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地方競馬IPAT発売 売上額から見えてきた今後の課題

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3日間開催に泣いた南部杯
南部杯PAT売上は計画の7割満たず | みんなの投稿競馬ニュース - netkeiba.com
http://keibauriage.jugem.jp/?eid=126

(以下ツイートの転載はdeji21さんに許可をいただいております)
http://twitter.com/deji2121/status/255225499394134016
大雑把に計算したところ南部杯の売上は約4億8千万円かな。南関、園田場外がない中で平年並みは何とか維持。


http://twitter.com/deji2121/status/255227993495064576
この結果から推測すると、IPAT発売は南関場外+SPAT4と同等程度の力という印象ですね。起爆剤には違いないと思うけど爆発的な起爆剤ではないなぁ。
@deji2121

地方競馬の馬券がIPATで購入できるようになってからはや3ヶ月経過しましたが、各競馬場によって
明暗が別れているようです。とりあえず、いくつか気付いた点を書き記しておきましょう。
上記は効果を過剰に見積もっていた例。南部杯が行われた10月8日はJRAの開催も行われていました。
JRA開催日に地方競馬が発売されても、ファンは普段から慣れたJRAに流れてしまうということが数字で明らかに。
まぁ当然と言えば当然の話。よく知らない競馬場の馬券を買うリスクは冒したくないところだろう。
一応ある程度の売上げは効果できるが、過度に期待し過ぎるのはどうか、という感じ。


IPAT効果で川崎史上最高売上/JBC - 競馬ニュース : nikkansports.com
一方でこちらは成功例。川崎競馬場ではJBCの馬券が発売され、この日は川崎競馬史上最高の売上げを記録。
11月5日は月曜日で祝日でもないためJRA開催はなく、しかもナイター開催で、働かれている人も
仕事後に馬券を買うことができた。JRAと被らなかったことは大きいし、JRAにはない「ナイター開催」ということで、
JRAのファンからには目新しさも感じたのではないだろうか。このナイター効果を如何なく享受しているのが高知だ。
高知新聞

http://twitter.com/deji2121/status/255299273187524608
今日の高知競馬の売上は101,345,800円。そっか1億か…えっ?高知が1億売り上げてんのかよっ!


http://twitter.com/deji2121/status/255303093024063488
調べて見るとJRAのレース終了後の4Rが1040万、5Rが1843万、6Rが2179万。この3つは17時から18時10分に組まれており、この時間帯にやっていた競馬が唯一高知競馬だけだったのが売上を押し上げた要因で間違いないでしょうね。


http://twitter.com/deji2121/status/257452814958215168
高知競馬は2週連続で売上1億円突破。1億707万1700円。今のところIPAT発売が一番功を奏している地方競馬といえますね。
@deji2121

http://keibauriage.jugem.jp/?eid=186
数字を見てもかなり売上げを伸ばしていることが分かります。ナイターでならJRA開催と被りませんし、
仮に土日祝に開催されても、JRAの最終レース後にはかなり売上げが伸びることが分かっています。
(問題は、平日はナイター全レース発売が可能だが、土日は開催締切時刻があり全レース発売が無理なこと)


しかしこうなるとナイター開催が可能な競馬場しか大きな効果は無いように思えてくるIPAT発売。
しかし工夫次第ではなんとかなりそうな功名が見えたのが、福山競馬の例でした。
地域・写真ニュース | 中国新聞アルファ

http://twitter.com/deji2121/status/254868012803448832
福山競馬の売上は7978万2600円。その内、鞆の浦賞は2454万3400円。鞆の浦賞が一つ前のレースより2.7倍の売上になってますね。中央のレースが終わって急激に売れた感じかな。http://data.keiba.rakuten.co.jp/race_dividend/


http://twitter.com/deji2121/status/255232424773046272
小手先の話になるけど土日開催の地方競馬薄暮やった方がいいかもね。そっから先はそれぞれの番組の創意工夫の勝負。


http://twitter.com/deji2121/status/255305647443283968
特に地理的に一番西に位置する佐賀競馬薄暮競馬を長期間やれるメリットがある。ナイター化はIPAT発売のシステムが対応しない限りやめて置いた方が無難。大井が日曜ナイターやる時に連携できるんなら話は別だけど。



http://twitter.com/deji2121/status/255303790033530881
という事は現状は土日のナイター発売はできないみたいだけど、なるべくJRAのレースが終了したあとの薄暮の時間帯にレースを組むのがベターであるといえそうですね。
@deji2121

