色々あった天皇賞(秋) - 座布団が行司にクリーンヒット
天皇賞(秋)で物議をかもしたコスモバルク@五十嵐冬樹騎手の斜行と福永騎手の「福島行け」発言。
しかしこちら↓によると福永騎手は真っ向から否定しています。
「ええ、レース後に抗議はしました。伝統のある天皇賞をこれ以上汚してほしくなかったから。“左回りはいつもモタれるんだ”と話していましたが、それは誰もが見て判っていること。そんな癖を制御して走らせるのが騎手の務め。“仕方ない”で済ませては(公正な)競馬はできません。一部で“福島にでも行けばいい”と僕が言ったという記事が載ったようですが、そんなことを言う訳がありません。福島にも競馬場があって、たくさんのファンがいます。福島の競馬ファンを冒とくするような失礼な言葉を口にするはずがないじゃないですか」
これは先日の騎手対談の合い間に私がした質問に対する答。秋の天皇賞で斜行した騎手に対して、福永祐一騎手が“福島にでも行けばいい”と話したとする記事がネット上に掲載された。同時に「福永は何様だ」「ローカル競馬を馬鹿にした発言」といった書き込みがいたるところにあった。冷静な彼らしくない発言だと真偽のほどをたしかめたところ、「そんな失礼な言葉を口にするはずがない」と毅然として私を見据えた同騎手。期待通りの返答に納得しつつも、「(そんな記事を書くことも含めて)それがマスコミだから仕方ない」と続ける諦観を漂わせた言葉が応えた。競馬の本質を追究するよりも誇張や捏造によってスキャンダラスな記事を書いて読者心理を煽る記者が少なくない。競馬マスコミも“どげんかせんといかん”対象のひとつなのが残念である。
http://www.keibado.ne.jp/keibabook/itw/column.html
こちら↓がその発言の元になった時事通信の記事。
怒りをぶちまけたのはコスモバルクに前を2度横切られ3着だったカンパニーの福永。「コスモバルクは毎回、毎回やっている。五十嵐さんはG1に乗る騎手じゃない。(ローカルの)福島にでも行っていればいい。勘弁してくれ」とまくし立てた。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200710/2007102800138
仮に福永騎手が本当に言っていないとすれば、時事通信の明らかな捏造。捏造の中でもかなりひどい部類に入る。
一部表現を変えたり削ったりして編集することで元の発言者の意図とは違う方向に意味を持たせる「捏造」はこれまでも
マスコミが幾度となく繰り返してきたが、「福島にでも行っていればいい」なんて発言もしていない言葉がどこから出てくるのだろうか。
編集のしようがないというか……一言一句作ったとしか思えなくなる。それとも「五十嵐さん、これから一緒に福島の温泉にでも行きましょう」
とでも福永騎手がレース後に言ったのだろうか。それか、まったく別人が発言したのを時事通信の記者が福永騎手と間違えて受け取ったとか?
騎手ルームや関係者の多く出入りする場所にそんな福永騎手のそっくりさんがいたとでもいうのだろうか。
もう一つの疑問は、なぜこれまで福永騎手が黙っていたのかということ。
これだけ騒がれていて、これまで本人がそれを知らなかったとは考えにくい。なぜもっと早く発言を否定しなかったのか。
もし本当ならば時事通信に抗議した上で記事を撤回させ、謝罪文を載せるよう要求して、それを拒否されたら名誉毀損で訴えてもいいくらい
重大な捏造だと思うのだが、今までそういう話はまったく聞かれない。実際まだこうやって時事通信に記事が残っている。
さらに今回のこの発言否定も、騎手対談という席上でコラムに載る程度に「そっと」口に出したような感じ。
本当に否定したいのならばもっと大々的に大きな所に言っていいんじゃないのか?
結論としては、私は福永騎手は本当に発言したんじゃないかと思っています。
レース後興奮収まらずまま思わず本心を口走ってしまうことなんて誰しもあることじゃないんですかね。
五十嵐騎手に対しては他の騎手たちも批判的だったし本人も反省していたように、決して褒められる騎乗ではなかったのは事実ですし、
ここであえて発言を否定するのは不自然な感じがします。むしろ発言撤回ならまだ分かります。
「ちょっと言い過ぎた、ごめん」ということならば誰もが納得したと思いますけど、「発言していない」というのはねぇ……。
福永騎手と時事通信、どちらかが嘘をついている、とは言いません。ニュアンスの違いで誤解を生じることはいつだってあります。
もしかしたら本人に記憶がないのかもしれませんが、「言った記憶がない」じゃなくて「発言していない」ってのはどうも違和感を感じます。
参考:武幸四郎騎手の場合
http://game.goo.ne.jp/contents/news/NGN20021202exp01/index.html