座布団が行司にクリーンヒット

九州産馬、佐賀競馬、地方競馬、アビスパ福岡を応援しています

拝啓 ジャスタウェイ馬主・大和屋暁さま

 みなさん、この度は応援ありがとうございました。おかげさまで、ジャスタウェイは遥か異国の地で偉業を達成することができました。ドバイを勝ってそれ以降、色んな人が色んな事を色々と好き勝手に言ってくるようになりました。やれトレヴと走ってくれ、やれイギリスに行け、いや凱旋門だ。競馬素人の親戚までがローテーションのことを言ってくるようになり、「七夕賞を使え」と真顔で言われました。その親戚にはダビスタをやってくれとお願いしておきました。
 そして今、僕はとても悩んでいます。
天皇賞」そして「ドバイ」と以前から口に出して言ってきた目標をジャスタウェイが達成してくれた今、彼には新たな目標が必要です。ドバイデューティーフリーを勝ち、レーティング130ポンドを獲得した今、ジャスタウェイに相応しい大きな目標とはいったいなんなのでしょうか?
 というわけで、ジャスタウェイの次の目標を募集します。面白いやつ希望です。よろしくお願いします。 大和屋暁

http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86315

東スポWeb – 東京スポーツ新聞社 | 今日の東スポ紙面をチェック!気になる今日の1面も見れます!
遅ればせながらドバイデューティフリー優勝おめでとうございました。
帰国後は安田記念を快勝。宝塚記念は回避となってしまいましたが、既に凱旋門賞へ向けて動き出しているとのこと。
4月にこのような「お題」が出されておりましたが、ひとまずの目標は凱旋門賞ということになったようですね。
プレゼントに釣られて私もこのお題に応募しようと思っておりましたが、「面白いやつ希望」と言われると気後れしてしまいまして……。
私にはそれに沿うだけのネタ力がなく、またこの為だけにnetkeibaに登録するのが面倒臭いし、
【ツッキー!!】山口忠は『ハイキュー!!』コミック1巻~14巻の中で何回「ツッキー」と言ったのか? - にじめん
仮にプレゼントのクオカードを頂いたら「『銀魂』ファンにも人気だろうし、売ったら高い値がつくかも……」と一瞬悪い考えが頭を過ぎった為、
この度は応募を控えさせて頂きました。そのため自分のブログ上で拙文を披露させていただくことをお許しください。




ジャスタウェイが“連続世界1位”に/競馬・レース/デイリースポーツ online
ジャスタウェイはドバイ後は「ワールドベストレースホースランキング」で130ポンドを得て名実ともに世界最強馬の名を獲得しました。
ここまで世界的にも評価が高まり周囲が勝手に騒ぎ出すと、「もう自分ひとりだけの馬ではない」とお考えになってしまうのも分かります。

「今までは考えなくて良いことを考えないといけなくなる。(これからは種牡馬としての)価値を高めていく戦いになる訳だから、負けると下がるだろうから、変なローテも組めないし。本当はあまりそういうことは考えたくないんですけどね」

http://column.keibalab.jp/specialtalk/article/vol_24_3/

他誌のインタビューで「もう自分の手から離れて行ってしまっている気がする」とも仰っていましたよね。
一度頂きに昇ってしまえば後は「引き際」を考えなければならないのがサラブレッドの世界。
最近は特にその傾向が強く、大レースを勝ち大きな栄冠を手にした馬たちほど早めに引退して次のステージ(種牡馬)に促されます。
大和屋オーナーは生産者ではありません。これを機に生産界に挑戦するようなことがなければ(多少の権利は残るでしょうけど)、
権利の譲渡契約が結ばれてジャスタウェイは別の人間の手に渡ってしまうことになります。
かつての所有馬の認められた実績が「お金」という形で手元には残ることになるでしょう。少し寂しい気もしますがそれが競馬の世界の常識。
それを元手に新たに強い馬を求めるもよし、ジャスタウェイの仔を走らせるもよし……と、馬主としての生活はこの後も続いていくでしょう。
それもまた楽しい馬主人生ではないかと思います。


しかし今後、ジャスタウェイ級の馬を所有できる保証は一切ありません。これほどの馬、個人的に可能性はほぼゼロに近いと思います。
社台グループのように「強い馬づくり」を企業規模で続けているようなところでなければ難しいかと。
そんな生産に命を懸けてきた生産者グループでさえ経営不振で今や影も形も無くなってしまった所は数知れず存在します。
名馬に出会える確率はほんのわずか。それがジャスタウェイ級ともなれば大きな運も必要となります。


