馬の相次ぐ廃止など、身近な問題を解決してからの話でしょうね。