座布団が行司にクリーンヒット

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南九州牧場めぐり

鹿児島、宮崎、熊本の牧場を巡ってきました。
新しい情報が手に入り、満足しています。たくさんの馬たちにも出会えましたしね。
今回は特に初めて行った牧場などを中心に書いていこうと思います。


前回の旅行記
九州の競走馬生産牧場めぐり - 座布団が行司にクリーンヒット

鹿児島編

鹿児島の牧場めぐり - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

JBBA九州種馬場

柵をがじがじするイシノサンデーさんと「お前なんて知ったことか」といつも飄々としているダンツシアトルさん。

サイレントハンターが北海道へ行き、イシノサンデーが新しく九州に来ました。ダンツシアトルも健在。
今まで行った時は厩舎の中に入っていることが多かったのですが、今回は放牧中でした。
また違った姿を見ることが出来てよかったです。ブルバードライジンもいましたよ。


この後はもちろんニルキング牧場に立ち寄りヒカルイマイのお墓参り、仔馬たちも見てきました。
ノースサンデーの仔、フォーティサンデーが繁殖入りしています。去年産んだ初仔はダンツシアトルとの仔。
北海道に行ってしまったノースサンデーの代わりに頑張ってほしいものだ。
ヒカルイマイが見守る「ニルキング牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

小園孝一牧場

九州種馬場やニルキング牧場と同じ野方にある牧場ですが、生産をされてなかったので見に行ってませんでした。
去年くらいから生産を再開されたみたいで見に行ってきました。基本的には育成、休養牧場のようです。
佐賀の有名な馬主さんとこの馬がいましたよ。立派な坂路などもありました。

右は、去年生まれたアドマイヤコジーンの仔。隣にいるのは母親……じゃないの!? なぜ一緒にいるんだろう。
どうやら今年から繁殖生活に入る予定の牝馬らしい。恐らく子育ての練習のためじゃないかなぁと思います。
こちらの牧場はこれから繁殖牝馬を増やす予定だそうでとても楽しみにしています。

吉永ファーム

種牡馬入りしたカオリハイパーがいると聞いて見てきました。

中央時代は1000万下を勝った馬です(吉永正人厩舎)。スピードや能力は高いものがあって、
さらにその血統にほれこんで現役時代からずっと種牡馬にしたかった馬だったらしいですね。
ただ中央を抹消になったのが既に種付けの時期を過ぎた8月頃で、そのままにしておくのももったいなくて
1年間佐賀で走らせることになったそうです。そして去年の春に引退し種牡馬入り。
いい体をしていましたし、血統もいいですから種馬としてこれから楽しみだと思いますね。
去年は上記の小園牧場の牝馬など、5頭ほどに種付けしたそうです。


次は釘田ファームで釘田さんとちょっとしたお話。どうもありがうございました。
伊東牧場では皆さんお忙しそうで馬を見るだけになってしまいました。ここは休養馬、育成馬が多いよなぁ。
コウエイトライのこととか聞きたいことがあったんだけど、次の機会ということで。
霧島賞馬ターボフラッシュのふるさと「釘田ファーム」 - 座布団が行司にクリーンヒット
コウエイロマンの故郷は大きな育成場 「伊東牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(いずれも前回)

宮路毅牧場

佐賀初のフサイチ馬、フサイチボンバイエが繁殖に上がったと聞いていたので行ってみました。
ナイキダンサーも種馬になっているとのことで。大井で活躍し、佐賀や荒尾でも走った馬ですね。

フサイチボンバイエナイキダンサーが来たことで「今まで繋がりの無かった人たちと縁ができた」
と喜んでいらっしゃいました。関口会長や「ナイキ」の馬主・小野さんが「いい馬ができたら買う」と
意思を示しているみたいなんですよね。これからとても楽しみだと、やる気いっぱいでした。

山下牧場

志布志湾沿いは海岸調教で有名で多くの育成・休養牧場が点在しているのですが、その中でも特に有名なのが
山下牧場ではないかと思います。かつてトウカイテイオーも休養に来た牧場で、今もたくさんの馬がいました。

私が行った時はちょうどオースミヘネシー(左)やシンメイレグルス(右)といった馬たちも来ていました。
あと若い方たちが多く働いていて、とても挨拶がいいですね。しっかり教育されているなと感心しました。


