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「カシノ」上位3頭独占!熊本生まれのカシノデュークが重賞V/霧島賞・佐賀 | 競馬ニュース - netkeiba.com
九州市場出身馬【カシノデューク】が「霧島賞」を優勝! - 【サラブレッドセール(せり市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.com(動画があります)
1番人気に推されたのはトライアル「えびの特別」を勝ってきたカシノエルフでした。
続いて2番人気に1000万下特別で好走するカシノランナウェイ、「大隅特別」勝ちのカシノデュークは3番人気。
上位人気はいずれも1000万下に格付けされている柏木務氏が所有するカシノの馬で占められていました。
その他のJRA勢はすべて500万下の馬たちで、そこに地元佐賀勢がどこまで食い込めるかという構図。
スタートでカシノランナウェイとダンツレパードが躓き出遅れ。好スタートのカシノエルフとカシノデュークが
行こうとする所にカシノランナウェイが出ムチをくれて強引に前へ。ここでカシノデュークは控える。
外からはテイエムキュウベエが果敢に先行争いに加わって行く。出遅れた4番人気ダンツレパードは控えて後ろから。
3頭が先団を形成していたが、向正面から鮫島克也騎手が気合をつけてカシノデュークがマクリ気味に上がって行く。
ここにおいてテイエムキュウベエは離されてしまい、前のカシノ3頭が完全に抜け出した形で直線へ。
4コーナー途中からカシノデュークが先頭に立つとあとは後続を突き放し、終わってみれば4馬身差の楽勝。
2着にカシノエルフ、3着にカシノランナウェイで、戦前からの評価の通りカシノ勢が1〜3着まで独占となった。
敗れたカシノエルフは先行できてこの馬の競馬はやれたが、やや前の争いが激しくなってしまったか。
カシノランナウェイは躓きがなくスムーズならばもっとやれていたはず。スタートに失敗して追いかけてしまった分、
最後に力が残っていなかった。結果論だが出遅れてから控える競馬をしていればまた結果は違っていたかも。
上妻輝行(Tien) on Twitter: "霧島賞:カシノデューク二本柳師「相手が強くなってどうなるかと思いましたが、展開に助けられました。距離はこのぐらいがピッタリですね」 #佐賀競馬 http://t.co/VCDGrlegNk"
そして勝ったカシノデュークだが、二本柳俊一調教師は「展開に助けられた」と控えめな弁。
しかし前走の勝ちっぷりは素晴らしかったし、今回も展開の助け以上に力をつけて来ていた印象だ。
2歳夏の小倉ではひまわり賞4着の実績がある。明け3歳時にも一般戦で3着に入るなど好走を続けていたが、
勝ち切れない競馬が続いて障害に転向。障害では3戦して未勝利で、3歳の暮れに園田競馬に移籍した。
C級からのスタートではあったが、ここで5戦4勝2着1回のパーフェクト連対を果たして中央再転入。
ここで以前の栗東・坪憲章厩舎ではなく美浦・二本柳俊一厩舎に転厩している。
JRA復帰初戦では10番人気ながらいきなり2着に好走。地方移籍が良い効果をもたらした。
その後もレベルの高い南関東・川崎の交流戦で2着に入るなど調子を上げ、前哨戦の大隅特別からの連勝となった。
カシノデュークは熊本県・本田土寿牧場の生産、父アメリカンボス母ビーナス(母父サクラローレル)という血統。
母ビーナスの全姉にはフローラS優勝・オークス3着などの実績を持つシンコールビーがいる良血だ。
2010年九州1歳市場において150万円で柏木務氏が落札。佐賀競馬場では本田さんにお話を伺うことが出来た。
意外にも(先代の本田良一氏の頃からも含め)霧島賞は初制覇だったそうで、九州産の大レースを制覇して
喜びもひとしおだったことだろう。本田牧場は熊本県で長年競走馬の生産を続けてこられた古参。
オーナーブリーダーのように自分で馬を走らせるのではなく、生産馬は全てセリ市での売却や
庭先取引にこだわってきた生粋の生産牧場だ。だからこその苦労もこれまで多々あったことだろう。
一方で自牧場に種牡馬を繋養し、独自の配合で挑戦してきた楽しみもまたあったことかと思う。
今年の2歳には本田牧場に繋養されていたダンディコマンドの仔クラウンデュナミスという有力馬がいる。
霧島賞勝利の勢いに乗って、ひまわり賞も勝って夏の九州産馬限定戦完全制覇となるでしょうか。
最後に柏木務オーナーと二本柳俊一調教師の関係についても書いておきたい。
成績の伸び悩む二本柳厩舎に請われて柏木氏が馬を入れ始めてからはや数年。
現在では管理馬15頭中10頭がカシノ冠だ。九州産馬となると美浦から小倉競馬場や佐賀競馬場に
輸送するだけでも一苦労だろうが、今回のカシノデュークなどは小倉に滞在させて調整されてきた。
二本柳師としても様々に工夫を重ねてオーナーの要望に応えようとしている。
ひまわり賞には間に合わなかったがJRAブリーズアップセールで購買された期待馬カシノレントも預けられた。
地方重賞のみならず、いつかはJRAの重賞をこのコンビで勝つところを見てみたいものだ。