福山の鞆の浦賞だけが急激に売上げを伸ばしたのは、JRAの全レースが終了した後のことでした。
JRAのお客がそのまま流れた結果でしょう。そういえばかつて小倉競馬場にあった佐賀場外も、
一日で一番お客が多かったのは最終レース終了後でしたっけ。東日本の競馬場は日暮れが早く難しいでしょうが、
西日本の競馬場は日没する時間も遅いですし、IPAT発売の日は特に薄暮開催を推進した方がいいように思います。


さて、ここで改めて地方競馬IPAT発売要綱を見直してみますが、発売するにも色々と条件が多すぎるのです。

原則として、火曜日・水曜日・木曜日・土曜日・日曜日と、特定の月曜日に開催される競馬場(一部)の、発売可能最終時刻までご投票になれます。なお、A-PAT会員については、土曜日・日曜日と、特定の月曜日のみご投票になれます。
即PAT:火曜日、水曜日、木曜日、土曜日、日曜日、特定の月曜日
A-PAT:土曜日、日曜日、特定の月曜日


通常、月曜日・金曜日は、JRA開催前後のシステムメンテナンスため、地方競馬IPATの発売はありません。ただし、特定の月曜日においては、月曜日であっても地方競馬IPATでの発売を行います。


Q.発売レースはどのように決まるの?
「基幹競走」を決定後、JRA非開催日(通常、火曜日〜木曜日)は、基幹競走施行競馬場を含めて最大6競馬場まで、JRA開催日(通常、土曜日・日曜日)は、基幹競走施行競馬場を含めて最大3競馬場まで発売いたします。


Q.基幹競走とは
「基幹競走」とは、以下のレースをいいます。
JRAの非開催日:「ダートグレード競走」もしくは「1着賞金1,000万円以上の重賞競走」。
JRAの開催日:「重賞競走」。

http://www.keiba.go.jp/ipat/qanda.html#a0203

即PAT会員とA-PAT会員とで購入できる曜日が違う点からまず分かりにくいですし、月曜日・金曜日は原則発売せず、
土日は重賞、平日でも「基幹競走」が無ければ発売不可能だという。この基幹競走の条件というのが平日では、
ダートグレード競走」もしくは「1着賞金1,000万円以上の重賞競走」というのは、地方競馬にとって厳しすぎます。
特に「1着賞金1,000万円以上の重賞」というのは南関東では可能だとしても、その他の競馬場では敷居が高すぎる。
http://www.keiba.go.jp/dirtrace/heavy_prize_201211.html
こちらは昨年11月の地方競馬重賞一覧ですが、100万円以下の賞金もザラで、岩手・金沢・園田レベルでも
200万円から300万円程度で、1000万円というのは無理難題過ぎるでしょう。なぜこのような条件を付けたのだろう…。
しかしこの無茶な条件を克服して果敢に挑んだ競馬場もありました。11月22日に笠松競馬場で行われた
第8回笠松グランプリ。上記表を見ても分かりますが2日前の重賞プリンセス特別が1着賞金が200万円なのに対し、
笠松グランプリはまさに破格の1000万円。これは明らかに「基幹競走」にするために賞金をアップしたのでした。
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20121214/201212140939_18839.shtml
期待されて行われた笠松グランプリでしたが、効果は伸び悩みました。これで分かったことは、
IPAT顧客は平日昼間開催にまだ慣れていないということ。そもそもの話として、平日昼間から馬券を買う
ファンの絶対数は少ないのです。これがナイターとなれば前述の川崎のような効果も見込めたのでしょうが…。


今までの話をまとめると、
1.ナイター発売は効果絶大
2.土日開催なら発売時間が被らないJRA最終レース以降が勝負
3.平日昼間は効果が薄い


しかしこうなると平日開催が中心の地方競馬場でやれることは「ナイター開催を行う」ことしかなくなってしまう。
まずは「基幹競走」の概念を失くしてしまうようにNARはJRAと折衝すべきではないだろうか。
「1000万円以上の1着賞金」というのも基準をどこから持ってきているか分からないし意味がない。
そしてこれだけの賞金を用意可能な一部の競馬場ばかりに利があって、その他の競馬場に不利になってしまう。
また将来的に即PAT・A-PAT会員の扱いを統一化すること、月曜・金曜発売を可能にすること、
ばんえい帯広競馬場の馬券も発売可能にすることなど、様々な面で改善する必要がある。
またメンテナンスや、銀行出入金の関係でPAT販売が制限されるというのも…そんなに不可能なことなのでしょうか。
ネット黎明期ならいざ知らず、ここまでシステムの進歩した今ならどうにでも出来そうな気がするんですけどねぇ。


