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笠松グランプリは佐賀のエスワンプリンス! 地方全国交流競走初勝利

web Furlong 2013【レースハイライト】第9回 笠松グランプリ(結果、動画へのリンクがあります)
11月19日に笠松競馬場で行われた地方全国交流の笠松グランプリJRA勢が出てこない競走ではあるが、
1着賞金が破格の1000万円ということもあって登録段階から豪華なメンバーが顔をそろえていた。


中にはサマーチャンピオン3着のコスモワッチーミーや、ホッカイドウで復帰初戦を制したウルトラカイザーなども
いたのだが、厳しい出走枠のラインから零れてしまった。ラブミーチャンがいなくなったNARの短距離戦線だが、
トップレベルは興味深い面子が軒を連ねている。1番人気に推されたのは地元笠松のエーシンジェイワン。
JRAから移籍してきたばかりで、前走まで中央オープンを走っていた馬だ。しかも衰えての移籍ではなく、
近走2戦連続で5着と好調子を維持したまま笠松にやってきた。人気になるのも頷ける。


そして満を持しての2番人気が佐賀から参戦の エスワンプリンス。昨年の佐賀3歳重賞の三冠馬で、
3歳時に初めて全国の舞台に立った黒潮賞、年明けの笠松オッズパークグランプリでも3着に好走しており、
地元ではほぼ負けなし、全国でも3着2回とまだ一度も馬券圏外の4着以下に敗れたことがないという逸材だ。
ただしこの馬のネックが気性にあることは地元ファンなら知っているところで、なぜか地元の馬体重計には
頑として乗ろうとせず、遠征先の体重計で馬体重が判明するというなかなか困った佐賀のプリンスである。
当日私は現地で見てきたのですが、気性面は相変わらず。普段とは違う笠松パドックでは
騎手や関係者がバスに乗って来るのだが、そのバスに驚いて誘導馬に突進しかけていた。
だがこの馬を分かりきっている鮫島克也騎手は騎乗すると少しおとなしくなることを知っている
パドックに到着後さっさと跨ると馬場に飛び出していった。


スタートではやや出遅れ外から川崎のナターレに詰め寄られたものの、最内を利してコーナーで先行すると、
以降は最後まで交わされることなく逃げ切り。3角から4角でも迫るナターレを外に置いての競馬。
これではナターレには厳しく2着まで。開いたスペースを突いてコアレスピューマが差し込み3着を確保。
ペースは速かったはずだが最後まで息切れすることなく逃げ切った。タイムの1分24秒5は
2002年にヤマカツスズランが計測したレコードまでコンマ2秒に迫る好時計だった。


断言はできないが、全国交流を佐賀所属馬が勝ったのは母エスワンスペクター以来だったかも。
あまり他地区へ遠征しない佐賀から久しぶりに交流重賞を目指せるレベルの馬が出てきた。
地元では暮れの中島記念から佐賀記念へと大レースが続くが、ベストはマイルと関係者は言っている。
2000m戦は使わないかもしれない。前回3着だった年明けのオッズパークグランプリが目標か。
今年も同じ笠松の1400mで行われ、ラブミーチャンもいないとなれば期待も膨らむ。
個人的には年末のハンデ交流重賞兵庫ゴールドトロフィーあたり面白そうだと思うのだが、
今回目一杯走った反動もあるだろうから、無理せずレース選びをしてほしいものだ。