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宮崎育成牧場の乗用馬に馬伝染性貧血陽性が確認される

県は、この牧場で1日から定期検査を実施。10日に乗用馬1頭が陽性疑いと判明し、11日に殺処分した。動物衛生研究所(茨城県つくば市)に検体を送り、16日に感染が確認された。貧血などの症状は確認できなかったという。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/16/kiji/K20110316000440360.html

この馬はもともと同県串間市都井岬に生息する野生馬で、昨年3月、宮崎大の研究用として飼育されていたものを育成牧場が引き取った。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110317k0000m040124000c.html

伝貧は家畜伝染病予防法に基づく法定伝染病で、馬属のみが感染する病気。感染すると高熱を伴う貧血になり、ひどい場合は命を落とすが、慢性化して他の馬へと感染する可能性がある。空気感染することはなく、蚊や虻が媒介することが多い。39年のダービー馬クモハタや、47年のダービー馬マツミドリなどが感染して安楽死の措置がとられた。テンポイントの祖母クモワカが感染を疑われたことでも知られる。

http://www.sanspo.com/keiba/news/110317/kba1103170510016-n1.htm

県畜産課によると、馬伝染性貧血は馬特有の病気で、病状が進行すると貧血や発熱などを生じて死ぬこともある。口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザほど感染力が強くないため、ほかの馬を殺処分する必要はないという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110316-OYT1T00854.htm

馬伝染性貧血 - Wikipedia
馬伝染性貧血、いわゆる「伝貧」はかつて日本でも猛威を奮い、競馬界にも大打撃を与えました。
有名なところでは日本ダービークモハタ、マツミドリの殺処分。治療方法が存在しないため感染拡大を防ぐためには
これしか方法がなかったのです。しかし現在では、治療はできませんが予防と早期発見のシステムは劇的に進化。
岩手の農耕馬に感染が見つかって以来18年ぶりに確認という、近年はほとんど発症例のなかった病気でした。
それでも過去の大発生の記憶から、現在でも競馬関係者の間でもっとも恐れられる馬への感染症でしょう。


今回陽性反応が出た乗用馬は都井岬に生息していた野生馬ということだから、国の天然記念物にも指定されている
御崎馬」かもしれない。どういう経路で感染したのかは不明だがとりあえず現時点では陽性はこの馬だけで、
既に法律に基づき処分された。他の乗馬やJRA育成馬などは現段階では陰性だが、伝貧の潜伏期間は2〜4週間ほど
あるので後ほど改めて家畜保健衛生所による清浄性を確認する再検査が予定されているとのことだ。
伝貧は血を吸うハエなどを媒介して感染するため数年前に流行した飛沫感染馬インフルエンザや、他の動物の伝染病
鳥インフルエンザ口蹄疫などに比べて感染力は格段に低い。1頭に陽性反応が出たとはいえ発症はしていないし、
「宮崎の育成馬は全部ダメ」だとか「九州産馬が危ない」とか「小倉競馬開催の危機」などとデマを発信しないように。
宮崎では幾度となく家畜への伝染病騒ぎがありましたが、過去の経験からすると怖いのは風評被害ですからね。


宮崎育成牧場、育成馬展示会を中止、トレーニングセール延期へ | 競馬実況web | ラジオNIKKEI
今回の件により3月28日のJRA育成馬展示会は中止に、3月29日九州3月トレーニングセールは延期となりました。
九州トレーニングセールは昨年も口蹄疫の影響で中止を余儀なくされました。2年連続で普段通りに開催できない
事態になってしまい、九州の生産者にとっては不運としか言いようがない。いまだに宮崎では新燃岳の噴火も続く。
レーニングセールに関しては中止ではなく延期ということなので、後ほど主催者から発表があることだろう。
もしかしたら昨年と同様に1歳セールと同時開催(昨年は結局中止に)という計画になるかもしれない。
レーニングセールは騎乗供覧があるためJBBA九州種馬場では行えず、宮崎育成牧場の沈静化を待つしかない。
あるいは騎乗供覧を取りやめてでも九州種馬場で行うか、小倉競馬場などを借りて開催を行うしかないだろう。
昨年は主催者が「口蹄疫の沈静化を待つ」という判断で延期が続き、結局収束が遅れ開催できず中止になってしまった。
もしかしたら今年は口蹄疫ほどは長引かないかもしれないし、判断の難しいところではあるだろう。
何にせよ、昨年のこともあり今年にかける九州の生産者の気持ちは熱い。なんとか開催してほしいものだ。