地方競馬場もそれぞれで努力が必要となってきます。特に競馬場の開催告知、周知が重要になる。
場所も特徴もよく知らない競馬場の馬券を買ってもらえるような上手い話は転がっていない。
馬券を買う点でメリット、妙味をもっとJRAのファンにも知らせていかなければならない。
ただ、これに関しては地方競馬にとって永遠の課題でもあるのだ。JRAは地上波TV放送をはじめとして、
マスコミや各媒体で取り上げられ話題になることも少なくないし、何より広告にかける金額が段違いだ。
しかし各地方競馬でそれを行うとなると、打つ手はかなり限られてくる。大々的なPRは不可能に近い。
著名なマスコミや競馬誌、ライター、評論家などに語ってもらうにしても、彼らはJRAのことはよく知っていても、
地方競馬に関しては全くの不見識という人は少なくない。知らないから、語ることができないのだ。

https://twitter.com/inoue_oaks/status/273734994772520960
井上オークス ‏@inoue_oaks
3年ほど前、競馬マスコミ歴20年超の先輩に、福山競馬のことを話したことがある。すると先輩はこう言った。「福山って、東北のどこか?」愕然とした。認知度があまりにも低すぎる。かくいう私も、広島県福山市に競馬場があることを知ったのは、競馬ライターになってからだった。


https://twitter.com/inoue_oaks/status/273736814693605376
井上オークス ‏@inoue_oaks
福山競馬の認知度は、おそろしく低い。だからこそ、まだまだやれることがあった。騎手が東京や大阪の新聞社を訪問して重賞をPRしたり。他場で予想イベントを開いたり。ネットを通じて、ファンが馬券を買いたくなる情報を提供したり。どれも特効薬ではない。でも、万策尽きたとは言えない。

楽天競馬やオッズパークなどをはじめ、地方競馬のブログを書く関係者、競馬マスコミの方はいらっしゃるが、
それらは一部の競馬場に関連する話題に偏ることが多い。地方間でも知名度の差は大きく、売上げにも繋がっている。
荒尾、佐賀、福山をメインに語れる競馬評論家がいるのだろうか、私の知っている限りではそう多くはない。
騎手や調教師の名前すら知らない評論家も多いだろう。高知もナイター開催当初は周知に苦労していたそうだが、
徐々に知られるようになり、他場外などでも売上げが伸びているらしい。関係者の地道な努力があったはずだ。
今はよく知られていない競馬場も、IPATという土台が存在するわけで、ある意味で大きな伸び代があるとも言える。
IPAT発売もまだ始まったばかりだ。少ない限られた予算の中からいかに競馬場の知名度を上げて馬券を買って貰うか、
各競馬場のアイディアと努力が今後はますます求められるだろう。我々のような以前からの固定ファンを
利用してやる、くらいのやり方でもいいのではないか。「地元の競馬場の為ならどうにでも利用されてやる。」
地方競馬のファンはそんな人ばかりが集まっているのだから。とにかくまずは馬券を買ってもらって、
少しずつリピーターになってもらって、固定ファンを増やしていきたい。


IPAT発売から離れて少し余談になります。
佐賀競馬場JRAの馬券売ってるんだ…知らなかった」という声や、逆に「近所の競馬場で買いたい競馬場の
馬券が売ってなかった」という声が聞かれることがあります。調べろ、ぐぐれ、と言ってしまえばお終いですが、
素人さんにとっては得てしてそういうものです。些細なことですが、まず最初の段階で競馬の世界に入ることを
諦めてしまう人もいるのです。確かに、競馬の場外発売というのは分かり辛い。地方競馬では各競馬場が提携している
他場の馬券を発売していますが、当然全ての競馬場の馬券を買うことはできず、日によって買える競馬場もまちまち。
競馬組合間の関係や利権も絡んでいて複雑です。同日に複数の競馬場で同時開催することが多いですからね…。
今後は開催日時がぶつからないよう分散を進め、効率よく馬券を売れるようにしていかなければ。
地方でJRAの馬券が買えるようになって来ているのはいいのですが、逆にJRAの競馬場やWINSでも地方競馬の馬券が
購入できるようにしてほしい。平日の競馬場や場外は眠らせているだけで有効に活用できているとは言えません。
小倉競馬場の佐賀場外は、売上げ<運用費、となってしまい赤字で閉鎖を余儀なくされてしまったようですが、
これは佐賀競馬組合が単独で経営していたため負担が大きくなったからでしょう。JRA施設での馬券発売の運営費を
NARや地方全場に分担させればそうそう赤字にはならないはず。JRAとNARの馬券発売システムの統合作業は
着々と進められているようですし、地方競馬場JRAの馬券が買えるのなら、その逆もあっていいはずです。
将来的には、地方JRAの垣根を越え、全ての競馬場・場外施設で全ての馬券が購入できるようになるといいですね。