座布団が行司にクリーンヒット

九州産馬、佐賀競馬、地方競馬、アビスパ福岡を応援しています

クラウンアイリスJRA初勝利と大分県における馬産の話

競馬 - サラ系3歳未勝利 結果 - スポーツナビ

大分県産馬がJRA初勝利! - 予想王TV@SANSPO.COM

 24日の京都3Rでクラウンアイリスが1着となり、大分県産馬としてJRA初勝利を挙げた。同馬は大分県にあるクラウンファームの生産馬で、JRAには同ファームの生産馬であるクラウンジェネシスと計2頭の大分産馬が登録されている。


 九州産馬の通算勝利数は鹿児島産が563勝、宮崎産が104勝、熊本産が17勝。大分産馬にとっては今回が記念すべき初Vとなった。

前2走は連続で2着に好走しており、ここでは力上位でした。いつもはもっと後ろから追い込んでくるタイプですが、
今回は中団の最内に控え、直線ではやや我慢してコースが開くと大外に持ち出し、前の集団を鋭く差し切りました。
デビューが遅れて夏の小倉の九州産馬限定戦には間に合いませんでしたが、昨年暮れの新馬戦で17番人気ながら3着。
400kgに満たない小柄な牝馬ながら鋭い追い込みを武器に好走を続け、今回ついに初勝利となりました。
クラウンアイリスの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
ロドリゴデトリアーノ母ユキノマーガレット母父クロフネという血統、大分県・クラウンファーム生産。
近親に重賞勝ち馬などはいませんが、母の兄弟姉妹にマッキーバッハやツルマルネオなどをはじめとして
JRAで勝ち上がった馬が多くおり、地味ながらコンスタントに活躍馬を輩出する牝系に見えます。
マイルで負けているのを見ると現状では1200mがベストかも。またロドリゴデトリアーノ産駒なので平坦の方がいい。
改めてここでクラウンファームについて紹介しておきましょう。

クラウンファーム

フェアリーS クラウンロゼが10番人気で勝利 - 座布団が行司にクリーンヒット
クラウンファームは矢野悦三氏が代表を務める牧場で、北海道に生産育成拠点としてクラウン日高牧場があります。
大分県の国東半島にあるクラウンファームはかつて中津競馬の馬も利用していた海岸調教・治療の可能な牧場。
方針としては夏の暑い時期は北海道、冬は九州に馬を移動させて効率の良い育成を行っているようです。
まだ歴史の浅い牧場ですが、重賞馬のクラウンレガーロやクラウンロゼなどを輩出して脚光を浴びつつあります。
JRAでの冠名「クラウン」の馬は株式会社クラウン(矢野悦三氏)、息子の矢野恭裕氏が使用しており、
前者はクラウンレガーロ、後者はクラウンロゼが代表馬。「基本的に有力馬は父が所有して自分は余りもの(笑)」
と、以前何かのインタビューで恭裕氏が答えていたので、当初クラウンロゼはそこまで期待されていなかった様子。
九州1歳市場で九州産馬を購入することも多く、1歳で購買された馬を自分の牧場で育成してデビューさせています。
クラウンリバーはたんぽぽ賞を制し、他にもクラウンエンビー、クラウンデュナミスはJRAで勝ち上がり。
クラウンボースロンはJRA交流ノカイドウ特別勝ち。クラウンハイパーやクラウンアリオンなど地方での活躍馬も。
今年の九州1歳市場は7月29日に行われます。
【九州1歳市場】の上場馬申込受付スタート! - 【サラブレッドセール(せり市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.com



クラウンジェネシスの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
大分のクラウンファーム生産馬は2011年産のクラウンアイリスとクラウンジェネシスの2頭しか今の所いません。
ジェネシスはいわゆる持込馬ですがアイリスは九州にいたロドリゴデトリアーノを種付けされて産まれた仔。
2頭の母はいずれもクラウン日高牧場に移動して繁殖生活を続けています。
せっかくJRAでの勝ち馬が出たのですから、九州での生産を復活させてもいいと思うのですけどね。
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細
その大分のクラウンファームでは現在従業員を募集しているようです。事業拡大中なのかな。
人員が揃えば生産を復活させる可能性もあるかもしれません。興味のある方はいかがでしょうか。

大分県の馬産について

一番上の記事にあるように通算勝利数から見ても九州の馬産の中心地は鹿児島県です。しかしこの数字は「JRA」のもの。
戦前までは九州全体が軍馬の生産地であり、かつては大分県産の中央競馬勝ち馬もいたかもしれません。
近年はほぼ鹿児島・宮崎・熊本の三県の生産馬で占められる九州産ですが、数年前まで大分産馬は普通に走っていました。
また数年に一度かなり珍しい福岡産馬が出たりもします。ここ20年ほど佐賀県産馬、長崎県産馬を見たことはありません。
アロマホークの2011 | 競走馬データ - netkeiba.com


大分県産馬の年間生産頭数(21世紀以降)
2001年産・・・10頭
2002年産・・・8頭
2003年産・・・11頭
2004年産・・・4頭
2005年産・・・2頭
2006年産・・・1頭
2007年産・・・3頭
2008年産・・・1頭
2009年産・・・3頭
2011年産・・・2頭
これまでJRAの勝ち馬こそいませんでしたが、地方競馬での勝ち馬は多数。大分の馬産はアラブが中心だった為です。
最盛期からは大幅に減少しましたが、近年もわずかながら大分県産馬は毎年のように生産されていました。
首藤義雄氏はアラブの生産牧場で種牡馬マルシゲエースを所有していましたが、アラブ衰退後は生産を止めています。
吉冨幸吉氏は中津競馬で馬主をされていて現在も地方競馬で馬を走らせています。
種牡馬としてサンデーズショウスーパーボウルダンツサイレンスレイベストメントなどを所有、
ダンツサイレンス最後の産駒セクシーガガは佐賀競馬で現役です。
近年生産を中止していましたが、サルバドールピアスというハーツクライ牝馬を新たに導入して再開されています。
サルバドールピアスの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
冠名「リバー」の河越武治氏はJRA地方競馬の馬主。ユートジョージ種牡馬に迎え入れ、
最近ではリキサンダルジャンやリバーキセキ等を種牡馬登録していましたが、産駒は生まれていません。
近年は生産馬がいませんが、生産への意欲はまだ残っていると聞いています。
クラウンファームの活躍を機に大分の馬産が復興してはくれないかと期待しているのですが。


関連:淡路島産馬 アワジノルーキーが初勝利 - 座布団が行司にクリーンヒット
こちらも珍しい、兵庫県は淡路島産馬の勝利でした。