そのほか、協和牧場鹿児島分場にもお邪魔しました。今回は茂呂さんとしっかりお話することはできず、残念。
引退したホマレノヘイローと再会することができたのは幸運でした。むちゃくちゃ可愛かったです。

宮崎編

宮崎の牧場めぐり - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

戸田ゆり子牧場

佐賀のA級で長い間活躍したリンデンリバティーと、荒尾で連勝記録を作ったキサスキサスキサスを見てきました。

どちらもおとなしくしていましたよ。どちらも母親としてこれからいい仔を産んでほしいですね。
リンデンリバティーは去年、出産間近の時期に別の馬にお腹を蹴られて(!)死産させてしまったそうです。
とても残念だったとおっしゃってました。その分、今年生まれる初仔が楽しみだということでした。
二匹は仲良しみたいで一緒に歩いてました。あとこちらの生産のクインコンコルドが休養に戻ってきてました。

クインコンコルドは怪我持ちのまま走り続けていたらしいですよ。さすがに今は休養中です。
2ヶ月ほど休ませるそうです。さすがに今年の霧島賞は無理でも、来年くらいは……間に合ってくれないかなと。
たんぽぽ賞に出走するガトリンの話でも盛り上がりました。本番では残念でしたが勝ちあがってくれると思います。
戸田さんと岡元さんと一緒にお話をして、思わず長居をしてしまいました。お世話になりました。

谷川一美牧場

これまでは育成が中心で生産はされてなかったそうですが、去年くらいから生産もするようになったそうです。
育成はJRAの馬などを手がけていらっしゃるようです。この牧場にエスパーアラオがいました。

とても強い馬でしたからねぇ。中央にも遠征して好走しました。
しかし残念ながら「種がつかない」そうで……繁殖牝馬としてはダメなのかもしれません。
なんとか今年の種付けで上手くいってほしいものです。


土屋牧場にも行きました。こちらの生産キリシマスピードがたんぽぽ賞補欠で、結局出走できなくて……。
出走すれば絶対に勝ち負けだったのに残念でした。本賞金が同じの場合、抽選らしいですよ。知らなかったな。
馬産には最高の場所 霧島高原に広がる「土屋牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット
名装蹄師は名生産者でもありました 「田上勝雄牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(いずれも前回)

綾町牧場めぐり

綾町では吉野牧場、川上牧場、綾馬事公苑などを回りました。吉野牧場の馬(だけでなく綾町の牧場の馬)は
馬事公苑で調教しているらしいですね。すごく広いコースですから調教の効果は抜群でしょう。
ぽかぽかとした冬とは思えない陽気に誘われて、ボーっとして長時間過ごしてしまいましたよ。

川上牧場はかつて優秀なアラブを多く生産した牧場でした。「グレートマルゼン号」の看板が誇らしげ。
生産が中断されていましたが、今年あたりからまたサラブレットの生産を再開されるということでホッとしました。
今では綾町唯一の生産牧場に…トウショウヒカリの故郷「吉野政敏牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット

熊本編

熊本の牧場めぐり - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

荒尾競馬場

荒尾競馬場ではたんぽぽ賞を観戦し、後日今度は改めて厩舎内を見学してきました。
『全国地方競馬ガイド』に「見学可能」と書いてあったので思い切って荒尾競馬場に電話して尋ねてみたのですが、
これまで地元の小学生など大人数で見学に来たことはあったが、個人、一人が見学希望したのはこれが初めてだと。
……そうなんですか?それじゃ見学できないのかな…と思いつつさらにお願いしてみると、「いいですよ」と。
一念岩をも通ず。ということは、一般の競馬ファンが一人で荒尾の厩舎に見学に来るというのは私が初?(笑)
いいじゃないですか。私という前例者があれば、後で見学を希望する人も来やすくなるってもんでしょう。


厩舎団地は競馬場の北側にありました。ここから馬や騎手などが競馬場へ向かう時は、
コース向こう正面の背後にある通路を通ってぐるーっと一周する形でパドックの位置まで歩いてくるんですね。
そう考えるとちょっと遠いですねぇ。移動していくだけでかなりの運動になりそうですよ(笑)。
第3コーナーの奥には騎手、馬溜まりがあります。厩務員の人たちが厩舎から馬をここまで連れてきて、
騎手たちに引き継ぎます。そして騎手たちが調教していくんですね。


