座布団が行司にクリーンヒット

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メルシーエイタイム 引退後の行先が決まるまで

http://jra.jp/news/201402/022604.html
メルシーエイタイム 大手術後の経過は順調 - 座布団が行司にクリーンヒット
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140128-00000001-kiba-horse
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140227-00000002-kiba-horse
昨年の中山大障害予後不良級の怪我を発症しながらも手術に成功して生き延びたメルシーエイタイム
忍者ホースクラブという新天地も決まって無事に移動を終えています。ここまでは成功談に見えますが、
実際にはメルシーエイタイムを支える関係者にとっては大変な苦労があったようです。


メルシーエイタイム担当の調教助手さんのツイートを時系列で並べてみるとこうなります。
めるしぃ on Twitter: "今日エイタイムさんのことを僕が3月から新しく行く厩舎の先生に相談してみた。あまり良い返事がもらえなかった…それもこれも、ウチの先生が周りの人間に投げっぱなしなのが原因ではないかと(-.-;)"
めるしぃ on Twitter: "普通自分の管理する馬が怪我をして入院しているのだから、先生が馬主さん、獣医さん、新しく行く厩舎の先生に対して話し合いを持ってくれないと。僕の感情論だけなら、新規厩舎の仕事に迷惑はかけませんから、で終わるのだが…お金の問題などは僕ではクリアできません。"
めるしぃ on Twitter: "治療費は全額JRAから出る(レース中の怪我だから)のですが、エサ代、寝ワラ代、僕が担当する手当(3頭持ち手当、傷病馬は1日1900円)などなど…これらを計算して馬主さんに請求する業務を新規厩舎の先生にお願いしなければならなくなります。だから、僕では到底解決出来ない事象なんですが…"
めるしぃ on Twitter: "①現状歩けない状態であることを引退後お世話をしてくれると申し出てくれている牧場さんに何の連絡もしない②引き継ぐ先生に受け入れをお願いしていない③獣医さんと現状どうなっているか話し合いをしない 全てにおいて、僕からどうなっているか聞いたら⇒『お前から聞いてみてくれ』の一言で終わり。"
めるしぃ on Twitter: "ま、僕からは一応①〜③まで全部伝えるだけは伝えたんだから、後はなるように成るハズ、なるハズ。なる…の?"
めるしぃ on Twitter: "色々頑張ったが、3月1日から先もエイタイムさんの担当をするのは難しくなった(:_;)なので2月中に痛み止めを飼い葉に混ぜればイイくらいまで回復して牧場に行けるようになって欲しい。いや、二転三転はもはや常識となりつつある今、また急に担当出来ることになるかも知れないが(笑)"
めるしぃ on Twitter: "診療所と僕⇒このまま担当して欲しい、担当したい 僕が新しく行く厩舎⇒難色 現在の調教師⇒(モノが言い易い)別な調教師にお願いする! その別な調教師⇒色々馬引き継がせてもらってるから断り辛いな… 誰が頭を下げればすんなり話しが通るのかは メ イ ハ ク"
めるしぃ on Twitter: "エイタイムさん。もし、2月末の定年解散までに退院出来なかったら、3月からは高橋康之先生が面倒をみてくださることになりました。高橋先生が快く引き受けて下さって、『武厩舎の従業員も二人引き継ぎますから、安心して僕に任せて下さい』と言われました。"
最終的には助手さんが走り回ったおかげで乗馬クラブに移動するまでの間の預託先が決まりました。


また移動先の忍者ホースクラブでも受け入れを決めるまで躊躇があったそうです。
現在ブログ記事は消えていますが、キャッシュに残っていたものを載せておきます。

私どもはメルシーエイタイムが昨年末のレースで引退することと、
引退後のエイタイムの受入依頼を昨年4月に聞いておりました。
それ以来、関係者の方からエイタイムの話を聞くことはありませんでした。


昨年末、引退予定のレースで重度の怪我を負ってしまったエイタイムは
レース直後に左後肢を脱臼したと発表がありました。
馬の脱臼は予後不良の診断がされるのが通例のはずですが、
エイタイムにはそのような発表がなく、私どもは疑問に思っておりました。
その後、エイタイムが怪我の治療のために手術を受け、
美浦で入院することをニュースで知りました。
エイタイムについて、私どもは関係者の方からは何も聞かされず、何も分からない状態でした。


予後不良の診断をされていてもおかしくないエイタイムは生かすことが難しく、
管理するリスクが高すぎる馬だと容易に想像できます。
もしエイタイムの引退後の受入依頼があった場合、
私どもはエイタイムの受入を断ることも考えて悩んでおりました。


何も連絡がないままエイタイムが美浦から栗東に運ばれると知り、
失礼を承知でこちらから厩舎関係者の方に連絡をさせて頂きました。
すると、厩舎関係者からはエイタイムを忍者ホースクラブに連れて行く予定で治療をしていると聞かされました。
初めはエイタイムの受入を断ることも考えていたのですが・・・
エイタイムの現状を聞き、他所でエイタイムの受入先を見つけることは難しいと思いました。
エイタイムが栗東に到着した日に忍者のスタッフはエイタイムに会いに行き、
厩舎関係者と獣医師に話を聞いて、エイタイムの受入れを決めました。
このような経緯で、今日エイタイムが忍者ホースクラブに入厩しました。


エイタイムはこれからも定期的に獣医師に往診頂いて、治療を続けることになります。
トレセンの入院馬房は空調完備ですが、こちらの馬房にはそのような設備はありません。
今まで以上に管理し難く、エイタイムにとって厳しい環境となります。


エイタイムの飼料は他の乗馬達とは違う特殊な物を与えなければいけません。
今のエイタイムは写真を見て頂ければわかるように、かなり削痩している状態です。
特に怪我をした肢で支えている左半身は肉が無くなっています。
(中略)
エイタイムの治療費や飼料費等の管理費はこれから忍者ホースクラブで負担することとなります。
・・・はっきり言ってキツイです。
現在忍者にいる他の乗馬たちの生活を圧迫しかねない
治療費と療養食費がかかると危惧しています。
(中略)
これからのエイタイムのことを考えると不安ばかりです。
私どもにいつまで彼を生かすことができるかはわかりません。
彼が今生きていることが幸せかどうかもわかりません。
私どもにはエイタイムが幸せそうに見えると、今は言えません。
それでも、エイタイムは多くの人の応援する気持ちに今も精一杯応えてくれています。
これから先、エイタイムを見た人々が
「エイタイムは生きられてよかった。」と思える姿を見せてくれることを願って、
忍者ホースクラブではメルシーエイタイムを養老馬として繋養します。
メルシーエイタイムが無事に余生を過ごせるよう、
皆様にご支援とご協力をお願いします。

http://blog.livedoor.jp/ninjyahc/archives/37289658.html

付添い : Vigorous Stableのブログ
http://blog.livedoor.jp/ninjyahc/archives/26492091.html
メルシーエイタイムは最近も術後経過が思わしくなく、かなり危ない状態にあったそうだ。
今は持ち直しているそうですがメルシーエイタイム自身、現在も回復に向けて格闘しています。
忍者ホースクラブとしては養老馬への支援体制を確立できないかと考えている段階のようです。


日本競馬はここまで発展してきましたが、競走馬の余生に関しては体制が整っているとは言えません。
今回の件も手術したのはいいとして、その後は調教助手ただ一人の手に委ねられているような状態でした。
やっと始まった「引退名馬繋養展示事業」も数年後には対象馬の制限や助成金カットがなされる始末。
JRAや馬主会が動いて補助を厚くし、また実績のある引退名馬の処遇を体系化できないものでしょうか。