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「タップダンスシチーが行方不明に」という話について

タップダンスシチーが種牡馬引退 | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所
http://takahiro.com/zakki/648.html
http://takahiro.com/zakki/652.html
タップダンスシチー(USA) | 馬・牧場・施設検索 | 競走馬のふるさと案内所
種牡馬を引退後、ノーザンホースパークで乗馬になっていたはずのタップダンスシチー
天栄ホースパークに移動した後の行方が分からなくなっていたようですが、とりあえず安否は確認できたようです。
よかったよかった…という話でもない気がしますね。今回の行方不明騒動には色々と問題が見えてきた気がします。

先方「あの馬もいったん乗馬に下りたわけですよね、乗馬には乗馬の人生…いや人じゃないから馬生か(軽く笑う)、あるじゃないですか。おわかりですよね」

http://takahiro.com/zakki/648.html

現在個人牧場に繋養されていて見学不可能と競走馬ふるさと案内所HPにあるように、それが事実なのでしょう。
そしてこういう個人牧場(あるいは大学馬術部など)では、ファンの見学を断っているところが多いです。
大牧場ならまだしも個人牧場では見学者にいちいち対応しきれませんし、本当に乗馬として欲しいだけならば、
観光牧場でもなければ見学者を受け入れる必要性もありませんからね。だから現役時代の人気馬などは
あえて名前を隠して(変えて)乗馬としての馬生を歩ませているところは少なくはありません。


ただ、これがごく普通の競走成績を残したサラブレッドならばそれで良かったのかもしれません。
でも今回はG1を2勝もした名馬・タップダンスシチーのことだから問題なのです。
そもそもの話として、こういう名馬を「見学不可能」の個人牧場に下ろしちゃいかんでしょ、ということです。
ノーザンホースパークが許可したのかは分かりませんが、仮にこの牧場が乗馬を探していたとしても、
そこでなぜタップダンスシチーを選択するのか。「行方不明に」と話題になってしまう予測は容易につくはずでしょう。
こちらのブログの方が見学したいという思いで方々を探し回ったことでこうやって表面化しましたが、
もしかしたら行方不明のままだった可能性もあります。実際にそうやって重賞・G1実績馬が人知れず行方不明になり、
近年、BTCの「引退名馬繋養展示事業」でひょっこり出てきた例もいくつかありました。当然、それぞれの牧場で
大事にはされていたのでしょう。しかし、G1級の名馬が行方不明扱いされていては日本の競馬界としてダメだと思います。
それも元種牡馬で一度は天下の社台グループであるノーザンホースパークに繋養されていた馬が、ですよ。
行き先の管理くらいちゃんとして、公式に発表しておけよと。仮に牧場の都合でタップダンスシチー
新たな行き先を探すことになったとしても、元出資者などに呼びかければ絶対に手を挙げる人はいたはずです。
私の知り合いには未勝利で終わったような元出資馬の余生をも手厚く見てあげている人がいますし、そちらの方が
元出資者とっても幸せになったことでしょう。今回の騒動は元出資者やファンの気持ちをも無碍にしています。
そしていまだに優駿ホースクラブからは公式発表されていませんし……一体何をやっているんだか。


BTCの「引退名馬繋養展示事業」は本当に素晴らしい事業でした。前述したように過去の名馬たちの行方が
突然分かった例も多くありましたし、助成金を出す代わりにファンが希望すれば見学させる義務がありますから。
BTC「引退名馬繋養展示事業」 月額助成金が1万円減 - 座布団が行司にクリーンヒット
しかし去年から助成金の額が1万円も減額され、さらには助成対象馬が14歳以上に引き上げられました。
これでは今後さらに行方不明馬は続出するでしょう。減額についてはBTC(財団法人軽種馬育成調教センター)の
財源不足ということで仕方ないのですが、こんな大事な事業なのですからBTCに任せずにJRAが自ら行うべきでしょう。
JRAはファン獲得の為に色々とお金をかけていますが、功労馬への助成もその一環と成り得ると思うのですけどね。
カンパニーの父ミラクルアドマイヤ、乗馬になれず行方不明に - 座布団が行司にクリーンヒット
それでもミラクルアドマイヤのような現役時代に成績を残していない馬はこうした助成金の対象外になります。
種牡馬としてG1馬を輩出したような馬でも、乗馬にすらなれないのであれば、その後の運命は悲しいものです。


種牡馬オファーが来なくて引退できないブルーコンコルド - 座布団が行司にクリーンヒット
ブルーコンコルドが引退 乗馬に - 座布団が行司にクリーンヒット
ブルーコンコルド種牡馬になれなかった時にも感じたのですけど、馬主の力というのは大きいなと。
ブルーコンコルドは確かに血統面や、地方交流G1ばかりを勝っておりそこが評価されなかったのかもしれませんが、
それ以上に馬主がクラブ法人だったことで、個人馬主などのように馬主〜牧場間などで「渡りを付ける」ことも
できなかったのかなと。タップダンスシチーもまた種牡馬引退後ノーザンホースパークに移動したものの、
そこで完全に所有権が浮いてしまって今回のような騒動になってしまった気がします。
仮に個人馬主所有であれば移動する時点で馬主自身に連絡が行っているはずですからね。
クラブ法人は競走馬の余生についても本気で考えなければならない時期なのではないかと思います。
出資者にすべてを放り投げるのもどうかと思いますし、引退馬余生の体制作りも考えるべきではないかなぁ。