厩舎団地内はまさに一つの「村」。寮もあるし、厩舎は調教師の一家が住む家になっています。
集会所もあるし、消防団まであるんですよ。ボヤも何度か発生したりするそうで、必要なんでしょうね。
ハイメーカー(画像)の中尾厩舎や、テイエム軍団の多くが所属する平山厩舎など覗いてみました。

実はこの日(金曜日)は厩舎の全休日で、ほとんど人がいない日だったんですね。その分自由に見て回れましたが、
やはり厩務員さんたちがいないと、どの馬がどの馬なのか分からないんですよ。そこがちょっと失敗したかな。
もし見学に行く方がいたら、金曜日は控えた方がいいかもしれません。あ、でも他の日は他の日で問題もあって、
皆さん働いていらっしゃいますから、どうしても入ってはいけない場所が多くなったりする可能性もあります。
忙しくて調教師さんとお話ができなかったり見たい馬が見れなかったりするかも。その点は承知しておいて下さい。


最後に行った先が畑田厩舎。こちらでは畑田調教師が馬を出して見せてくれました。
コウセイユキムスメ(左)と、ノースダンシング(右)です。

コウセイユキムスメは好きな馬なんですよ。レースに出るとその白い馬体がすごく目立って、綺麗なんですよね。
とても大人しくて撫でさせてもらいました。飼い葉も食べさせることができて嬉しかったです。


ノースダンシングは九州産馬、佐賀から移籍してきたばかり。霧島賞を目指して4月頃から使い出すそうです。
畑田調教師は「この馬で霧島賞を取る」と断言。かなり期待を寄せているみたいでした。楽しみです。
ノースは結構気性が激しくて、すぐに噛もうとします。畑田調教師に教えてもらったのですが、こういう馬には
掌をパーで思いっきり開いて口元に持っていけば、絶対に噛まないというのです。
馬の口は人間の掌(パーの大きさ)よりも大きく開ける事が出来ないので、物理的に噛めなくなるんですね。
なるほど、と思いました。エサをやる時もかならず手をパーにしてあげないといけないそうです。
また、馬が撫でられて気持ちの良い場所は、目の上とアゴの骨だそうです。知らなかった…勉強になりました。
こういうお話は調教師の方に直接聞かないと分からないことですからね。いい経験になりました。
この時ちょうど福山競馬場で薬物が出たというニュースが舞い込んできたんですよ。笠松もらしいですけど。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2007/02/09/08.html
http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20070209040.html
そしたらそれを聞いた畑田調教師が「モルヒネ?…はっ。」と一蹴して失笑。「笑止!」っ感じで(笑)
それを見て、ああ、荒尾競馬場は大丈夫だなと思いましたね。小さい地方競馬場でもやらない所はやらないんです。


皆さんも荒尾競馬場に見学に行ってみてはいかがでしょう。必ず事前に連絡が必要です。
土、日曜日も見学可能なので、皆さんも行きやすいのではないでしょうか?

片山牧場

荒尾市内にある片山牧場、快速馬ベルガモットシールが引退して牧場に戻ってきていました。
まだ競走馬らしい体つきをしていますが、これからは繁殖として頑張ってほしいものです。
なんでも今年は千葉まで行ってロドリゴデトリアーノを種付けしようかと計画中なんだそうです。

画像左は繁殖牝馬たち。黒鹿毛ベルガモットシール鹿毛はタマノセイフウなど。
右はナセの全弟。体は小さいですが、動きはピカイチだそうで、こちらも期待しているとのことでした。
九州競馬にトップクラスの馬を輩出し続ける 「片山軽種馬牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

山口隆介、山口牧人牧場

お二人はご兄弟、ほとんど隣り合って牧場があります。隆介さんの牧場の方に種牡馬トーヨーシアトルがいました。

トーヨークラブから3年間の約束で預かることになったそうで、今年がその3年目。来年以降はどうなるんでしょう。
山口隆介さんはかつて中央競馬の厩務員をされていたそうです。昔の血統に関する知識がすごいですよ。
血統について詳しい方がいたら、山口さんとお話したら楽しいんじゃないでしょうかね。私は未熟でしたが…。


山口牧人さんの牧場はかつてサンキリコがいた所ですね。種付け終了後、放牧地に戻したら突然バタリ。
高齢馬の死亡要因に多い心臓発作だったそうです。こればかりは天寿だったんじゃないかと思いますね。
こちらは肉牛の生産もされているのですが、今和牛が人気でとても高く売れるんだそうです。
一方、サラブレッドは幾らで売れるか、売れないか、計算が出来ません。
「牛の方がラクだけど、馬は夢だから。」とおっしゃっていました。夢は抱いていなくちゃいけませんよね。