大和屋オーナーは今、大きな運に恵まれて名馬を手にしています。所有権が手元にある間に好き放題やっていいのではないでしょうか。
今後の成績に多少傷がついたところでドバイDF勝利の栄光と130ポンドの価値はそうそう下がりません。
売却額が数千、数億円下がったところで大金が手に入るのは同じこと。そして自分から権利が離れた後のことなど考え過ぎる必要はないでしょう。
凱旋門賞に囚われず好き勝手にやってください。いっそ七夕賞でもいいのです(現実的にハンデが厳しいので無理ですが)。
「ワールドベストレースホースランキング」もあくまで一つの物差しに過ぎません。現在では主に国際競走の出走順を決定している程度のものです。
大きなレーティングは「全世界どこでも好きなレースに出走できる権」くらいに考えればいいのではないでしょうか。
もちろん種牡馬の価値にも直結するのでしょうが、仮に日本国内で種牡馬入りするのであればそのレートは大した価値を持ちません。
日本の国際G1を勝っても上がらないレーティングなのですから、それならいっそどこにも遠征せずに日本国内で現役を終えるのも一つの手です。


【編集局から】日本の悲願…“競馬のW杯”制覇 - 予想王TV@SANSPO.COM
日本人はなぜか凱旋門賞が大好きで、ここを勝利することが「日本の競馬を世界に認めさせる」証になるなどと思っている節がありますが、
実際にそんなことはありません。日本馬の強さ、競馬の先進性は世界で活躍するホースマンの中では知っている人は知っていますし、
逆に「よく知らない」という人たちにとっては凱旋門賞勝ち程度で簡単には認めようとはしないでしょう。
加藤栄氏が仰っていましたが「日本競馬は欧米から舐められている」と。特にアメリカはその傾向が顕著なんだそうです。
欧州から日本には凱旋門賞馬をはじめとしてジャパンカップ等へそれなりの実績馬が遠征に来ることもありましたが、
1990年代以降アメリカの一流どころはほぼ遠征してこなくなっています。馬場が気に入らなければドバイすら無視をするアメリカの陣営です、
日本の競馬など歯牙にもかけていないのでしょう。欧米のホースマンはある意味では自意識過剰でプライドが高いのは事実です。
そんな相手を認めさせるには、現地に出向いて大レースで地元の有力馬たちを破るしかありません。

凱旋門賞挑戦も良いけれど、適性があればこちらへの遠征も良い。何故ならこちらに勝てば欧州勢だけではなく米国勢にもギャフンと言わせられる。

https://twitter.com/NaoyaYoshidaUSA/status/482835881464590336

それはドバイでは不可能なことです。ドバイは欧米にとってもアウェーに過ぎず、相手のホームで破ることに価値があるのです。


だいぶ遅くなりましたが結論を書かせていただきます。
ジャスタウェイは現役を出来る限り伸ばし、各国の代表的なレースを転戦して奴らの高く伸びたハナを片っ端から折ってやりましょう。
ジャスタウェイならそれが出来ると信じています。さらに言ってしまえばジャスタウェイは国内の馬場は不向きだと感じています。
近走こそ4連勝を飾ってはいますが、それまでは天皇賞(秋)を勝つまで「主な勝ち鞍:アーリントンカップ」でしたし、
上がり最速を計時しながら連続2着などを見ると、日本の馬場・直線の距離などがジャスタウェイに合っているとは思えないのです。
安田記念に騎乗した柴田善臣騎手が「精神力が世界一だった」とコメントしていましたが、まさにその精神力こそが遠征競馬に必要なもの。
日本国内に押し留めていいような馬ではない。今や世界各国のレースから出走オファーが来ている状況でレースも選びたい放題です。
そんなレースの使い方を「リアルウイポ」(ゲーム『ウイニングポスト』の世界じゃねーんだぞ!)と批判する人もいるでしょうが、
それが可能になりそうな一世一代の馬が目の前に居るのに、使わないなんてもったいないにも程がある。


もう少し現実的な落とし所としては、種牡馬入りする予定地域の主要レースを目標に使うことです。
上でも書きましたが日本国内で種牡馬入りするのであればそこまで遠征する必要もありません。凱旋門賞くらいでお茶を濁すのが一番いい。
しかし世界の馬産地を相手にするのであれば日本国内に留まっていても価値は上がりませんし、凱旋門賞では物足りません。
サラブレッドの生産頭数は1位アメリカ合衆国、2位オーストラリア、3位アルゼンチン、4位アイルランド、日本は5位です。
種牡馬の価値を高めるのであれば繁殖入りする国の大レースで活躍するのが一番です。


