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小田切馬「ギリサントポケサン」 馬名の由来

ギリサントポケサン | 競走馬データ - netkeiba.com
タイヘイ牧場生産、父ディープインパクト母バーンダンス。小田切馬でディープ産駒というのも珍しいというか、
なんとなくイメージと違う印象があるのだが、名前を見ると、ああやっぱりオダギラーだ…となるこの馬。
JRA公式などを見てみると馬名の意味は「ギリさんとポケさん」。……ギリさん? そしてポケさんとは?
『Gallop』を見ていたらその理由が分かりました。吉川良氏のコラム『愉快な競馬ターミナル』にて、
どうやら吉川氏が『優駿』(2011年8月号)で書かれたコラム「ギリさんとポケさん」が由来のようです。
吉川氏は小田切有一オーナーとは面識がなく、この馬名も競馬新聞を見て初めて知ったらしい。


ざっと概要を書くと、吉川氏の競馬仲間に「ギリさん」と「ポケさん」なる二人がいたのだそうだ。
ギリさんはノアノハコブネで馬券を取って以来大の小田切馬のファンで、よく小田切馬券を買っていたそうだ。
ポケさんはジャングルポケットのファンで、まだ若い競馬ファンであるが、老齢のギリさんとはとても「ウマ」が合う
良いコンビで、この二人を中心にコラムは展開されていく。しかし、そのギリさんが不慮の事故で亡くなってしまう。
『Gallop』では「ギリサントポケサン」の名を競馬新聞で見つけた吉川氏がポケさんに連絡した所から始まる。
デビュー戦は10着、「そうそう上手くいくはずがない」と呆然とする二人。2戦目は7着だったが上がり最速。
期待感が立ち上る。そして3戦目、2番人気に推されたギリサントポケサンは中段抜け出しての2着。
馬券は当然取った、G1でもない、たがだか未勝利戦で勝ったわけではない、でも、なぜか涙が溢れて止まらない…。


田切オーナーが吉川氏のコラムを見て馬名をつけたのは間違いないでしょう。デンシャミチの半弟で、
田切オーナーの期待度は高く、デビュー前までバードブレインという至って普通の馬名の予定でした。
10月頃になって馬名変更、ちょうど時期も重なります。自分の所有馬を応援してくれたファンのコンビの名前を馬名に
付けてしまうくらい、その二人に感動されたのではないでしょうか。吉川氏の文章も素晴らしかったんでしょうね。
実際に命名してしまう小田切氏もすごいと思います。過去の馬名の付け方を見ても、馬名におざなりな理由はなく、
深く考えてつけていらっしゃいます。義理と人情に厚い人なんだなというのが伝わってきます。
そしてやっぱり、小田切馬にはバードブレインなんてカッコいい名前じゃなく、ギリサントポケサンの方が似合う。