座布団が行司にクリーンヒット

九州産馬、佐賀競馬、地方競馬、アビスパ福岡を応援しています

九州トレーニングセール2016が開催されました

売却成績|九州トレーニングセール サラブレッド 2歳 |JBISサーチ(JBIS-Search)
【九州トレーニングセール2016(2歳)】が開催!(最高額馬はキャプテントゥーレ産駒) - 【サラブレッドセール(せり市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.com
九州トレーニングセール2016 その1 | 佐賀競馬日本一
九州トレーニングセール2016 その2 | 佐賀競馬日本一
九州トレーニングセール2016 その3 | 佐賀競馬日本一
九州トレーニングセール2016 その4 | 佐賀競馬日本一
↑上場全馬の写真が置いてあります。画像が良いのでリンクを貼らせていただきました。


累年成績と比較しつつ今年のセールを振り返ってみようと思います。
累年成績 | 九州トレーニングセール サラブレッド 2歳 |JBISサーチ(JBIS-Search)
売却率は平均的、総売上額が少頭数の割に上昇、最高価格・最低価格が過去10年で最も高く、平均価格も上昇しています。
地方競馬佐賀競馬場)において九州産限定競走の賞金額が増えたことが理由の一つかもしれません。
九州産馬限定競走の新設について | 佐賀競馬日本一
売る側としては近年まれに見る「成功」のセリだったと言えます。……と言いますか、これまでがあまりにも悪すぎたのです。


若駒を飼養する場合の経費は一般的に年間百数十万円と言われています(過去の牧場へのインタビュー新聞記事より)。
当歳からトレーニングセール上場の2歳まで飼育すれば最低でも200万円以上かかるということです。
怪我・病気などがあればさらに上乗せされますし、牧場はそれとは別に繁殖牝馬購入費用、種付け料も当然かかります。
2歳時において100万円台で売却されることになれば牧場としては大赤字です。
北海道のセリでも100万円台で取引される馬はいます。
北海道の牧場が数十頭規模で生産する中、時にはその価格で売らざるを得ない馬も出て来るでしょう。しかし、
年間生産頭数が数少ない九州の個人牧場でその価格で売ってしまうと経営に直撃、まさに死活問題となってしまいます。
そんな取引が九州トレーニングセールでは何年にも渡って続いており、収益が出ないため新たに投資できない悪循環に陥り、
近年における九州産の年間生産頭数の減少につながっています。疲弊した牧場の中には生産を止める所も出てきました。


セール前に販売申込者が希望する価格、いわゆる「お台」(台付価格)が公表されますが、昨年くらい徐々に上がっていました。
これは生産者側なりの自衛手段だったのではないかと思います。その場合「主取り」が発生してしまう可能性は高まりますが、
生産者としてはセールで売れない場合でも自家生産馬として地方競馬で走らせるという手段があります。
「そんなはした金で売るくらいなら」というのが正直な感想なのではないでしょうか。
購買者側としては九州産馬を走らせる場合の費用対効果を考えて出来る限り安い値で競り落とそうとしますが、
20〜30頭の上場馬の中で半数が100万円台(時に数十万円台)のトレーニングセールというのは正直に言って異常です。
お陰で九州の生産者は九州内でのセリ(九州1歳市場、九州トレーニングセール)では高い値がつかないと諦め、
わざわざ北海道のセリに馬を輸送してまで売りに行く例も多く出てきています。
九州1歳市場、九州トレーニングセールへの上場頭数が揃わない要因にもなっています。
今年度の平均価格が適正価格となり、以降の年度も続いてくれることを願います。


評価の低い馬が売れない場合は仕方がありません。
また購買希望者から手が挙がっても売却側の希望価格に満たない場合もあると思います。
その場合は主取り後にセリ外での交渉となるか、生産者自身で走らせることになるでしょう。
ですから今後セールでの売却率はあまり深く考えなくていいのではないでしょうか。
購買者あってのセリ市です。馬主がいなければ競走馬を走らせることもできません。
双方がwinwinの関係にあるセールを目指していく必要があります。
生産者は九州産馬限定戦の充実、そして九州産馬全体のレベル底上げの努力を続けていかなければならないでしょう。


最低価格の底上げはいいことでしたが、お台が高すぎるのも考えものです。
北海道トレーニングセールですら1000万円を超える価格の馬は全体の10〜15%程度。
頭数に大きな差こそあれど北海道からは重賞馬が数多く出る中、九州はOP馬を出すのが精いっぱいのセリだというのは事実。
高額すぎると購買者から「最初から売る気がないのでは」と思われてしまいます。
レーニングセールの体裁が整わない年度は開催を休止するか、1歳市場と同日に合同開催でいいのではないでしょうか。
また頭数が増えた年に単独で行えばいいことです。佐賀競馬場での開催になってせっかく増えた購買登録者に厭きられてしまいます。
毎年2歳馬を売りたい生産者もいるでしょうが、頭数の少ない年度は別の手を考えた方がいいのではないかと思います。