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九州1歳市場が開催される

■「九州市場2009(1歳)」結果一覧(高額順、36頭) 2009年6月8日(月)開催
九州1歳市場の上場馬が発表 - 座布団が行司にクリーンヒット
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/101611
ちょっと文章が長くなり過ぎましたかね

売却された主な馬たちの紹介

最高価格315万円で落札されたのは父ロドリゴデトリアーノベルガモットシール(母父ダンツシアトル)の牡馬。
母は佐賀で快速を誇り地方所属ながら霧島賞を制した。生産の片山建治氏はまだ九州種馬場に来ていなかった頃から
ロドリゴデトリアーノに惚れ込み、この配合を実現させようとわざわざ下総種馬場まで種付けに行ったのだった。
スーパーホーネットの活躍で父の評判は高まり去年は九州の生産者の間で大人気となったロドリゴデトリアーノ
片山氏の先見の明が今回の最高価格という結果になったのかもしれない。片山氏はオーナーブリーダーで片山牧場の
馬はとくに最近はセリ市に出てくることが少なかった。他馬主所有となっても地方で走ることばかり。この価格で
馬主が柏木務氏さらに父ロドリゴデトリアーノならば中央所属の可能性も高い。片山牧場生産で中央所属だった馬は
私の記憶には無いし、netkeibaのデータにも無い。実現すればとにかく大ニュースであることは間違いない。


村山光弘牧場生産、父キャプテンスティーヴ母ローブモンタント(母父リアルシャダイ)の牝馬JRAに273万円で
落札された。母ローブモンタントは94年エルフィンS勝ち馬。他に阪神3歳牝馬S2着、桜花賞3着など活躍がある。
これまでの子供たちは結果を残せなかったが、熊本に来て環境も変わって心機一転となってほしいところだ。
村山光弘牧場は生産牧場を始めて数年の牧場だが良血の繁殖牝馬を次々と導入しJRAの眼鏡にかなうまでになった。


デュラブの仔2頭はいずれも本田土寿牧場生産、柏木務氏購買。どちらも210万円だった。ディアグランドの仔は
半兄に中央で勝ち上がったアクセルボーイ(父スマートボーイ)がいる。柏木氏はもう1頭デュラブ産駒を購入、
アスターレディーの仔でトッププロテクターの半妹にあたる。兄弟に中央での活躍馬が多く期待できる。
他にスキャン産駒を徳重実幸氏が購入、これは育成されて来年の九州トレーニングセールに出てくるかもしれない。


ダンツシアトルギオンミスキセキ(母父フジキセキ)を「ダンツ」の冠名で有名な山元哲二氏が落札。
母はノーザンファーム産で、祖母ダイナフェアリー、叔父にサマーサスピションローゼンカバリー
甥にホクトスルタンドリームシグナルがいるという良牝系。父ダンツシアトル那須種馬場に移動してしまい
今後産駒は大きく減ることが予想され、山元氏はダンツシアトルの仔が欲しかったのかもしれない。
そのほかマルカダイシス産駒とイシノサンデー産駒が熊本県馬主会に落札された。

感想

1歳2歳合同で行われた昨年の九州セールよりも総売上、平均価格ともに上昇したのは素直に喜びたい。
また昨年に引き続きJRAの購買があったのも良かった。JRAとしては昨年購入した九州産馬が1000万円超で売れた
(ゲイリーアミューズの07)ことも影響していたのではないか。仮にJRAが育成した馬でも「九州産だから」
という理由で敬遠され売れないようなことがあればJRAはこれからも九州市場に見向きもしなかったのだろうが、
ちゃんと結果を出したことが連続の購買に繋がったのだと思う。もちろん馬自体がJRAに振り向いてもらえるような
体であったり、ある程度の血統背景でなければ買ってはくれないだろうが。そういう意味で持ち込み馬や、北海道に
種付けに行って産まれた仔には今後もチャンスがあるだろうし、九州の種牡馬でも来年以降はロドリゴデトリアーノ
という評価が高まっている種牡馬がやって来たことは九州の生産界にとって大きな励みになるだろう。


http://www.jbba.jp/seri/0608kyushu.html
当初の上場予定は36頭だったが結局29頭しか上場されなかった。欠場馬が7頭にも及んだのは痛かった。
今年は特に欠場馬の中に目玉商品がいたからだ。エディーナの仔はバグパイプウィンドの半弟で、上場されていれば
間違いなく売却されていただろうし、この馬が最高価格になっていたかもしれない。ソングオブウインド産駒の
メジロキャニオンの仔もパリスナポレオンの半妹にあたる馬で、こちらも評価は高かったに違いない。
しかし馬主の皆さんにはこの馬たちの存在は知れ渡っただろうし、必ず庭先取引か別のセールで購買されるだろう。
今回主取りになった馬たちの中にもセールが終わってからも声がかかっている馬がいるはずだ。


http://yosouka.net/cgi/mt/archives/000862.html
今年は柏木務氏が大張り切りで売却馬9頭のうち4頭を購入されています。こちらでは「柏木務セール」と揶揄されて
いますが、確かに購買者が3人と2団体しかいなかったのは確かに問題です。しかしあまり心配はしていません。
購買者名簿には他にももっと多くの名前が連なっていたはずで、様々な理由で今回は購入を見送ったのでしょう。
市場奨励金が出なくなったことでわざわざセリを通して買う必要はなくなりましたからね。セールで買えば消費税が
上積みされるだけですから。セリ市が生産者や馬主にとってただの馬の「顔見世」になりつつある気はします。
購買者を増やすために生産者たちがセリ市に人を呼べるよう、広告に力を入れなければならないことは間違いない。
しかし生産者の多くが苦しい状況の中で、今さら新たな広告戦略を打ち出す暇も労力もお金もあるはずがない。
ただでさえ九州産馬はハンデがある。「九州産は弱い」というレッテル、九州産に関する知識をほとんど知らない
馬主・調教師・関係者があまりにも多すぎるという話を聞いた。関心を持ってもらえず、セールに来てもらえない。
実際に馬を見て判断されるのならまだしも、最初から評価されるチャンスすら少ないのだから。北海道のセールには
飛んで行くのに九州は遠いからなどと最初から目を背けられる。文句を言う前にいっぺん九州まで見に来やがれ
どうぞお願いいたしますと言いたい。ピンフッカーとかコンサイナーとか呼ばれる、1歳や当歳の若駒を購入して
育成し2歳トレーニングセールで高く売る人たちこそ九州セールに来てほしいのだ。九州のセールでは最高価格すら
300万円台なんですよ?素材を安く手に入れるにはもってこいの市場ではないですか。30頭近くの中から選べば
当たりもありますよ。それを見定めるのことこそ彼らの仕事でしょう。JRAがこの方法で大成功しているのですから
もっと九州に目を向ける人がいてもいい。九州の生産界としてもただ手をこまねいているだけでなく、売りたい馬の
情報(馬体の画像や血統)をいつでも閲覧できるページなどは作るべきでしょう。そういう点では九州もかなり
時代遅れな面が多いからなぁ……せめてセールの上場馬の画像に関してはすべて閲覧できるようになってほしい。