座布団が行司にクリーンヒット

九州産馬、佐賀競馬、地方競馬、アビスパ福岡を応援しています

オグリキャップ産駒ミンナノアイドルの初仔が誕生

オグリ最後の産駒の子 2年後デビューへ - 競馬ニュース : nikkansports.com
オグリキャップの三回忌法要が執り行われる | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所
オグリキャップ最後の現役産駒アンドレアシェニエが予後不良となり、現役馬がいなくなったオグリキャップ産駒。
母父、母母父としてもJRAに産駒がいない現状。しかし現役時代オグリのファンだった佐藤信広牧場の佐藤信広さんは
一時期話題になったオグリの仔ミンナノアイドルの引退が決まると是非繁殖にと手を挙げたそうだ。

現役時代のオグリの走りに感銘を受け、引退後も「何とかしがみついて」(佐藤さん)1口3000万円のシンジケートにも入ったほど思い入れが強かった。その血脈を残したい。一ファンとしての思いが原動力だった。「いまさらオグリと思われるかもしれないけど、やっぱり好きなんです。収支決算だけが生産じゃない。子は走らなかったけど、孫でオールドファンが喜んでくれないかな」。夢の続きを託した。
 牧場にはこの1年で20人ほどのファンが見学に訪れニンジンやリンゴも幾度となく送られてきた。「自分もファンだったから、そんな人たちに喜んでほしいんですよ」と繰り返す。生産もファン目線だった。芦毛の肌馬に栗毛の父をつけると芦毛が生まれる可能性が大きい。「オグリと同じ芦毛だったら、ファンは喜ぶと思って」。交配相手にゴールドアリュールを選んだのはそんな理由からだ。牧場にはオグリの初年度産駒、クルジェアムール(牝20)も繁殖として在籍。ミンナノアイドルは今年カネヒキリをつけて不受胎だったが、クルジェアムールはブラックタキシードとの子を受胎した。

佐藤さんの仰るとおり、理屈ではない。オグリほどの馬の血を絶やしてはならないというファンとしても気持ち、
それは生産者としての矜持でもあると思うのです。人気の血統、売れる血統を集めてセリで高く売るという
合理的なやり方は決して間違いではないけれど、生産者にはどこかにポリシーを持っていてほしいですよね。
全員が全員同じような思考をして同じような配合の馬ばかり生産する世界であってほしくない。
もっと個性的な牧場がどんどん増えていってほしいものです。それがいつかJRAの売上げにも繋がってくると思う。


実はこの話、二年前の『Gallop』にも取り上げられていた。オグリキャップのファンは佐藤さんだけではない、
「オグリがいたから馬主になった」という人もいたという。それが魚住啓市さんだ。
20歳前に山形から上京してオグリと出会い、「いつか馬主になる」という夢を20年がかりで掴んだ魚住さん。
佐藤牧場の馬を魚住さんが購買した時から付き合いが始まり、後に佐藤さんは魚住さんが熱狂的オグリファンだと知る。
「もうオグリの仔は持てないですよね」とため息をつく魚住さんに「オグリの孫ならうちにいますよ」と佐藤さん。
それが上記記事にもあるクルジェアムールだった。2008年度産の父キングへイローの仔を買った魚住さんは
購入段階から繁殖入りを考えていた。「オグリの血を残せる」「必ずどこかで大きな花を咲かせたい」と。
フライフォアユー | 競走馬データ - netkeiba.com
そうして名付けられたのがフライフォアユー(あなたのために羽ばたく)という馬名。
昨年の12月以来走っていないが、どうしているのだろうか。繁殖登録はされていないようだが…。


佐藤さんの話は続く。ミンナノアイドル引退時、佐藤さんが役員を務めるローレルクラブの役員会にて。
役員の中で繁殖牝馬として希望者がいれば優先することになった。「オグリの繁殖なんて」という生産者もいた。
佐藤さんも正直迷ったそうだ。「家族と相談するから、一晩待ってくれ」。家族は賛成してくれた。
佐藤さんは話す。「ほかの生産者には笑われちゃうかもしれませんが、こういう生産者がいてもいいでしょう。
母の父として強い馬をつくって、見返してやろうと思っています。どの種馬をつければファンに喜ばれ、
強い馬をつくれるかな、って今から楽しみなんです。」こういう生産者がいる限り、ファンは競馬を愛し続けると思う。