本田牧場

なんだか私が行く度に牧場が色々と変化しているんですが(笑)。全部本田さんの手作りだというのが凄い。
さらに今後は本田牧場のホームページを作って、生産馬を紹介したりしたいそうです。
あと日経新聞に載っていた松永幹夫騎手の記事をコピーして渡しておきました。知らなかったそうです。

写真はデュラブ。こちらに来た当初は痩せ細っていたそうですが、ここまで回復しました。
やはり北海道で実績があるだけに、熊本の生産者の方々もデュラブへの信用というか信頼は厚いものがあります。
熊本の地から全国へ 「本田土寿牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

竹原牧場(仮)

竹原さんが美里町という所に新しく牧場を作っていらっしゃると聞き、行ってきました。
昔工場だった場所を改造して作っているそうです。屋内に馬場があるのがすごいなぁ。

右は休養に来ていたミラクルフォースです。さらにこの場所以外にも、山あいの採石場がある場所に
新たに坂路を作る計画があるとか!すごいすごい。そこにも厩舎を建てる予定だそうで。力を入れてますねぇ。

上野育成場

こちらには小林良助さんのシンコウスプレンダ産駒や、竹原さんの馬などを預かっていらっしゃいました。

ラクルフォースの下(画像右)もいました。これは結構楽しみなんだそうです。あと、
カミノチカラもこちらで育成された馬なんですよね。現在6連勝中。ポンポンと勝ち上がっていくと思います。
あの名馬も実はここの出身 「上野育成場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

坂本トニアシュタール

私が行った時はちょうど若駒たちを調教している最中でしたので、見学させてもらいました。
しっかりと見たことが無かったので、勉強になりました。こうやってやるんだなーって。
それと、オンゾーシが戻ってきていました。しっかり立て直してあげるそうです。

こちらは休養牧場として実績を残されている牧場で、「ウチに任せてもらえば完璧に仕上げるよ」と
おっしゃってました。どうですか、佐賀や荒尾の馬主の皆さん、坂本さんは信用できますよ。
育成部門でも実績を残す 「坂本トニアシュタール」 - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

村山牧場

新たに生産を始めた牧場です。社台やノーザンファームといった牧場から良血の牝馬を受け継いでいます。
その血統を見ると、セールで数千万円で売れたような馬の近親だったりするから驚かされます。すげぇ超良血。

さらに村山さんは「どの親の馬が売れるか」などデータを集めて、その配合でセールに出そうと考えています。
その生産、配合方法などには非常に感心させられます。これから楽しみな牧場の一つですね。
九州生産牧場の期待の新星となるか 「村山光弘牧場」 - 座布団が行司にクリーンヒット(前回)

その他

宮崎田野場外発売所

行ってきましたよ。新しくて綺麗でとても過ごしやすい場外でした。
新しいのがこの券売機と馬券、佐賀競馬場本場ですらまだ導入されてないやつです。

当たり馬券を挿入して新しい馬券が買えるやつ、JRAのあのピラピラの紙の馬券と同じやつですね。
その他、宮崎出身の騎手や調教師の紹介など、ならではの営業努力も見られました。
規模も背伸びしない程度でちょうどいいのではないでしょうか。好感が持てました。
さらに無料送迎バスも試走行させるということ。これから益々お客が増えるといいですね。

鹿児島県大崎町荒尾場外予定地


ニューウェーブ大崎』という名前がつくそうです。規模としては田野場外と同じくらい…かな。
大きさを足で計測してみると、佐賀競馬場にあるJRA発売所と同じくらいと思っていただければいいかと。
駐車場は少し多くなるかな。ここ大崎も車以外の交通手段が無い場所だからなぁ…。
都城市と鹿屋市の中間あたりに位置しますが、都城市民は高速道路があるので田野に行くんじゃないかな。
こちらは都城南部および鹿屋市からのお客が中心になりそうです。
建設中の東九州自動車道が開通すればまた違うかなぁ。


というわけで、今回の南九州牧場めぐりはこんな感じです。
他にも行った牧場がるのですが、あえて書くのを割愛させていただいた所もありました。
牧場の皆様方には突然の訪問にも対応していただき、本当に感謝しています。
どうもありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。