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コウエイトライが4年3ヶ月ぶりに平地競走に出走

競馬 - サラ系4歳上500万円以下 - スポーツナビ
2005年11月12日に京都の500万下を走って以来となります。総獲得賞金3億8673万円の馬が平場若手騎手限定の
500万下で走るというのですから違和感はありますね(笑)。ま、メルシーエイタイムなどが毎年JG1前の叩き台に
平地を使うことがありますしそう不自然なことではないのですけど。平地時代に初勝利を挙げた条件と同じ
ダートの1700m。障害をこなしてきたことがプラス材料に働いて平地でも好走したら面白いんだけどな。


平地に出てきたのは恐らく阪神スプリングジャンプに向けて一叩きしたかったためでしょう。
1月の牛若丸ジャンプステークスで1年以上の休養明けから4着に好走。次の春麗ジャンプステークスでなら
勝てるだろうと思っていましたが、除外で出走できず。前にも説明しましたが今年から障害オープン競走は
除外馬に対する優先出走権が与えられるようになったため、賞金順で上位でも出走ができなかったのです。
優先順位のお話 | 徒然なるま馬に日暮らし。

(障害)オープンの場合の優先順位は次の通りです。
過去8週間以内に自己条件にて除外をくらった回数が多い馬順。
同じ回数の馬なら賞金の多い順。
残りの枠を賞金順。
未勝利を勝ってから1年、オープン戦で勝ち星のない馬は賞金を半額とし、オープン馬のランクでは一番下に。

コウエイトライ春麗JS(14頭フルゲート)で15番目の出走順でした。14頭が以前からの除外馬だったわけです。

更に、普通の障害オープン戦や特別競走などは、負担重量が牡60キロ、牝58キロ、4歳馬1キロ減(中京の障害まで。そこからは3歳馬2キロ減)、本賞金700万円毎に1キロ増という計算方法があり、
1月の牛若丸ジャンプ、2月の春麗ジャンプ以外にコウエイトライが出走しようとすると、大体15キロ増くらいになるかと。これじゃ重賞にしか使えないですね…

じゃあ普通の障害オープンに出ようとなると、斤量がとんでもないことになるので無理。見ていると、
重賞馬など賞金を稼いでいる馬はどこにも出走できないんじゃないかと思えてきますがそうでもないのです。
http://hietsu.at.webry.info/200811/article_9.html

(2)負担重量の変更
 ハンデ戦の廃止
 J・GII→J・GI勝ち2kg増、J・GII勝ち1kg増(各1kgづつ軽減)
 J・GIII→J・GI勝ち3kg増、J・GII勝ち2kg増(これまでのJ・GIIと同じ)
 小・新JS→上記にプラスして、重賞未勝利馬や400万馬に重量軽減
(中略)
(3)特別・平オープンの負担重量変更
 別定S、SS、SSSの廃止
 別定SA→収得賞金400万円超過馬は、超過額300万円ごとに1kg増
 別定SB→収得賞金700万円ごとに1kg増

これは昨年変更されている内容ですが、ハンデ重賞廃止、重賞やオープンでの負担重量の変更が行われています。
これまでJG1を勝った馬やコウエイトライのように賞金を加算してきた馬は「賞金別定」の重賞やハンデ重賞には
斤量が重過ぎて出走ができませんでした。それがすべて「グレード別定」になったことで、JG1を勝っている馬や
多賞金の馬でも斤量が重くはなりますがJG3の競走まで出走可能となったのです。OP特別の中にも一部には
コウエイトライが出走した牛若丸JSや、登録していたものの出走できなかった春麗JSなどは「グレード別定」戦が
含まれています。逆に言えば、実績馬たちがこれまで出走できなかったレースにも出走できるようになると
いうわけですから、まだ実績の薄い馬たちの出走枠が足りなくなる可能性がある。だからこのOP競走における
除外馬に対しての優先権ができたのでしょう。そういう意味ではこの仕組みも理解できなくもないわけです。
しかもハンデ重賞までなくなっているわけですから。JRAは「実績馬は重賞へ、実績のない馬はオープン競走へ」
という仕分けをしたかったのではないでしょうかね。重賞挑戦はオープン特別で成績を収めてからにしろと。


しかし弊害も起きてきている。コウエイトライはまだしも、重賞未勝利馬の中でも前走オープン勝ち馬や好走組が
除外馬が優先されてしまったことで出走できなかったのです。例えば春麗JSでは牛若丸JSで3着だった
ショウリュウケンや、前走障害OP勝ちのホウライブライアン、ペガサスジャンプSを勝っているものの実はまだ
重賞未勝利の中山大障害3着馬オープンガーデン、同じく重賞未勝利ながら好走実績のあるビコーフェザーなど
出走していれば間違いなく売り上げが伸びたであろう面子が除外の憂き目に遭っています。この状況では今後、
平地重賞と同じ除外問題に発展してしまいます。「除外権利を得るための登録」です。
除外になりたいがための登録 - 座布団が行司にクリーンヒット
もっと障害競走を増やせば問題解決なのですが、障害競走を縮小し続けているJRAがそんなことをするはずもなく、
抜本的な対策を打ち出せていないのが現状です。付け焼刃の規定を積み重ねるだけでは解決しないでしょう。