オリビエ・ペリエ騎手「凱旋門賞は前哨戦(フォワ賞)使わないと勝てないよ」 - 座布団が行司にクリーンヒット
ジャスタウェイはマイル戦からぶっつけで過去2年以上前のダービーでしか経験のない2400mに挑戦と異例の挑戦。凱旋門賞7勝のファーブル師がマイル戦から凱旋門賞目指すってのはやるけど、それでも間に2000〜2400のレースを使っての参戦なので、ジャスタウェイが勝てば化け物だ。
— Horse Memorys (@horse_memorys) 2014, 7月 23
今年凱旋門賞に挑戦する日本馬はジャスタウェイ、ゴールドシップ、ハープスターの3頭が予定されています。
ジャスタウェイは安田記念からの直行、ゴールドシップとハープスターは先日行われた札幌記念からというローテ。
現地の前哨戦を使わなければ勝利は難しいとされる凱旋門賞。過去の日本勢も好走したのは前哨戦を使った馬のみ。
ジャスタウェイとゴールドシップが凱旋門賞へ - 座布団が行司にクリーンヒット
実際に過去の凱旋門賞馬たちの前走はどこを使っていたのか調べてみました。
年度 | 調教国 | 馬名 | 前走名・結果 | 前走場・条件 | 前走の月日 |
---|---|---|---|---|---|
1998 | フランス | サガミックス | ニエル賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/13 |
1999 | フランス | モンジュー | ニエル賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/10 |
2000 | アイルランド | シンダー | ニエル賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/12 |
2001 | イギリス | サキー | 英国際S 1着 | ヨーク(イギリス)芝10ハロン88ヤード | 8/21 |
2002 | イギリス | マリエンバード | バーデン大賞 1着 | バーデンバーデン(ドイツ)芝2400m | 9/1 |
2003 | フランス | ダラカニ | ニエル賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/14 |
2004 | フランス | バゴ | ニエル賞 3着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/12 |
2005 | フランス | ハリケーンラン | ニエル賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/11 |
2006 | フランス | レイルリンク | ニエル賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/10 |
2007 | アイルランド | ディラントーマス | 愛チャンピオンS 1着 | レパーズタウン(アイルランド)芝10ハロン | 9/8 |
2008 | フランス | ザルカヴァ | ヴェルメイユ賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/14 |
2009 | アイルランド | シーザスターズ | 愛チャンピオンS 1着 | レパーズタウン(アイルランド)芝10ハロン | 9/5 |
2010 | イギリス | ワークフォース | KGVI&QES 5着 | アスコット(イギリス)芝12ハロン | 7/24 |
2011 | ドイツ | デインドリーム | バーデン大賞 1着 | バーデンバーデン(ドイツ)芝2400m | 9/4 |
2012 | フランス | ソレミア | ヴェルメイユ賞 3着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/16 |
2013 | フランス | トレヴ | ヴェルメイユ賞 1着 | ロンシャン(フランス)芝2400m | 9/15 |
以上の結果から見て判断できる傾向は以下の通り。
・前走距離は芝2000m(10ハロン)以上
・前走は9月以降が望ましい(本番まで中2〜3週)
・意外とフォワ賞が少ない
フォワ賞を使った馬からは1992年の2着馬スボーティカ以降、凱旋門賞馬が出ていません。
これは凱旋門賞の3歳馬優勢の傾向がそのまま前哨戦にも現れていると思われます。
過去10年で3歳馬が8勝、最近は牝馬が3連勝中で、牡馬古馬の勝利は4歳だったディラントーマスくらいです。
フォワ賞、ニエル賞、ヴェルメイユ賞はいずれも凱旋門賞と同日、同じ競馬場、距離で行われますが、
フォワ賞は4歳以上、ニエル賞は3歳馬限定、ヴェルメイユ賞は牝馬限定。その為このような結果になっているかと。
日本の古馬の牡が使うことが出来るちょうどいい前哨戦となるとフォワ賞くらいしかないんですよね。
他国のレースから連戦する手もありますが、拠点をその都度変える必要性が出てきますし、そのたびの輸送、
また思い通りのレースに招待されない可能性もあります。アイリッシュチャンピオンステークスに登録のあった
ジャスタウェイは結局回避しましたが、高レーティングを維持しているだけに使わないのはもったいなかった。
凱旋門賞への前哨戦は選り取り見取りだったはずなんですけどねぇ……。
http://jra.jp/news/201405/052702.html
長い休み明けで勝利したのは2010年ワークフォースくらいのものです。
8月中に使ってから本番に進み勝利したのは2001年のサキー、いずれもイギリス馬でした。
データ的に日本馬3頭は10年に一度くらいの確率で勝てる要素はありますが、
その可能性はかなり低いとしか言いようがありません。まぁ、アジアの馬が凱旋門賞を勝ったことすらないのです。
日本の馬が初勝利を挙げるのは案外過去のデータを大きく覆すような馬なのかもしれません。