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『競馬最強の法則』10月号 田中正一騎手&藤井勘一郎騎手特集

先月の『競馬最強の法則』にて二人の特集記事がありました。ニュージーランドでG1を制した田中騎手、
オーストラリアに所属して活躍するのみならず各国に遠征し、最近になって韓国でG1を2勝した藤井騎手。
オセアニア地区に籍を置き海外G1を制しているお二人ですが、インタビューを見ていると
考え方の違いがあり、個性があって面白かったです。とはいえ同じく海外で活躍するもの同士として
それぞれの活躍はやはりお互いに刺激になっているそうだ。一緒に遊びに行くこともあるようです。
北朝鮮と韓国の国境線 | 競馬騎手修行ブログ 藤井勘一郎 海外ベース日本人ジョッキー - 楽天ブログ


インタビューではまず韓国競馬の話題に。
釜山競馬場では「発馬後100mはまっすぐ走らなければならない」というルールがあるらしく、
そのため位置取りはスムーズで他国・他地区よりもその点は楽なのだという。
お二人とも当初は馬集めに苦労したそうで、さらに「外国人騎手は1厩舎一日2鞍まで」といった制限があるらしく、
思った以上に騎乗できない日が続いたことも。しかし、韓国に先んじて遠征していった内田利雄騎手をはじめとした
諸先輩方のおかげで日本人騎手全体の評価は上がっているそうで、先人たちに感謝していた。


次に地元オセアニアの話に。両国において日本人騎手たちを悩ませているのが就労ビザの問題だ。
オーストラリアもニュージーランドでも就労ビザを得るためにはどこかに雇われているという証明が必要だが、
騎手はあくまで個人事業主であり、ビザが下りるのは難しいという。そのため厩舎などに雇用される形をとるなど
様々な工夫をするそうだが、結局は永住権を取るのが一番無難な方法なのだとか。ただし永住権を取るにも
すべて英語の試験に合格しなければならず、オセアニア地区で腰を据えて騎乗するのは大変なようだ。


ニュージーランドの田中正一騎手 大井での短期免許期間を終える - 座布団が行司にクリーンヒット
騎手詳細データ | 南関東4競馬場 |nankankeiba.com
田中騎手は昨年大井で短期免許を取得して騎乗しましたが、現場の人たちはニュージーランド競馬を知らず、
現地のG1勝利という実績も評価してはもらえなかったそうだ。4月から7月の4か月間で騎乗回数は37回。
ほとんどが人気の無い馬で、1番人気馬には1度しか乗っていない。勝利数もその時の1勝のみ。
日本では欧州や米国が競馬の中心であるイメージがあるためか、オセアニアの競馬は現場でも知名度は低いようだ。


JRA 競馬学校 一次試験終了 | 競馬騎手修行ブログ 藤井勘一郎 海外ベース日本人ジョッキー - 楽天ブログ
ちなみにJRAの騎手試験受験を希望しているのは藤井騎手のみで、田中騎手は「自分は海外の方が水に合う」と言う。
藤井騎手は先日の第一次試験を受験している様子をブログで明らかにしています。数年前から連続で受験している。
来年3月誕生!JRAのMデムーロ 騎手筆記試験が英語OKに― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130807/etc13080713530001-n1.htm
JRAが外国人騎手の通年免許取得に関しての項目を明記した件については、外国に籍を置く日本人騎手に対して
道が開かれるのではないかと期待しつつも、二人はJRAの騎手試験に疑問に感じる点も吐露していた。
例えば「海外において実績のある騎手は騎乗技術試験が免除される」という項目だが、JRAからは
オーストラリアG1勝利や韓国G1勝利については該当しないと返事があったらしく、二人に優遇措置はないという。


過去に海外に籍を置いていた騎手がJRA騎手試験に合格したのは横山賀一・元騎手のみ。
合格できたのも競馬一家の一員であったことが理由なのは想像がつく。
その後海外からの合格者が一人も出てきていない事実もそれを証明している。
日本の競馬界では凱旋門賞への日本馬挑戦の度に賑わったり、世界的な名手であるミルコ・デムーロ騎手の受験で
大騒ぎになるのは分かるのだが、もう少し他地区の競馬についても目が向かれてほしいな感じています。
そこで活躍する日本人騎手や日本人関係者についても注目が集まってほしいと個人的に思います。
あと障害騎手不足の問題についても外国騎手に打開策があるかもしれない。お二人は障害には乗れるのかな?
外国人騎手でも平地・障害どちらにも騎乗できる騎手は日本でもどんどん乗ってほしいなぁ。