座布団が行司にクリーンヒット

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『アジア競馬会議』はどんな内容だったのか

詳しい中身については確か今週号の競馬ブックに載っていたと思うのでそちらを見ていただきたいのですが、
競馬ライターの須田鷹男さんと、グリーンチャンネルなどに出演しているフリーアナウンサーの坂田博昭さんが
それぞれご自身の日記内に書かれていらっしゃったので、両方を見ながら雰囲気を掴んでみたいと思う。

競馬発展に気合乗るアジア諸国(特にロシア)

競馬の世界にも「エマージング諸国」があって、それぞれに存在感を示そうと、競馬に関わる人々が努力していることもわかりました。
 一昨日も書いたトルコの現状というのは、恐らく多くの日本人の想像を遥かに超えるレベルにあるようですし、そのトルコに10年で追いつきたいと語ったロシアの代表が、「金ならある。とにかく人やノウハウの支援を!」と議論の流れそっちのけで、口角泡を飛ばして訴えていた姿も実に印象的でした。まだこれと言った形がハッキリ見えては来ていないロシアの競馬が、「10年でトルコのレベル」というのは正直かなり難しいチャレンジだと思われますが、実は日本にロシア産の2歳馬が輸入されていてスタンバイしているという話も伝え聞きますので、これから少しずつ存在感を増してくるのかも知れません。
 また、東南アジアも競馬自体の歴史はしっかりと積み重ねてきており、関係者の方々の競馬運営に対する熱意は、言うに及ばず。政治的に賭事自体の立場が厳しい国もあるようですが、その中で披露されたリポート、プレゼンテーションの真摯な中身には、感銘を覚えました。

http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=178058&log=20081114

この日私が傍聴したのは、参加国・準参加国の一部が自国の競馬を紹介するセッション。ベトナム、ロシア、トルコといったところに興味津々。ベトナムはサラの割合が増えているそうで、数年前から一気に近代化へ舵を切った模様(ちなみにそのときに「馬券の売り切れ」が無くなった)。ロシアは「10年でトルコに追いつく」と言い張っていたがたぶん無理。というのも、トルコはけっこうな競馬先進国であるからだ。開催場・開催日数も多いし、国際サイマルをやるくらい進んでいる。
 でもまあ、ソ連時代はワシントンDCインターナショナルにも出走していたわけだし、「とりあえず頑張れロシア」とは言っておこう。

http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=70345&log=20081111

ロシア産2歳馬についてはここでも何度か紹介してきましたが、世界的に見て今一番景気が良いと言っても
過言じゃないのがロシアですからね。あの国はやはり独自で資源があるから強い。原油の値上がりなんかで
経済が傾いたりしないだろうからなぁ。競馬に力を入れる余裕もある。日本もロシアに「投資」することは
将来的に見て悪くないことではないかと思う。とりあえずロシア産馬が今後日本で増えるかどうか。

外国の馬券の発売について

アジアといってもオーストラリアやらなんやら入っているわけで、いくつかの国は国際サイマル発売に対してイケイケな姿勢。一方で日本は「割り勘負けするからイヤ」という感じがアリアリ。その対照ぶりが面白かった。まあ、日本で外国馬券の発売が許可されることは当分ないと思うので、イヤもやりたいもないだろうけど。
 あと、日本はなんだかんだ3兆近く売っている(地方を入れれば3兆どころではない)のにどこか活気がなく、馬券的に潤っているわけでもない国がけっこうやる気なのも対象的である。
 トルコなんて、すでに7箇所競馬場があるのに2010年までにあと3箇所増えるというのだが、この通貨危機の中でだいじょぶなんですかね?

http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=70345&log=20081113

馬券の発売額でいえば世界的も上位の部類に入るはずの日本が、なぜこんなにも売り上げ減少だ赤字だという事態に
陥っているのかというと、やはりコストが掛かりすぎているんじゃないかな。人件費など、他のアジア諸国に比べて
どうしても高額にならざるを得ないのは仕方ないところだが、それにしてももう少し効率よくならないものか。
各国の競馬の性質の違いによるものも大きいとは思うが…。トルコでさらに競馬場が増えるというのはたぶん、
それだけ競馬の売り上げがあるからだろう。かつての日本が各地に地方競馬を作っていった時期のように。
売り上げ額自体は遠く日本には及ばなくとも、利益は(その国の経済的には)大きいのではないだろうか。
国際サイマル発売の温度差も同様に、日本では「売ってもマイナス」であっても他国ならば「売れば儲かる」状況、
という訳ではないのかな? 「マイナスでも売りたい」ということならそりゃ何故?という話だが。

競馬に「賭事から離れたビジネスモデル」はあるのか

http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=178058&log=20081115
競馬産業において馬券の売り上げが大きな柱であるのは言うまでも無い。馬券をいかに売るか、という点でJRA
地方競馬もこれまで様々な努力をしてきた。ただ競馬産業というのはそれだけではなく、その周りに例えば
サラブレッドの生産であったり競馬に関わる仕事の数々、あるいは競馬場周辺経済が潤うという効果もある。
ただしこれらは「競馬」が、馬券の売り上げがなければ成り立たない。全てはそこにかかっている。日本だけ
格好つけて「競馬は賭事だけではない」などと言っている場合じゃないと坂田さんは言いたいのではないかな。
やはり「馬券をいかに売るか」なんですよねぇ。

競馬をめぐる映像メディアについて

http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=178058&log=20081116
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=70345&log=20081112
フジテレビの室長の話で、競馬番組で若い層に視聴率が取れていないから、有名人(芸能人)をMCに採用したら
ちょっと視聴率が上がった、というような内容のことを話したらしい。恐らくかの悪名高い『みんなのケイバ
のことかと思われるが、本当に視聴率が上がったのだろうかというツッコミは我慢していただくとして、
坂田さんがさすがメディアの業界人らしく色々と言いたいことを言っておられます。
大体、視聴率が高くなれば即ち競馬の売り上げに繋がるのかということですよね。その点でJRAの思惑と
テレビ局の考えに差異はあるかもしれない。テレビ局はあくまで視聴率を取りたいのであって売り上げを
伸ばすための番組制作はしてはいないと思う。ただ淡々とレース実況を見るだけなら地方競馬のネット中継
のようにすればいい(その方がいいという人も多そうだが)。地上波という競馬と無関係の人も目に入る、
日本でもっとも大きなメディアと言っていい媒体で放送しているのだから、もうちょっと考えてほしいと思う。
少なくとも『みんなのケイバ』のような番組で「視聴率が上がった〜」と喜んでいるような場合じゃない。