アメリカは芝がダートより下に見られる傾向にありますがエクリプス賞に選ばれるくらいの活躍をすれば種付け頭数は集まるでしょう。いけるいける。
サンデーサイレンスの孫にあたるジャスタウェイの仔がダートで走れないとは思えませんし、必ずダートで活躍する産駒が出てくると思います。
オーストラリアは秋にコックスプレートコーフィールドカップメルボルンカップなど芝長距離の大レースが軒を連ねています。
日本とは縁遠い印象のある南米競馬ですが、だからこそ挑戦のし甲斐がある。カルロスペレグリーニ大賞を勝てたら……妄想が広がります。
アイルランドは欧州における生産の中心地であり、世界的にも認められる馬産地です。
いっそ凱旋門賞だけでなく、アイルランド、イギリス、ドイツなどを転戦して各地の大レースに挑戦してみてほしい。
http://jra.jp/news/201405/052702.html
素晴らしい機会に思われたアイリッシュチャンピオンステークスは回避が決定していまいましたが、他にも招待されたらどんどん行きましょうよ。
イギリスのチャンピオンステークなんてなかなか良い舞台じゃないですか。種牡馬価値は間違いなく上がりますよ。
宝塚記念からの凱旋門賞: 日々の覚え書き


日本に比べて賞金の安いレースもあるでしょうが、そこはほら、引退して種牡馬入りすれば大金が入ってくるんでしょ。暫くは我慢しましょうよ。
ダーレーでもクールモアでもカタールの王族にでも、一番高い値を付けたところと交渉すればいいんです。
日本は時代とともに海外から新しい血を迎え入れて発展してきました。近年その代表例が言わずと知れたサンデーサイレンスです。
日本競馬の近代史はサンデーサイレンスを除いては語ることができませんが、そのお蔭で今や国内ではサンデーの血が飽和状態にあります。
ハーツクライもまだまだ種牡馬を続けるでしょうし……。「海外に出すなんて日本の宝の流出だ」なんて言い出す輩も出てくるでしょうが、
かつて欧米で惜しまれつつも日本の生産者に請われてやって来た種牡馬たちがいました。その種牡馬たちが糧となって今の日本の競馬があります。
競馬の一流国だ、パート1国だとか言われますが、血統の面でもそれに似合うだけにならなければ一流とは言えないでしょう。
他所の国から請われれば涙をのんで送り出すのも一種の「ノブレス・オブリージュ」ではないでしょうか。
本来ならばそれを行うべき天下の社台グループは国内での種牡馬ビジネスに目が眩んでいるのか、一向に一流馬を海外に出そうとはしません。
この大業を個人馬主である大和屋さんに押し付けるのは酷だとは思いますが、個人馬主だからこそ出来ることもあると思います。
今こそサンデーの血を故郷に、世界に返してあげてもいい時期ではないでしょうか。


馬主として所有馬を愛するが故に、自分の目が届く国内に留めて産駒を走らせようとするオーナーは数多くいます。
しかしそれが本当に馬の為になっているとは私には思えません。競走馬の成功がレースで数多く勝つことにあるならば、
種牡馬の成功は産駒が数多く勝利し、また大レースに勝つ仔を生みだすことです。
世界第5位の生産国よりももっと多くのチャンスに恵まれる産地で種牡馬入りさせた方が良いに決まっています。
日本での実績しかない低レーティングの馬ならばそうして国外に出しても多くの種牡馬の中に埋もれてしまうでしょうが、
世界最高レーティングを手にしているジャスタウェイならばその可能性は無限に広がっています。


いつの日か世界の名馬たちの血統表に「Just a Way」の文字が載り、後世の馬好きたちが「カッコいい種牡馬名だな」などと思っている中で、
日本でそれを知っている人たちだけ「それ日本のギャグアニメに出てきた変な爆弾が元ネタだから……プークスクス」とほくそ笑むわけです。
そんな面白い未来見てみたいでしょ。私は見てみたい。アイ、ハブ、ア、ドリーム! アイドリームドアドリーム!!
海外の色んなレースで走らせて海外で種牡馬入りさせる、それが「面白いやつ」なんじゃないかなぁと私は思うのです。


どうかご一考のほどよろしくお願いいたします。敬具。