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九州トレーニングセール(2歳)が行われる

JBBAのサイトには取引成績、馬市ドットコムには上場馬の走破タイム、同ブログには写真が置いてあります。
http://www.jbba.jp/seri/2006/0508kyushu.html
http://www.umaichi.com/search/kyuusyuu_sale.html
http://blog.goo.ne.jp/umaichi_news/e/32c3dde5619915d3ea9ec04681b2b650
5月8日、JRA宮崎育成牧場において鹿児島県軽種馬協会の主催で九州トレーニングセールが行われた。
上場頭数は33頭(牡8頭、牝25頭)、売却頭数は20頭(牡6頭、牝14頭)で売却率は60.6%。
売却総額は43,995,000円。いずれも去年よりも下降したが、平均価格は2,199,750円で去年よりも上昇した。
昨年参加して30頭も購入していった果川馬主クラブが今年は不参加だったことが大きく影響した形だ。
しかしこれでも例年に比べれば好調といえる結果だった。
やはり去年のレコード実績が多少今年までも影響したのではなかろうか。
なお佐賀競馬荒尾競馬から騎手が数名、馬を走らせるお手伝いに来たようだ。北村欣也騎手など。


去年以降、九州内だけでなくその他の地域(主に北海道)から上場に来る生産者が増えたことも良い傾向だ。
その年で最も早く開催される2歳セールはこの九州トレーニングセールだ(JRAブリーズアップセール除く)。
馬産地でもまだまだ不景気であるご時世、とにかくセールに出して売却したいという生産者にとって
遠く離れた九州であっても上場したいということだろうか。今でもまだ生産者の手元にいるということは
1歳時にセールに出して売れ残った、出せない事情があった、などのケースも多いだろう。
ちなみに今年、これから2歳馬セールはあと3回行われる。
競走馬市場への上場にかかる馬の輸送費はJBBAが負担しているらしいから、
これからも九州以外から上場してくる馬は続きそうだ。


今年も韓国からの購買者はあったが、前述の通り果川馬主クラブの不参加が大きく響いた。
これからは、購買者を安定して維持するためにはこれら韓国からのお客をガッチリと固定させる必要がある。
去年は釜山競馬場オープンということで購入が多かったわけで、今後も韓国から毎年やってくる保障は無い。
今回はKRA韓国馬事会の4頭だけ。これが0になるか増えるかは関係者の努力次第だろう。(偉そうに)
現在韓国購買者が参加する日本のセリ市はここ九州だけだ。
これは、九州が韓国から最も近いという地理的要因だけではない。九州産馬は非常に安いのだ。
韓国の購買者は購入の金額にある制限を設けている。「上限は200万円前後」というものだ。
これは韓国の法的な理由があるらしい。それだけでなく、高い馬は金銭的な理由で買えないのだろう。
競馬の分野では韓国は国際的に見て大きく遅れている。日本と比較してもその状況は否めない。
競馬場も競馬そのものもまだ規模が小さいから、あまりにも高額な馬は購入できないし、敬遠される。
しかし「200万円前後」となると日本のセリ市で上場される馬の中では数が限られてくる。
種付け費だけでもそれ程になる種牡馬などはザラだ。その点で九州産馬は安いので、購入しやすいのだろう。
安価な九州セールが逆に功を奏した形になっているわけだ。この利点を活かさない手は無い。


また、九州は温厚な土地柄であることが思わぬ好影響を引き起こしている。それが若駒の育成だ。
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&no=5152
こちらのコラムでJRAブリーズアップセールのことが書かれているのだが、
JRA宮崎育成場の利点について評価されている。温厚な気候のおかげで育成が順調に進められるというのだ。
北海道の育成場は冬場、寒波の影響で思うように調整が進められないことが多いらしい。そのため欠場も多い。
育成場としての評価が高まれば、九州で育成してそのままセールに出す、という循環が生まれるかもしれない。
以前に比べて九州も馬産を行う人は減っている。またその多くは育成に転換している。
育成場として成功すれば波状効果で生産の方にも良い影響が出てくれるのではないだろうか。


昨日、ホッカイドウ競馬の札幌開催の新馬戦でインパーフェクトという馬が出走しかなりのタイムで圧勝した。
この馬はあのラフィアンの岡田氏所有のナリタトップロード産駒で、青森産馬なのだ。
北海道産馬にも負けない馬作り。九州産にもあんな馬が出てきてくれたらな……と思う。
そう願って今年も、もうすぐ2歳馬のデビューを迎えます。


(追記)
と、ここまで書いてみてもう一度取引成績表を見直してみると、上場馬33頭中、九州産馬
たった7頭しかいないんですよね…。26頭が他地区からの上場馬。(間違ってたらすみません)
7頭中6頭が売却されているから大成功ってことも言えなくもないが、九州セールなのにこの数は少々寂しい。
これはそもそも九州での生産頭数が減ってきていることが大きい。右肩下がりである。
1歳セールで既に買い手がついている馬もいるし、生産者=馬主で、自分で走らせようという人もいる。
この時期に7頭しか上場されなかったのは当然と言えば当然かもしれないが。
やはり九州での生産自体が上向きにならない限りはセールも活気が出ないんだろうなぁ。
頼りのテイエムさんはすべて自分の馬主名義で走らせるからな…。
このままだと九州セールに1頭も九州産馬が出ない、という状態になりそうで恐怖感を覚えています。